はじめに:「お金のことでもう悩みたくない」と思う人へ
毎日まじめに働いているのに、なぜかお金が足りない。
生活費は上がり続け、賃金は思うように伸びず、将来への不安は募るばかり。
節約を重ねても、お金に関する心配の種は尽きない。
「失われた30年」と呼ばれる長期の経済停滞は、形を変えながら今も続いている。
生活者目線の改革よりも、財政健全化や既得権益の維持が優先される政治。
その結果、日本では努力が報われにくい社会構造が、半ば制度として定着してしまった。
残念ながら、現状の政治がこの構造を根本から変えてくれるとは、容易には思えない。
それでも、この現状を打開する方法がある。
それは、まず学ぶこと。
そして、行動することだ。
今ここから、あなたは未来を変えることができる。
書籍の基本情報
タイトル | : | 日本人だけが知らないシン・華僑の教え |
発行日 | : | 2025年8月2日 初版 |
著者 | : | 新井 亨, 鄭 剣豪 |
発行所 | : | フォレスト出版 |
詳細 | : | 日本人だけが知らないシン・華僑の教え |
主要なポイント・学び
華僑とは、祖国である中国を離れ、世界各地へと移住した中国系移民のこと。
世界には約6000万人の華僑が存在する。
その総資産は約2兆5000億ドルと推定されている。
華僑が強い影響力を持つ理由は、2つある。
- 強固な結束力
- 独自のビジネスノウハウの継承
華僑は異国の地で互いに助け合う。
情報や知識を共有しながら発展するスタイルを持っている。
華僑のビジネスには、3つの特徴がある。
- 現地の商圏に深く入り込む
地域密着ビジネスから徐々に事業を拡大し、地域のインフラになる。
- 強固なコミュニティと互助システム
同郷や家族のつながりを重視する。
互いにビジネスを支え合うネットワークがあり、資金や取引先を紹介し合う。
- 機会を見極めるスピードが速い
チャンスを掴む商売の本質を正しく理解している。
リスクをいち早く察知、柔軟に変化してチャンスを探し続ける。
本書では、進化し続ける「シン・華僑ビジネスの教え」を学ぶことができる。
華僑の考えるビジネスは超シンプル
華僑の強さ――複雑な経営理論に頼らないこと。
入ってくる金額より出ていく金額が小さければ利益が出る。
利益 = 売上 - 費用
利益を最大化させるためには、2つの方法しかない。
- 売上を最大化すること
- 費用を最小化すること
利益が出たら、再投資してさらに利益を出す。
華僑が考える売上高――売上は「お客様が選んで支払ってくれた金額」。
つまり、売上を伸ばすには「お客様に選んでもらう」ことが一番大事。
売上 = 「お客様に選ばれること(人数)」 × 「価格」 × 「何回買うか」
売上を伸ばす3つの方法
売上が伸びない理由は、3つある。
- 商品・サービスに魅力がない
- 適正価格でない
- 満足度が低い(リピートしない)
つまり「売上が伸びない理由」を解決すれば、売上は自然と伸びる。
- 選ばれる商品・サービスを用意する
- 適正価格にする
- 満足度を上げる(リピーターを増やす)
この3つの解決策について徹底的に考える。
選ばれる商品・サービスを用意する
より多くの人が使う商品やサービスで勝負することが正解。
多くの人が求めるものを、できるだけシンプルな仕組みで提供する。
次のような言葉を言う人がいるが、惑わされてはいけない。
成功するビジネスは、シンプルな商品構成。
商品ラインナップは少なくていい。
人気商品だけあればまったく問題ない。
適正価格にする
人が物やサービスを買うのは、価格に対して得られるメリットが大きいと思ったとき。
払う金額 < 得られるメリット・期待値(満足度)
つまり、価格とは得られる期待値の大きさ。
「500円だから安い」「1000円だから高い」という金額の大小ではない。
期待値は、心で決まる。
お客様の期待値はコントロールできる。
