【要約】ベンチャーの作法 ー「結果がすべて」の世界で速さと成果を両取りする仕事術

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結果がすべての世界ーー「成長できているか不安」「もっとスキルを身につけたい」。
そんな気持ちを持っていないだろうか?
本書は、ベンチャーに勤めている人はもちろん、いまはベンチャーにいない人にも役に立つ。
ベンチャーで活躍する作法は、あなたが抱えるモヤモヤを晴らす自信を授けてくれる。

本書の概要

タイトルベンチャーの作法 ー「結果がすべて」の世界で速さと成果を両取りする仕事術
発行日2024年11月26日 プリント版第1刷発行
2024年11月26日 電子版発行
著者高野秀敏
発行所ダイヤモンド社
詳細ベンチャーの作法 ー「結果がすべて」の世界で速さと成果を両取りする仕事術

ベンチャーの真実ーー「ベンチャーで結果を出す方法」に特化した働き方を学べる本。
その内容は、ベンチャーに限らず、すべてのビジネスパーソンの市場価値を高めてくれる。

ベンチャーとは?ーーベンチャーと呼ばれる定義は、会社の規模や創業年数ではない。
熱い想いを持っている経営者や社員がいて、ひたむきに成長を目指している企業をいう。

現状維持は死と同じーー大事なことは「過程」ではなく「結果」のみ。
仕事において求められることは無数にあるが、ベンチャーで求められることは結果のみ。

主要なポイント・学び

なぜそれが重要か?ーー安定を求める気持ちこそが「リスク」。
先の見えない時代、会社の力に頼らず、どんな環境でも結果を出せる力。
それを身につけることこそ、最大の「安定」。

結果を出すために必要な「5つの作法」
ベンチャーで圧倒的な結果を出したいなら、次の5つの作法が必要。

  1. 「目標設定」の作法
  2. 「任務遂行」の作法
  3. 「指示対応」の作法
  4. 「連帯形成」の作法
  5. 「職務越境」の作法

一貫して結果を出すことだけを考える。

「目標設定」の作法

無心で結果だけを追いかけるーーそれが「目標設定」の作法。
権限、指導的立場、活躍、お金、これらを目標にしてはいけない。
しかし、すべては結果を出すことで後からついてくる。

輝かしい過去を過信してはいけないーー組織での評価は環境への適応力に対する評価でしかない。
過去の実績にすがる人は、結果を出すことはない。
反対に過去にいた組織で評価されなかった人がベンチャーでは評価されることもある。
環境が変われば、重要になることも変わる。
最初は経験を忘れて、まっさらな状態で吸収していく姿勢が重要。

自分の成長ーーこれがベンチャーで結果を出す人の共通の目的。
辛いときを「成長できる機会」として喜びを感じる姿勢が大事。
これが人生を支えてくれる基盤となる。

「任務遂行」の作法

自分がやるーー「もっとこうしたほうがいい」等の組織に対する不平不満。
それを言うだけの評論家はいらない。
そう思うなら自分がやる。

すぐやるーーベンチャーでは、とにかくスピードが求められる。
スピードが大事な理由は、2つある。

  1. 先行者利益
  2. 大手参入前に市場で存在感を示す

ベンチャーにとってスピードだけが大手企業に対抗し得る唯一の手段。
スピード重視のためにトレンドに敏感になろう。
新しい技術やサービスは、とにかく自分で試そう。
しかし、効率を追い求めて礼儀を欠くことだけは絶対にしてはならない。
忙しい時代だからこそ礼儀が大事。

たくさんやるーー結果を出すためには多少の無理は避けられない。
「量より質が大事」は事実だが「仕事の質が高い人は量をやっている」ことも事実。
量をこなさないと質は上がらない。

やり抜くーー最後に勝つのはやり抜いた人や企業。
結果が出るまでやり抜く。
勝てるまでやれば、絶対に負けない。

失敗への恐怖ーー行動の妨げになる不安感情には慣れるしかない。
批判には何もせずに静観しよう。
人は忘れる生き物。
成功の回数は、挑戦の回数に比例する。
失敗しないことより果敢に挑戦することが大事。

