【要約】『「AI思考」は武器になる』シンギュラリティに備えるAIに適応するための5つの要素とは

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タイトル「AI思考」は武器になる
発行日2024年1月1日 初版発行
発行所クロスメディア・パブリッシング
著者谷岡悟一/和久利智丈/平岩宗/上田智之
著者情報は、上記リンクからご確認ください。

毎日、何らかのAIの話題を見聞きする現在。
世界中の企業等の集団や個人が、ビジネス活用を模索し注目しています。
AIの発展については、どうあっても止まらず進み続ける未来しか見えない状況です。
そんな渦中を生きる私たちがAIについて学ばないことは、やがて死活問題となるでしょう。
本書の紹介ページを読むと「技術進化に左右されないAIへのリテラシー」とあります。
AIのトレンドはせわしなく変化していますが、それに右往左往しないAIの核心的な知識と理解を得ておきたいと考えました。

AIの核心的な知識は、今後のAIに対する理解の深度に関わる。

そう思い、本書を手にすることにしました。

オススメしたい人

  • AIの知識や技術を知りたい人
  • AIについて正しく理解したい人
  • 職場でAIの導入を検討している企業や組織の担当者の人
  • AIのビジネス活用を目指している人

学べること

私たちは、AIの不可逆的な変化の渦中にいます。
将来予測では、2045年に「シンギュラリティ」に到達すると言われています。

シンギュラリティーとは、技術的特異点です。
人間の脳と同レベルのAIが誕生する瞬間点のことです。

AIはシンギュラリティに到達後、加速度的に進化して人間のパフォーマンスを超えていきます。
しかし、AIが人間より優秀になるからといって、AIにすべての判断を委ねることを選択する人は少ないでしょう。
では、私たちはAIとどのように向き合うべきなのでしょうか。
私たちに求められることは、「AIへの適応」です。
その方法として導き出された答えが、本書で学ぶことができる「AI思考」なのです。
ここでは、本書の内容の一部について、私の解釈で簡単にまとめています。

AI思考とは

AI思考とは、従来の思考方法とは異なるものです。
一言でいうなれば、それは「脳のレバレッジ化」と表現できるでしょう。
このAI思考の実践を習慣化することで、個人のパフォーマンスを改善し向上させることができます。
AI思考は、従来の「人間の脳」で行う思考方法に「人工の脳」を加えることで可能となります。

従来の人間の思考方法 + 人工の脳 = AI思考

何故このような形でAI思考が導かれることになったのか、その理由を説明していきます。
まず「従来の人間の思考方法」とは、代表的なものでは次の3つがあげられます。

  • 経験や洞察に基づく「直感的思考」
  • 事実や論理に基づき道筋を立てる「論理的思考」
  • 新しいアイデアを生み出す「創造的思考」

この3つの思考方法は、AIが不得意だったりAIだけでは不十分なものです。
そのため、人間は自分の脳を使って、AIの短所を補うことが必要となります。

AI思考では、AIと人間を「AIの長所を発揮し、短所を補う」1つのチームとして捉えます。
ここで重要なことは、「人間がAIのように考える」ことではなく「より人間らしい思考力を向上させる」ものでなくてはなりません。
これを「AI思考の本質」として、次のことを忘れてはいけません。

AIと人間、軸は人間側とする

その上で、AI思考は次の5つの要素によって構成されることになりました。

  1. 論理的思考
  2. AIに関する知識・理解
  3. 業界・ビジネスや人間関係等の知識
  4. 適応力
  5. 倫理

この5つの要素が、AI思考に組み込まれる理由を順番に説明していきます。

論理的思考

論理的思考は、AIが得意とするところであり、それならAIに委ねても良いように思えます。
しかし、「AIの力を適切に発揮させる」ためには人間側にも論理的思考が必要なのです。
その理由は、論理的思考を紐解くことで説明することができます。

論理的思考とは、「論理的で、道筋が経ち、納得感がある状態」にしようとする思考方法です。
そのためには、次の3つの要素が必要です。

  • 主張
  • データ
  • 理由付け

生成AIの回答は、一見すると非常に論理的な文章に思えます。
それは、インターネット上のデータを解析して得られたものである可能性があります。
果たして、そのデータは信用ができるのでしょうか? ――など、人間は論理の3要素の周囲を考えて生成AIの回答を批判的に検証することが求められます。

また、生成AIへの質問する際も論理の3要素を意識して行わなければ、しっくりくる回答を得られない可能性があります。

AIに関する知識・理解

AI思考では、AIを実践で使いこなすための「知識」や体験に基づく「理解」が必要です。

AIに関する「知識」

AIに関する「知識」とは、「今のAIのトレンド」、「今のAIの得意なこと、不得意なこと」です。
「今のAIのトレンド」を知ることによって、業務に応じたAIツールの目利きができるようになります。
「今のAIの得意なこと、不得意なこと」を知ることは、目的のためのタスクを人間が行うべきか、AIが行うかべきかを的確に判断することに役立ちます。

これら知識を使いどうデザインするかによって、パフォーマンスは大きく変わってきます。

AIに関する「体験」

AIへの質問の仕方(プロンプト)を考えることや、答えが正しいかを検証することは、なかなかの手間です。
それが億劫になりAIをあまり使わなくなってしまうこともあります。
そうならないために、AIに関する「体験」を習慣化することが必要です。