「この価格なら安い」という訴求がしっかりできていれば、高価格帯でも物やサービスは売れる。
期待値コントロール術
- 店舗の雰囲気づくり
- 限定性、希少価値の演出
- 権威性を与える工夫
- 商品の背景にあるストーリー
商品やサービスが高くても買ってもらえる2つの理由
- 悩みを解決してくれるもの
- 生活を豊かにする
お客様に「いただく対価以上のメリットがある」と感じてもらうことが必要。
また、買わない理由を把握して不安を取り除くことも大事。
価格が明瞭なだけで一気に買ってくれる人が増える。
期待値(満足度)を上げる(リピーターを増やす)
リビーターを増やす――そのためには価格以上の満足感を与えればいいだけ。
華僑が提供するのは生活に密着したインフラ。
「ないと困る」状態になれば、リピート客が増え続ける。
ただし、期待値を上げ過ぎると下回ったときにリピートされなくなる。
ただ期待値を上げればいいというわけではないので注意が必要。
負けない戦い方
費用は防御――費用が売上より大きいと利益が出ず赤字になる。
異国でビジネスする華僑にとって生き残る方法は利益を出すしかない。
売上は攻撃、費用は防御だ。
防御である費用の本質をしっかりと理解する必要がある。
コスト――人が動くことで発生する費用のこと。
コストカットのためにできることは、次の2つ方法。
- 利益にならない作業を減らす
- 作業自体をやめる
コストカットは、節約とは全く違うものだ。
費用の種類――費用は大きく2つに分類できる。
- 固定費
- 変動費
固定費――毎月売上に関係なくかかる費用のこと。
固定費が低ければ利益が出やすい。
固定費が高いと収益が出にくくなる。
変動費――必要なときに必要なだけかかるもの。
華僑は収益が出るものに惜しみなくお金を使う。
固定費が大きいと、毎月それ以上の売上を出す必要があるためリスクが高まる。
華僑は固定費が高くなることを嫌い、変動費に関しては寛容。
華僑は費用を固定費ではなく変動費にしようとする。
報酬体系――華僑系企業と日本企業では、報酬体系に大きな違いがある。
華僑系企業は、業務委託契約(変動費)で協力してくれたら利益の半分を支払う。
業務委託契約なら空き時間や休日でもできるので優秀なスタッフが集まりやすい。
売上や利益が発生しなければ、費用はかからない。
売上が入って来てから支払う順番なのでリスクがない。
高報酬を得る仕組みがあるため、できるスタッフのモチベーションが高い。
しっかり利益を出せるスタッフをできるだけ集めて利益を拡大していく。
日本企業は、正社員の雇用が中心で固定給を支払う形が主流。
固定費は増えるし、利益が出なくても支払いが発生するデメリットがある。
優秀なスタッフもできないスタッフも給与がほとんど同じ。
そのため、できるスタッフのモチベーションが低くなる。
優秀なスタッフは「もっともらえるべきだ」と不満を持って辞めてしまう。
そして、できないスタッフばかりが残る。
費用を出す順番――入金を確認してから、その中で支払う。
そのためマイナスになることはない。
スタッフ利益 = 売上(スタッフの売上) - 費用(スタッフへの支払い)
「お金」に対する考え方
お金は感謝の対価――華僑にとって、お金はお客様に喜んでもらった証。
お金持ちになりたければ、より多くの人に感謝されることをすればいい。
華僑は、多くの人から尊敬されたから富裕層になれたと考えている。
お金持ちとは、単に多くの現金を持っている人のことではない。
なぜなら、お金は使えば減る。
真のお金持ちは、お金が入り続ける状態を維持できる人。
つまり、常に感謝され続ける仕組みをつくった人だ。
さらに、華僑は無駄な出費をしない。
過度な浪費がプラスにならないことを知っている。
成金のような派手な生活をすることはない。
お金はビジネスの血液――華僑は金融機関からの評価を重視する。
華僑が金融機関から信頼を得られる理由は、2つある。
- 安定した収入を得ている
- 無駄な出費をしない
