【要約】『お金の引力』お金持ちをめざすなら、確実な収入を見込める不動産ビジネス

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イントロダクション

タイトルお金の引力
発行日2023年4月30日 電子版発行
発行所サンマーク出版
著者末岡由紀
著者情報は、上記リンクからご確認ください。

お金の引力?…て何?

という感じで、表紙に目に留まった本書。
商品説明を見ると、本書は資産10億円になれた著者が、お金持ちになるために行った「お金の引力」を高める方法について知ることができる内容ということで、興味が湧きました。

まぁ、よくある投資系の話かな?

と、思いながらも「預金残高391円」という、おそらく多く人が絶望する状況からどうやって著者がお金持ちになることができたのかについても気になりました。
よくある投資を勧めるだけの本とは違う気がして本書を手にすることにしました。

オススメしたい人

  • お金持ちになりたい人
  • 生活に余裕がなくギリギリのお金で生活している人
  • 家族との時間を大切にしたい等、自分の好きなことに時間(人生)を使いたい人

学べること

たいていの人は、段階を経てお金持ちになっていくことがほとんどです。
本書は、年収450万円以下から始まり「年収450万円→年収2000万円→年収1億円超」とお金持ちになる段階を区切り、その各段階に応じた「お金の引力を高める方法」を学んでいく構成となっています。
ここでは、各段階を通して重要な内容について、私の解釈で簡単にまとめたものを掲載しています。
すべての内容を詳しく学びたい人は、本書を購入することをオススメします。

「お金持ち」の定義

本書では、著者が考える「お金持ち」の定義について紹介されています。
はじめに確認しておきましょう。

お金と時間と場所から解放され、人生の夢をかなえ、
多くの人から愛され、
自分の生み出した富を多くの人に還元している人。

『第1章 年収450万円以下の君がお金持ちになるために今やるべきこと
01 年収450万円になるためのマインドセット【5ステップ】
お金持ちになる必須条件!「親ガチャ失敗」なら親から逃げろ』より

これが、本書で目指すべき本当の「お金持ち」です。

お金を得る方法

お金を得る方法についても確認しておきましょう。
主な方法は、次の3つです。

  1. 労働:自分の頭と体を使って働くこと。
  2. 投資:今後価値が上がりそうな株や土地などにお金を出すこと。
  3. 起業:新たな事業を起こすこと。

1.労働
会社から支払われる給料は、自分の自由な時間、体力や気力と引き換えに得るものです。
1日は24時間であるため、どんなに必死に働いても限界があります。
そのため、給料だけでお金持ちになることはむずかしいです。

※年収450万円以下の場合、必死に取り組むべきは「労働」です。
年収450万円に届かない場合は、今の仕事をとにかく一生懸命やってください。
どうしたらもっと効率よく作業できるか、どうしたらもっとクライアントに喜んでもらえるか等、日々創意工夫して仕事に向かってください。
それが、いずれ将来の羅針盤とも言える「自分の軸」になります。
ですが「なんとしてでもお金持ちになりたい!」と渇望しつつ、どんなに頑張っても生活するのにギリギリのお金しか手に入らない仕事であれば、転職も視野に入れるべきです。

2.投資
投資は、自分の代わりにお金が働いてくれる点が労働との大きな違いです。
お金持ちをめざすなら、確実な収入を見込める不動産ビジネス、株や債券への投資は欠かせません。
一生懸命働き、無駄な出費を抑え、預金を増やし、そして、預金の一部を投資に回していくことが肝心です。
入ってくるお金を使う割合は「浪費1:消費6:投資3」をめざしてください。

3.起業
お金持ちになろうとするとき、会社員という立場は非常に不利です。
実際、日本で資産1億円以上のお金持ちは、芸能人などの特殊な技術を持つ人が全体の2割、企業経営者が4割、不動産所有者が4割なのだそうです。
起業する年齢は、若ければ若いほどいいです。
会社員として必死に働いていたときに築いた「自分の軸」が進むべき道を決めるのに役立つはずです。

「いい借金」と「悪い借金」がある

「借金は怖い」「借金をするのはよくない」と考える人は少なくありません。
しかし、借金には「いい借金」と「悪い借金」があります。
お金持ちは、基本的に悪い借金をせず、いい借金をどんどんしていきます。

悪い借金とは、何かを手に入れるお金を得るためにお金を借りることです。
多くの人がやっている住宅ローンや自動車ローンは、典型的な悪い借金です。

いい借金とは、稼いでくれるお金を得るためにお金を借りることです。
たとえば5000万円の借金をして不動産を購入したとしても、その不動産がローンの返済額以上の収益を生み出せば、それはいい借金となります。

たしかに借金にはリスクがあります。
しかし、すでに十分なお金を持っていれば、万一の事態になっても対応できます。
本当のお金持ちは、十分なお金を持っているからこそ借金をするのです。