AI利用に慣れれば、複雑だったり量が多い業務に対しても短時間で成果を出せるようになります。

業界・ビジネスや人間関係等の知識

AIが普及する世の中では、様々な分野における知識が非常に重要となります。
少なくとも、自分の得意領域においては不可欠な要素です。

「特別な解」を作り出せることが「人間の価値」になる

AIは、多量のデータから標準的で一般的なものを生成します。
ChatGPT、Google Bard、Notion AI等に同じ質問をした場合、だいたい同じ答えを返します。
ビジネスでは、「標準解/一般解」が欲しい場合もあります。
しかし、競合との差別化のためには、「特別な解」が欲しいときもあります。

「特別な解」は、AIが苦手とするところであり、この点は、人間の価値になり得ます。

自分が「本当に求めるデータ」を常に意識する

AIの生成物が、あまりに「標準解/一般解」と感じる場合には、批判的であるべきです。
自分が欲しいものが「標準解/一般解」である場合は問題ありません。
しかし、あまりに「標準解/一般解」と感じる場合は、求めているものと異なる可能性があります。

「本当に欲しいもの、知りたいことは何か?」を常に意識することが必要です。

ハルシネーション(幻影)への対応

AIは、もっともらしい嘘を返すことがあります。
これをハルシネーション(幻影)といいます。

生成AIでは、学習データに起因する問題や学習プロセスの過程から誤った回答をすることがあります。
ChatGPTが分類される大規模言語モデル(Large Language Model/LLM)の場合は、インターネット上のデータを使用する場合が多く、データに偏り、誤った情報があることでハルシネーションが発生してしまうことがあります。

AIが返してきた回答に対して、1割でも「違うような?」と違和感を覚えることがあれば、ハルシネーションである可能性があります。
ハルシネーションへの対応は、AIの回答に対して批判的な思考をするようにしてください。


以上のことから、AIを活用するためには次のことが重要です。

  • オリジナルデータをしっかり押さえておく
  • 独自の解を生み出せる人たちのつながりを持っておく

適応力

AIの技術進化の早さは加速していきます。
今後、AIによって新しい技術・サービスが生み出されていく状況が考えられます。
「自分が気づかない変化が常に起きている」 ――それを前提で未来を考えていく必要があります。
突然現れる新しい技術・サービスなどの環境の変化に応じて仕事や生活を組み立てていく「適応力」が重要となります。

適応する際は、過去の経験・成功パターンに捉われず、ゼロベースで考える習慣を身につける必要があります。
適応力を磨くために、次のことを意識しましょう。

  • 素早いフィードバックを得ること
  • 継続的な学習と改善
  • 自分のスキルや業務量と自身の処理スピードのバランスを適切に保つこと

AIや最新のテクノロジーに関する情報は、定期的にキャッチアップしていくことが重要です。

倫理

価値観は、国や民族の歴史観、教育、法制度、個人の体験、文化・宗教などにより異なります。
AIの進歩によって、情報の拡散スピードが速くなれば価値観の多様化が従来以上に進みます。
価値観は、意思決定の際の「よりどころ」です。
今後、AIは人間の意思決定に影響を与えていくことは確実です。
クリティカルな場面での意思決定のミスは、状況を悪化させてしまいます。
そのため、AIを使用する上で倫理は大変重要な要素となります。
AIが処理する内容が人間の倫理観に合っているかはわかりません。
そのため、人間の倫理観に関しては人間が判断する必要があります。

生成AIを扱う上で注意しなければならないことの1つは、著作権です。
生成AIの回答は、インターネット等が情報源になっていることがあります。
著作権問題は、AIを利用する上で倫理的に重要な観点です。
また、AIを使う上で元となる情報を作ってくれた方々への感謝と配慮について、より高いレベルで求められる世界になってきています。

「AI思考の本質」は、「より人間らしい思考力を向上させる」と上述しました。
人間らしくあるためには、どういう倫理観を持つべきか、という観点もまた重要です

まとめ

従来はエンジニアの領域にあったAIが、インターネットの発展等によって誰でも活用できる環境が整った現在。
あらゆるビジネスシーンにおいて「AI活用」を選択肢に入れることが可能になりました。
それは、AIがメールやオフィスソフトと同じレベルで使うことがビジネスの世界の基本となるということです。
しかし、AIは万能ではありません。
AIを使いこなすためには、人間側が変わることも必要です。
そのために必要なことが、「AI思考」です。
ここまで説明してきたとおり、AI活用には従来にも増して「人間」が重要になってきます。

読んだ感想

毎日、Youtubeを見ていると、何かしらのAIの話題が目に飛び込んできます。
その理由は、AI関連の動画をついつい見てしまう私のためにYoutubeのアルゴリズムがおすすめしてくれるためです。
特に自ら求めているわけではないのですが、表示されるので見ます。

どのAIもスゴイはスゴイけど、結局どれが一番スゴイのかわかりません。
比較している動画もあるけれど、アップデートが止まらないので変動するだろうし、そうこうしている間に最新生成AIの話題があったりで余計にわからなくなります。
自分がよく使っている生成AIのモジュールの情報すら追いきれていません。

何が言いたのかというと「AIの世界は絶えず変化している」ということです。
変化のスピードが速いAIを正しく理解するために必要なのが「技術進化に左右されないAIへのリテラシー」。
それが、本書の「AI思考」です。

AIを使いこなすためには、人間も色々と変わる必要があります。
AIの変化に翻弄されている場合ではありません。
変化を受け入れながら広がり続けるAIの世界に手を広げていくためには、どっしり軸となるAIに対する知識と理解を得ておくことの重要性が理解できました。

本書では、AIの主要用語等の基礎知識を得ることもできるので、これからAIのことを学びたいという人にも最適です。
その上で、世の中の企業がどのようにAIを導入しているのかも学ぶことができます。

本書で未来に困らないAIに関する知識と理解を手に入れましょう。

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