金融機関からの借入れを「感謝の対価」が得られる事業や投資に再投資する。
そうすれば、最大のリターンを得ることができる。
このサイクルを構築することが重要。
借入れを避け続ければ、成長の機会を逃す。
信用を得るための資産運用――それはビジネスを加速させる戦略ツール。
金(ゴールド)と不動産は、誰が見ても確実に資産を持っているとわかる形。
金融機関は確実に価値がある資産を持つ人を信用し、積極的に融資を行う。
だから、華僑は金(ゴールド)と不動産を買い、資産を可視化する。
対外的な信用を高める戦略――上場企業の株式は資産力と影響力の証明。
華僑は、株式に保有している以上の意味を持たせる。
株式を持つことには、2つのメリットがある。
- 金融機関からの評価が上がる
- 企業の意思決定に影響を与えられる
世界的に影響力を広げる――株式に関して国境はない。
株主総会に出席し、経営に対して意見を述べる。
一定数の株式を取得すれば、国を超えての業務提携などが可能となる。
既存の優良企業との提携により競争優位性を確立する。
短期間での成長を実現し、世界市場で影響力を拡大することができる。
人脈を資産に変える
ゼロから人脈構築――華僑は異国の地でゼロからビジネスパートナーを見つける。
それができるのは「ギブ・ファースト」という基本を徹底していることにある。
ギブ・ファースト――先に価値を提供するという考え方。
「私があなたにとってどんなメリットを提供できるか?」を最初に考えて伝える。
「ギブ・ファースト」には、ビジネスを加速させる3つの理由がある。
- 信頼を早く築くことができる
ビジネスでは「信頼」が最も重要。
「ギブ・ファースト」は、信頼の構築スピードが非常に速い。
それが事業拡大のスピードに直結する。
- 自然と人脈が広がる
価値を提供した相手と信頼関係を構築すると新しい人脈が広がっていく。
「ギブ・ファースト」の姿勢は、人を引き寄せる。
その結果、短期間で多くのビジネスパートナーとつながることができる。
- 競争を避けて協力関係を築ける
華僑は同業者にも価値提供し、競争相手をビジネスパートナーにする。
協力関係を築きながら事業を成長させる。
事前リサーチ――華僑はビジネス交流する場合、事前に相手を徹底的にリサーチする。
「相手を知り、自分がどのように貢献できるか」を考えることを最優先する。
そのため、華僑は誰が参加しているかわからない大人数の名刺交換会には参加しない。
自己分析力――自分の立ち位置を正しく理解し、強みと弱みを客観的に把握する。
どの分野で競争力があり、どの分野では未熟なのかを冷静に分析する。
ビジネスのステージを上げるために必要なことを戦略的に考える。
成長プロセスを見極め、適切なタイミングで仕掛ける。
そして、そのときは「誠実な情報開示」を最優先する。
誠実な情報開示――それがビジネスを長期的に成長させる。
信頼関係を構築するためには、メリットだけでなくデメリットも率直に伝える。
最初に隠されたデメリットが後から発覚すれば、信頼関係が崩れてしまう。
自己開示の方法――最初は誰でもゼロからのスタート。
会社規模が小さくても、それを正直にためらいなく開示する。
その姿勢は、相手に「この人は信頼できる」と感じさせる。
その信頼は、協力して成長する良いパートナーシップを築くことにつながる。
少なくとも「応援したい」と思ってもらいやすくなる。
知人経由の紹介を重視――それが会った瞬間からビジネスを加速させる仕組みにつながる。
華僑は、ビジネスパートナー候補と出会う際、必ず信頼できる人を通じて紹介を依頼する。
知人経由の紹介には、次の3つのメリットがある。
- 雑な扱いを受けない
突然連絡を取っても真剣に対応してくれるとは限らない。
知人の紹介なら誠意を持って対応せざるを得ない。
より良い関係構築のきっかけをつくることができる。
- 事前準備ができる
何を提案しようとしているのか?
この話に興味があるか?
