イントロダクション
タイトル | : | GO OUT 飛び出す人だけが成功する時代 |
世界で通用するT型キャリアのつくり方 | ||
2023年3月25日 初版第1刷発行 | ||
2023年3月25日 電子書籍版発行 | ||
発行所 | : | ディスカヴァー・トゥエンティワン |
著者 | : | 坪田一男 |
本書のタイトルの「飛び出す人だけが成功する時代」の言葉を見た時、現在の自分に圧倒的に足りないものを突きつけられた気持ちになりました。
「出版社からの内容紹介」(上記リンクからご確認ください)を読み、私は「これだ」と思いました。
自分の問題解決につながるのではと思い、本書を手にすることにしました。
オススメしたい人
- 自分の専門分野のスキルだけを高めている人
- 現在の仕事を辞めたら役に立たない人間になってしまうことが嫌な人
- 100年続く人生を実りあるものにしたい人
学べること
本書で紹介される人生100年時代を生き抜くために必要なことと理由について簡単にまとめました。
また、そのために4枚のスライドも作成しました。
内容と併せてご覧いただきたいですが、ご多用の方はスライドだけでも見てみてください。
本書は、人生100年時代を生き抜くための手法とその効果についても詳しく伝授してくれます。
この記事の内容を読んで現状に危機感を持った人は本書を購入して読んで欲しいと思います。
人生100年時代、目指すのは「飛び出す人」
人生100年時代を迎えたら、定年後の残りの人生、とても逃げ切れるものではありません。
定年後の人生は30年から40年にわたって続きます。
その間、働き続けて新たに何かを生み出すための自分の「引き出し」は十分でしょうか?
100年続く人生を実りあるものにするための「引き出し」を増やす方法。
それは「T型キャリアを目指す」です。
「深化」と「探索」がバランスしている状態が継続的な成長を実現
本書で登場する言葉の定義について確認しておきます。
- コンフォートゾーン
居心地の良い空間。不安にならない領域。自分の専門領域。 - ゴーアウト
コンフォートゾーンの外に飛び出すこと。 - 深化
自分の得意なことの専門性を深堀りすること。 - 探索
現在の自分自身の認知の範囲を超え、遠くに認知を広げていこうとすること。
言葉の定義を確認できたら、次のスライドを見てください。
スライド左側は、深化を深めるときの実態を示した図です。
縦軸が「知識・技能・情意」、横軸が「年数」を表しています。
一般企業に就職して最初の研修等で誰でも一定のレベルに到達することができます。
ここまでは「他力」ですが、その後の成長は「自力」で「深化」していかなければなりません。
「深化」は重要ですが、単一の価値だけでは通用しなくなるリスクがあります。
そのため、ゴーアウトして「探索」により情報収集を続け、得られた情報の中で選りすぐったものを、また「深化」させたり新たに「結合」させていく必要があります。
費やすエネルギーは「深化70%」「探索30%」が継続的な成長を実現するバランスとして最適です。
人材の「型」、目指すのは「T型」「π型」
次の2枚のスライドを見てください。
自分の専門分野の知識や技術を「深化」させていく「I型人材」であることが基本であり大前提です。
「I型人材」であることができたら「探索」することで「T型人材」を目指します。
次に「探索」で見つけたものを「深化」させていきます。
そして、そこからさらに幅広く「探索」…と継続し「π型人材」を目指します。
一般的な日本のビジネスパーソンは「プチT型人材」です。
企業内の部署のローテーションにより得る業務の幅は狭いものにすぎません。
また、1つの部署にいる期間も短いため「深化」も中途半端です。
『3.「T型人材」は「I型人材」の進化の先にある』のスライドの図でいうと「T」の字の縦線と横線が交差したところに位置します。
T型を広げていくためには他の分野にゴーアウトする必要があります。
ここまでの内容をまとめたものが、次のスライドです。
不確実で変化の激しいこれからの社会を生き抜くための唯一の方法。
それが、ゴーアウトして「探索」の旅に出ることです。
読んだ感想
定年退職して自分が長年勤めてきた会社を離れると、自分の市場価値は大きく変わります。
また、日本の年金制度の今後に期待はできないでしょう。
その上での人生100年時代。
仮に自分の市場価値がなくなり、年金も貰えないとすれば退職金と貯金が尽きた後はどのように生きていけばいいでしょうか。
また、自分の市場価値を大きく変えるものは定年退職だけではありません。
今日や明日にも自分の価値を一変させてしまうかもしれない脅威はあります。
例えば、AI。
AIの技術革新によって「将来なくなる仕事」について以前から言われてきました。
しかし、それは「まだ先の話」だと思っていました。
ですが、最近ではChatGPT等の人間の能力を超えたAIの存在が突然身近なものになりました。
「将来なくなる仕事」は、既に始まっている話なのかもしれません。
例えば、AIに文章でやりたいことを伝えれば、AIがプログラムを書いてくれるという話を聞きました。
こうなってしまうと「プログラムを書く」という専門分野のスキルだけを伸ばしてきた人は、仕事を失ってしまいます。
脅威はすぐ近くにあると考えた方が良いでしょう。
私たちは生き残るために早急にゴーアウトして「探索」の旅に出なければなりません。
なんでも体験したことがプラスになるという「探索」の考え方をすれば、私の場合、このブログもゴーアウトの1つと言えるのではないでしょうか。
ブログで読んだ本の要約を書くことによって、本の内容がかなり頭に整理されて残るようになりました。
このことが「引き出し」が増えることに繋がると良いと思います。
著者の坪田先生のゴーアウトの数々のエピソードを読むと「本物のゴーアウト」とは、ここまで思いきったことをすることなのかと思い知らされました。
同時に自分が挑戦できずにいることのハードルが少し低く感じることができ、勇気を貰えた気がします。
本書には「脳のしくみの報酬系の活性化が与える影響」等、ゴーアウトの手法とその効果について坪田先生のエピソードを交えて興味深く書かれています。
100年続く人生を実りあるものにしたいと考えるすべての人に、本書をオススメしたいと思います。