「指示対応」の作法

経営者が一番ーー経営者の言葉が絶対のルール。
経営者の指示には何がなんでも食らいつくのが「指示対応」の作法。
朝令暮改も受け入れなければならない。
経営者にしか見えていない、感じられないものがある。

  • 資金繰りや人事の情報等の明かせないこと
  • 投資家たちの厳しい視線

説明を求めることは、無駄なあがき。
急な路線変更ができることは、ベンチャーの強みでもある。
ベンチャーでは、指示に合わせて臨機応変に対応できる人だけが評価される。
ただし、経営者を尊重するあまり、他者を振り回してはならない。
業界での自分の評判を下げることを避ける立ち振る舞いが必要。

経営者も人間ーーどんなに優秀な経営者も同じ「人」。
ロジックだけでは届かない境地にたどり着くために勘を信じて決断していることも多い。
未来が見えているわけでも正解を知っているわけでもない。
経営者の判断を信じて全力で取り組むことが仲間として大事な行動。

結果を出すために評価を得るーー「結果だけ出せばなんでもいい」ではダメ。
結果を出しつつ、上司等からの評価を上げなければならない。
評価されれば、より大きな結果を出す機会を与えられる。
ビジネスの世界では、自己評価は意味がなく他者評価がすべて。
たとえ自分の意見が正しくても上司の心証を悪くすれば評価は下がる。
重要な案件から外され、結果を出すことができなくなる。

「連帯形成」の作法

なぜそれが重要かーーベンチャーが持つ最大の財産は「人」である。
様々な経歴や能力を持つ人たちが集まり力を存分に発揮する。
そうすれば、想像もつかない面白いビジネスだって実現可能。
率先して他者を救い、そして自分も他者から救われる人になる。
これが「連帯形成」の作法。

人を動かすーーこれがもっとも難しい仕事。
「言ったことはやってもらえる」と思ってはいけない。
他人が動いてくれることを期待してはいけない。
人を巻き込み動かしていける人だけが結果を出せる。

助けてもらえる人に共通する特徴ーーまずは自分から他者を助ける。
助けられた人は、きっといつかその恩を返してくれる。
自分の仕事に全力を尽くす。
さらに他者を助け、他者からの助けも受ける。

人に助けてもらうときは「マイクロマネジメント」「丸投げ」を使い分ける。
仕事ができる人には「必ず押さえてもらいたい点」や仕上がりイメージの共有で足りる。
仕事ができない人には具体的なアドバイスによる「マイクロマネジメント」が必要。

気を付けなければならないことは、何事も自責で考えなければならない。
巻き込んだ人を責めてはいけない。
他責思考では、失敗から次に活かすための学びを得ることができない。
「自分にも未熟な点がある」と認識することが、学びの始まり。

良好な人間関係の構築ーー大きな仕事を成し遂げるには良好な人間関係が必要。
しかし、中年世代が若者相手にそれをする場合、簡単なことではない。
距離を縮めたいからといって、踏み込み過ぎるのは要注意。
相手が嫌だと思ったらハラスメントになる。
相手から「距離を縮めたい」と思ってもらう努力をしよう。
自分の仕事で結果を出すことで相手に興味を持ってもらおう。

もし、相手が自分より年上であれば歩み寄ってあげるだけで印象が変わる。
自分より若い世代の人に興味を持たれて嫌な気持ちになる人はいない。
世代を超えた円滑なコミュニケーションなくしては仕事は回らない。
結果を出す人は、世代に関係なく良好なコミュニケーションを取る意欲と手段を持つ。

ボスマネジメントーー「根回し」は必須スキル。
上司を味方につけることも必要。
そのために「上司の上司」までを意識して何が求められているかを想像する。
「この提案を通することが、あなたの評価にもつながる」。
そう上司に感じさせる。
自分の評価だけでなく、上司の評価も考えてあげる。