夢を描く、そして夢に予算をつける

お金の使い道に夢があると、お金は増えやすくなります。
「なんとしてもこの夢をかなえたい」という思いは、大きなエネルギーになります。
なにより夢があると人生が楽しくなります。

夢は、公言しましょう。
他者に夢を語ると、心から応援してくれて助言や知恵をくれる協力者を得ることが出来ます。
一方で夢をぶち壊そうとする人も現れますが、彼らの言葉は受け流しましょう。

また、夢を実現させるために大事なのは、夢に予算をつけることです。
その金額を具体的に弾き出しましょう。
予算を組みはじめると、夢を実現するためにやるべきことが具体的に見えてきます。
頭の中の妄想が現実味を帯びるようになります。

目標達成シート

大リーガーの大谷翔平選手もやっていた「目標達成シート」。
「目標達成シート」を作成し、さらに自分の状況に合わせて都度更新していきます。

「目標達成シート」の作り方は、次のとおりです。

1.具体的な目標を決める
目標は、周囲の価値観で決めてはいけません。
自分自身が本気でそうなりたいと思えるかどうかで決めてください。

2.状況を整理する
目標達成のためにすべきことが明確になるように自分が置かれている状況を整理しましょう。

3.目標達成の期限を決める
人は、期限があるからこそ大きな力を発揮することができます。

4.目標達成するために、「やること」と「やらないこと」を具体的に書き出す
目標が明確になったら、何をすれば目標達成できるかを考えましょう。
やるべきことに集中するために、やらないことも決めましょう。

次にある物語は「目標達成シート」作成の具体例です(※本書のものとは異なります)
(もっと短い物語にするつもりが、思ったより長くなってしまいました)

プコとりんごの木

ある日、プコが森を歩いていると、りんごの木を見つけました。
木には、とてもおいしそうなりんごが実っています。
「なんて、おいしそうなりんごなんだろう」
プコは、りんごを採ろうと頑張って手を伸ばしました。
しかし、一番下の枝に実るりんごにすら触れることができません。

プコは、どうしてもそのりんごを食べたいと強く願いました。
そこで、プコは「目標達成シート」を作ることにしました。

1.具体的な目標を決める

具体的な目標は、もちろん「自分の背丈より高いところにある、あのりんごを食べる」です。
周囲の価値観では「りんごを食べたいなら、お店で買ってくればいいじゃん」となるかもしれません。
しかし、プコは自分の背丈より高いところに実るりんごを食べることが最高にかっこいいと思ったのです。
これを譲ることはプコにはできません。

2.状況を整理する

プコは、状況を整理するために、自分の手が届くところからりんごまでの距離感を調べました。
そのことにより、その距離を何らかの方法で埋めなければならないことが明確になりました。
具体的な方法として、プコは長い棒を探して使うことに決めました。

3.目標達成の期限を決める

プコは、目標達成の期限を、今日の晩ごはんまでに決めました。
このとき、プコは、そうしなければ、この目標がズルズルと先延ばしになり、ただの夢で終わってしまうのではないかと思ったのです。

4.目標達成するために、「やること」と「やらないこと」を具体的に書き出す

プコは、目標達成のために「やること」と「やらないこと」を書き出しました。
「やること」は、丁度良い棒切れを探すために期限まで森中を歩き廻ることです。
「やらないこと」は、お昼寝です。
そして、晩ごはんの後のデザートの準備すらしないと決めました。
何故なら、今夜のデザートは、あのりんごだからです。
これは、プコにとって不退転の覚悟の表れです。

こうしてプコは「目標達成シート」を完成させました。
そうして、とうとうプコは実行に移ります。

プコは、りんごを食べることができたのでしょうか。
それは、また、別のお話・・・

本書では著者の実体験を通して具体的な「目標達成シート」の作成例を知ることができます。

「目標達成シート」にも必要な予算を立ててください。
目標が明確になると人は頑張ることができるのです。

自分の家計をPL、BS、CFで見る

PL、BS、CFは、一般的には企業の会計に使われるものです。
もし、起業をして経営者になったら常に気にしなければならない数字です。

  1. PL(Profit and Loss statement)…損益計算書
    その年度にどれくらいの収入があり、どれくらの支出があったのかを洗い出すもの。
  2. BS(Balance Sheet)…賃借対照表
    資産と負債を洗い出して年度末の時点での財政状況を明確にするもの。
  3. CF(Cash Flow)…キャッシュフロー計算書
    お金の流れのこと。

PL、BS、CFは、個人や家計の状態を見るときにも欠かせません。
お金に近づいてきて欲しいなら、こちらからもお金に気を向けることが大事です。

1.PL
PLでは、給料などの収入がいくらくらいあったのか、また、家賃や水道光熱費、食費などでいくらくらい支出があったのか洗い出すことになります。

2.BS
BSでは、資産と負債を洗い出します。
資産とは、現金、預貯金、株などの現金化することができるものです。
次の2つに分類することができます。

  • 流動資産
    1年以内に現金化が可能なもの。
    (現金、預貯金、投資信託、株式など)
  • 固定資産
    1年以内には必ずしも現金化できないかもしれないもの。
    (土地、建物、車など)