「なぜこの人と会いたいのか」を明確にしたうえで紹介をお願いする。
相手が興味を示すか事前確認を行う。
合意がとれた段階で初めてミーティングの場を設定する。
- 質のいいミーティングができる
会う前の準備が徹底されているため、ビジネスの進展が早い。
お互いのビジョンを確認し、即座に具体的な交渉に入ることができる。
質素さと誠実さ――華僑にとって、富とは築き上げ増やしていくもの。
お金は「感謝の対価」であり、適切に再投資していくことが富を築く唯一の方法。
贅沢品を持つことは、自己顕示欲の表れであり、再投資ができていない証拠。
派手な格好をしている人とは、ビジネスを一緒にしたくないとさえ考える。
華僑ビジネスの世界では「誠実さ」「謙虚さ」が圧倒的に評価される。
財界・政界――華僑は、財界・政界との人脈を重視する。
財界・政界とのネットワークを重視するは、次の2つの理由がある。
- 「どの産業に力を入れるか?」等の国家戦略を先取りできる
- 国や自治体が抱える問題をビジネスチャンスに変えられる
華僑は、政府系イベントや国際フォーラムに積極的に参加し、財界・政界のキーマンと直接コンタクトを取ることを重視する。
お金の教育
お金とは?――華僑はお金を「正しく使い、増やし、守る」ための教育を受けている。
華僑の家庭では、子どもにも積極的にお金の話をする。
華僑の子どもは、幼少期から会社の売上管理を手伝い、仕入作業や帳簿のつけ方を学ぶ。
株式市場の不動産などについての経営基本を教えられる。
そうして、お金についてリアルな知識を自然と身につけていく。
「お金を増やす方法」「ビジネスの仕組み」を学んでいく。
最大の社会貢献――華僑は「お金を稼ぐことは善」と考える。
- 会社が利益を出すことは、多く人に価値を提供し感謝された証拠。
- 利益を上げることで、納税して国に貢献することができる。
- 利益の再投資で、さらなる雇用を生み出している。
一方、日本人は「お金は汚いもの」などと考え、後ろめたさを感じる。
だから、お金の話を子どもにするのはタブーとされがち。
こうした考えは、無意識のうちに子どもたちにも刷り込まれていく。
日本では、お金の教育はほとんど行われていない。
大人になってからもお金に関する知識が乏しいままで苦労する人が多い。
納税を誇りに思う――華僑は「税金を払うこと = 社会貢献」と理解している。
利益を最大化し、しっかりと納税を行い、再投資するというスタンスを貫く。
一方、日本人は節税ばかりを考える。
しかし、その節税対策の多くは税金を払うタイミングを先延ばしにしているだけ。
節税を意識し過ぎた結果、利益を横ばいのままにしてしまう。
変化への適応――それができた者だけが生き残る。
お客様目線に立ち、社会に貢献する形で事業を変化させていく。
知恵を持ち、時代に合わせて適応できる企業だけが生き残る。
それが、華僑の経営哲学の重要なポイント。
強い者が生き残るのではない。
複利の力――富を増やすために最も偉大な発明は複利である。
複利を使えば、誰でも大きな資産をつくることができる。
- 富裕層:得たリターンを使わずに再投資し続ける
- 一般の人:得たリターンを短期的に使ってしまう
72の法則――複利の力で手元資金が倍になるまでの年数を知ることができる。
72 ÷ 年利(%) = 資産が2倍になる年数
貧富の差が広がる理由は「長期目線」と「複利の力」で決定づけられる。
富裕層への道――その道は、誰にでも開かれている。
特別な人たちだけが、お金持ちになれるのではない。
正しい考え方と行動で、誰でも資産を増やすことができる。
富裕層の行動には、次の3つの法則がある。
- 収入の柱を複数持つ(副業ではなく複業)
会社の給与だけでは、それが途絶えると生活や精神面に大きな影響を及ぼす。
そうならないために複数の収入源(家賃収入・配当収入・複利収入)を持つ。
片手間ではなくビジネスとして本気で取り組む。
- 自己投資を惜しまない
常にビジネスの知識や投資スキルを磨き続ける。
金融リテラシーを高める。
- お金に働いてもらう
- 自分の労働時間を増やさず、社員の時間を買う。
- 長期的な視点を持ち、複利の力で資産を増やしていく。
戦うステージを変える――富を築くためには「常にステージを上げ続ける」ことが不可欠。
多くの成功者が資本がない状態から事業を立ち上げる。
出した利益を再投資することを繰り返せば、永続的に収益を上げることができる。
これには「ビジネス」と「資本」の関係を正しく理解することが重要。
- 小資本で始められるビジネスは、参入障壁が低く、ライバルが多い
- ライバルが多ければ、価格競争が激しくなる
- 価格競争が激しければ、利益率が下がり、経営が厳しくなる
だから、華僑は利益が出たら、その資金を使って上のステージに進む。
上のステージに進むということは、参入障壁が高くなる。
そうすれば、ライバルは減り、価格競争に巻き込まれない。