「職務越境」の作法

社内に「関係のない仕事」は存在しないーー「きっと誰かがやるだろう」。
担当の決まっていない仕事は、多くの人が見て見ぬふりををする。
部署と部署、人と人の間に仕事というボールが落ちている。
自分ができるなら、やる。
できないなら、上司に確認して誰かにパスする。
大切なボールに気づき、確実に拾い上げて結果に繋げよう。

「自分の仕事しかしない」では困る。
仮に、あなたが自分の担当業務を完璧にこなしたとしよう。
しかし、プロジェクト全体で見れば目標未遂であれば、それは「失敗」。
担当外の仕事にも当事者意識をもって関わり、フォローしなくてはならない。

経営者のボールも奪うーー経営者は抱えきれないボールを持っている。
だから、経営者の思考を先回りして必要な作業を行う。
そういった行動が経営者からの信頼を得ることに繋がる。
充分なクオリティが出せれば、経営者から仕事を任せてもらえるようになる。
権限をもらうことでレベルの高い仕事が与えられるのではない。
権限とは、レベルの高い仕事に手を出し納得してもらうことで付与されるものである。

「越境」と「越権」の違いーー「越境」とは落ちているボールを拾うこと。
「越権」とは、他者が持っているボールを奪うこと。
人の仕事を奪って無断で進めてはならない。
出すぎた真似はしない。
いかなる場合にも筋を通すことが必要。

曖昧な仕事はチャンスーー曖昧な仕事に対して指示の悪さに腹を立てない。
曖昧ということは、自分で考えていい、裁量のある仕事ということ。
主体的に提案して能力をアピールするチャンス。
言われたことはそのとおりにやり、言われてないことに創意工夫を凝らす。
そうやって信頼を得ていく。

管理職のプロは不要ーーITツールによって情報の可視化・共有が容易になった。
そのため、経営者と現場をつないで管理するだけの人は必要がなくなった。
マネジメントもする。採用もする。プレーヤーとしても結果を出す。
ベンチャーでは、チームの先頭を走り、良き模範となるリーダーだけが求められる。

経営者の期待を超えるーーベンチャーの経営者は能力が非常に高い。
そのため、経営者は社員に期待していない。
だから、期待値が低いからこそ期待を超えるのは簡単。
自ら考え、動き、言われたことに付加価値をつける。

会社の壁を超えるーー社外の勉強会や交流会に積極的に参加する。
知見は広がり、人脈も広がる。
さらに勉強会や交流会を主宰する側に回ると参加するだけより何倍もの恩恵を得られる。
企画力、人を動かす力、マネジメントやリーダーシップ等を学ぶことができる。
失敗したとしても、自分に不足するものに気づける価値ある経験となる。

まとめ・感想

ベンチャーに挑戦する前に必ず読むべき一冊。
本書によれば、ベンチャーに入ってから「こんなはずじゃなかった」と悩む人が多いという。
転職は人生を左右する大きな決断。
この本を読めば自分がベンチャーに「向いているか」「向いていないか」が必ずわかる。
誰も厳しくしてくれない時代、本書はあえて厳しいことがいろいろ書かれている。
それらは、誤解したままベンチャーの世界に足を踏み入れることへの牽制。
本書を読み終えると、それらはすべて著者の優しさであることがわかる。
私のように厳しめなことを言われるのが苦手な人も堪えて最後まで読んで欲しい。
その価値は絶対にある。

本書の目玉となる大事な教え「5つの作法」は、ベンチャーに特化したものである。
要所で大企業との働き方の違いが説明されているため、より理解が深まる。
組織の成長段階によって、こうも働き方に違いが出るかと驚きがあって面白い。
読者が所属する組織に合わせて、取り入れるべきこと、そうでないことが判断がつきやすい。
そのため、いまベンチャーにいない人が読んでも必ず役立つ。
仕事に対する「目からうろこ」だったり、意識を高めるための情報を多数得ることができる。
仕事の仕方で悩んでいる人は、そのモヤモヤを解消することができるかもしれない。

「結果がすべて」の世界の仕事の作法は、必ず自身を高みへと連れて行ってくれる。
求めるものは結果を出すことで後からついてくる。

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