負債とは、借金のことです。
次の2つに分類することができます。

  • 短期借入
    1年未満の短期の借入。
    (クレジットカードローンなど)
  • 長期借入
    1年以上の長期の借入。
    (住宅ローン、自動車ローン、奨学金の返済など)

これらを洗い出し、資産の総額から負債の総額を引けば、純粋にいくらくらいの資産を保有しているかがわかります。

3.CF
CFでは、自分のお金の流れに着目してください。
家賃、水道光熱費、通信費のような毎月の固定費、さらに食事や雑費などを毎月のおおよそ平均いくらくらい使っているかを直近3か月で確認しましょう。
その合計が1か月の最低経費です。
給料からその額を引けば「自由に使える額」がわかります。

成功者を真似る

自分で成功術を見つけ出すのは、時間がかかって効率が悪いです。
それより目標とする人を見つけ、その人の真似を真剣にやった方が手っ取り早いです。
そのために「この人のようになりたい」と思える人を探しましょう。
それが、成長のための最も簡単な方法です。
真似できるものは、すべてやってみることが大事です。

もし、目標の人が身近にいなければ、どんどん本にあたりましょう。
本の世界には無数の成功者がいます。

次のステージにあった外見に変えていく

夢や目標を実現するために、まず外見から「らしく」していきましょう。
例えば、背伸びしたスーツに身を包む等です。
外見を変えることで意識や行動が変わり能力も上がります。
周囲の人にも信頼されやすくなったりします。

夢は、自分の力で実現していくものですが、自分一人の力で実現できる夢というのはほぼありません。
必ずどこかで誰かが助けてくれているはずです。
そのため、他者に本気で夢を実現させようとしていることを感じてもらうことはとても大切です。
「外見より先に中身を整えよう」と思う人も多いかもしれませんが、とにかく外見から変える方が絶対に結果が早く出せます。

縁のある人を分け隔てなく大切にする

仕事もお金も運も、基本的にすべては人が運んでくれるので人脈は大事です。
関りを持つことの利益の有無など考えずに一人ひとりに気を配って大切にしてください。
誰かの心に残った思い出は紡がれ、いつかまた誰かとの縁が生まれるかもしれません。

不動産投資には、インカムゲインとキャピタルゲインがある

著者が初めて大家業を始めたときの話です。
著者は、アパート1棟を購入し、リフォームして綺麗に整える等して貸し出しました。

不動産投資には、二種類の利益があります。

  • 毎月の家賃収入から得られる「インカムゲイン」
  • 不動産を買ったときと売ったときの差額で利益を得る「キャピタルゲイン」

著者は、約1年間所有して、年間約700万円のインカムゲインを得て、最終的には売り出して約3000万円のキャピタルゲインを得たそうです。
これによって著者の預貯金は一気に増えたそうです。

不動産投資というのはけっしてお金持ちの人だけがやることではありません。
不動産投資をできるかできないかは、お金の有無よりも「やる気」の有無が大きくものをいいます。

本書では、不動産投資を始めるのは年収450万円を達成し、さらにその上をめざす段階でなければ勧めていません。
年収450万円に満たない場合は、今の仕事をがむしゃらに頑張りましょう。

読んだ感想

本書には、冒頭に次のように書かれています。

この本を、僕の6人の子どもたち、
そして、これから夢を追う君に贈ろう。 『無題の章』より

本書の文章は、著者が誰かに向けて語るように書かれています。
読んでいて、著者のこども達に対する思いも感じれる内容となっており、それが情報の信憑性の裏付けになっていると感じました。
そのおかげで、最後まで安心して読むことができました。

本書の内容は、どこをフォーカスしても大事なことが書かれています。
一貫性があり、どの部分も貴重なものでした。

そのため、内容を要約するのは大変でした。

先日、IT系のセキュリティ製品を扱う某企業のGIGAスクール構想向けの製品について、その企業の営業の方と話した内容を思い出しました。
そのセキュリティ製品は、内容を聞く限りかなり有益なものでした。
しかし、契約に至っても企業側への利益はほぼ出ない料金体系とのこと。
聞けば、その企業の社長の「この分野に貢献したい」という強い思いによるもののようです。
きっと、その企業の社長は、本書でいう「本当のお金持ち」なんだと思いました。

本書は、年収の低いところから段階を踏んで年収を上げていく方法が記されています。
本記事に取り上げなかった多くの部分も貴重なことばかりなので、是非読んでいただきたいです。
給料を貰って働くことは、自分の時間(人生)を売ってお金に換えていることに等しいです。
家族との時間を大切にしたい等、自分の好きなことに時間(人生)を使いたいと思う人には、特に本書の内容はオススメだと思います。

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