より安定的な利益を生み出すことができるようになる。
ストック型ビジネス――売上が時間の経過とともに増加するビジネスを選ぶ。
ビジネスには「フロー型」と「ストック型」の2種類がある。
- フロー型:一度売ったら終わり(例:単発の注文)
- ストック型:定期的に顧客が利用し続ける(例:サブスクリプション)
ストック型ビジネスは、一度顧客を獲得すれば定期的な利益が見込める。
収益予想がしやすく、安定経営が可能となる。
フロー型ビジネスは、常に新規顧客の獲得が必要であり負担となる。
また、未来の収支の計算が一切できず、長期目線でのビジネスができない。
身体こそ最大の資本――将来、健康を崩して医療費や生活費で資産を失うリスクを認識する。
定期的に健康診断を受け、異常が見つかれば早期発見・早期治療につなげる。
長期的な資産運用や事業継続には、健康でなければならない。
まとめ・感想
本書『日本人だけが知らないシン・華僑の教え』の中から本記事で取り上げて紹介した内容をまとめると以下のとおり。
- 利益は、入ってくる金額より出ていく金額が小さければ出る
売上を伸ばすには「お客様に選んでもらう」ことが一番大事。
選ばれる商品・サービスを適正価格で用意し、リピートしてもらう。
- 費用を固定費ではなく変動費にしようとする
固定費が大きいと、万が一の出費に対応できず赤字リスクが高まる。
売上が入ってから支払うという順番が重要。
- お金は、感謝の対価
お金持ちになりたければ、より多くの人に感謝されることをする。
感謝の対価を再投資することを繰り返せば、永続的に感謝され続ける。
- 金融機関からの評価を重視する
感謝され続けることで、常に収入が入り続ける仕組みができる。
この仕組みは安定した収入を生み、金融機関から高く評価される。
金融機関から借入れをして、感謝され続けるサイクルを加速させる。
- 金(ゴールド)、不動産、株式を買う
対外的な信用を高める。
優良企業との業務提携により世界的に影響力を拡大する。
- ビジネスでは「信頼」が最も重要
「ギブ・ファースト」と「質素さと誠実さ」によって良いパートナーシップを築く。
「どんなメリットを提供できるか?」を正しく見極める自己分析力が重要。
ビジネスパートナー候補と出会う際、必ず信頼できる人を通じて紹介を依頼する。
- 納税は、社会貢献
納税を誇りに思い、利益を最大化するスタンスを貫く。
節税ばかり考えれば、成長のタイミングを逃してしまう。
- 変化に適応できる者だけが生き残る
常にお客様目線に立つ。
時代に合わせて、社会に貢献する形で事業を変化させていく。
- 複利の力を使う
長期的な投資戦略で加速度的に資産を増やす。
- 富裕層への道は、次の3つの法則によって開かれる
- 収入の柱を複数持つ
- 自己投資を惜しまない
- お金に働いてもらう
- 常にステージを上げ続ける
利益の再投資を繰り返し、常に参入障壁が1つ上のステージに進むことを意識する。
高いステージは、ライバルが少ないため安定的な利益を生み出すことができる。
- ストック型ビジネスを選ぶ
ストック型ビジネスによる売上は、予想しやすく、安定する。
- 身体こそ最大の資本
健康を崩すことで資産を失うリスクを認識する。
長期的な資産運用や事業継続には、健康でなければならない。
華僑はなぜ圧倒的に成功率が高いのか?
本書では、その本質をわかりやすく学ぶことができた。
シンプルな教えは、納得の内容だった。
それよりも、これまでの自分の固定観念を崩すことの方が難しそうに思えた。
「自分がお金を好きにならなければ、お金に好きになってもらえない」
何処かで聞いた言葉で、まさにそのとおりだと思う。
しかし、それでも、私は誰かとお金の話をする際はどこかばつが悪い思いをしてしまう。
「お金を汚いもの」と考える人は多く、そんな人たちからの視線を痛く感じてしまう。
きっと、自分も「お金を汚いもの」という考えを拭い去れないためだろう。
そんな私にとって、華僑の「お金は感謝の対価」という考え方は衝撃的だった。
とてもいい言葉だ。
これなら「お金は汚いものではない」ことを周囲の人も共感してくれそうだ。
異なる文化を知ることは、自分のマイナスの固定観念を変えてくれることに役立つ。
また、本書の内容は金融リテラシーを学ぶことの重要性を再確認できるものだった。
本書は「いま何をしなければいけないか」を教えてくれた。
華僑が成功できる理由を知る一方で、日本が衰退していく理由もよくわかった。
残念ながら、この国が自然と回復することはないと思う。
日本が危機的状況である絶望の最中、本書が教えてくれたことは希望そのもの。
こんな国だからこそ、自分自身が動かなければ何も変わらない。
本書は、知識だけではなく行動する意欲も与えてくれるものだ。
「学び、それを行動に移せば、人生は確実に変わる」
本書のこの言葉を信じて、諦めずに実践し続けようと思う。