「残念ないい人」になっていないか?ーー「いい人」と言われるけど、自分ばかり損をしている。
頑張っているのに、報われない。
優しい、遠慮がち、お人よし、競争が苦手でつい負けてしまう。
そんな「残念ないい人」にならず「成功したい」と願うなら本書の教えが役立つだろう。
本書の概要
タイトル | : | 戦略的いい人 残念ないい人の考え方 お金も仲間も増えていく |
発行日 | : | 2024年8月20日 |
著者 | : | けーりん(唐仁原 けいこ) |
発行所 | : | すばる舎 |
詳細 | : | 戦略的いい人 残念ないい人の考え方 |
「戦略的いい人」になろうーー成功のカギは「自分がすごくなろうとしない」こと。
「戦略的いい人」は無理をしないし誰とも戦わない。
「いい人」のまま周囲の人といい関係を築き、成果を出す。
人生を思いのままにする。
主要なポイント・学び
「戦略的いい人」になるための主要なポイントを紹介していく。
頑張らなくていい
なぜそれが重要か?ーー我慢して頑張っていると他人にも我慢を押し付けたくなる。
頑張れば頑張るほど「残念な人」になってしまう。
まずは、次の2つのことを覚えておこう。
- 努力は夢中には勝てない
人生がうまくいくときは、夢中になっているとき。
夢中になっているときは、我慢と無縁の状態である。
- 成功するのは誰かを幸せにした人
頑張ることと成功は無関係である。
「残念ないい人」は、自分が我慢しているだけで誰のことも幸せにしていない。
夢中になれることで誰かを幸せにするーーそのためには戦略が必要不可欠となる。
人を幸せにできると、自ずと協力者が増える。
協力者の多さと関係の深さが自分の成功を確実にしていく。
人と競争せずに橋渡しをする
なぜそれが重要か?ーー協力者を得るためには、まず自分が誰かを幸せにしなければならない。
そのためには「ブリッジ」という考え方が重要となる。
ここでいう「ブリッジ」とは「つなぐこと」を意味する。
「戦略的いい人」は、次の2つの習慣が不可欠となる。
- B視点:物事をブリッジの視点で考える。
- Bポジ:「B視点」を持ったブリッジのポジション(橋渡し役)に徹する。
※ 「B」はBridgeの頭文字。
「B視点」を持って「Bポジ」に自分を置き「人と人をつなぐ」「人とモノをつなぐ」。
人や組織の価値をT-UPする等、自分以外の成功のために貢献するよう行動する。
※ T-UPとは、相手の価値を言葉にして第三者に伝えてあげる「価値づけ」のこと。
他人に貢献ばかりしていて、本当に成功できるのか?
そう疑問に思う人もいるだろう。
心配はいらない。
その理由を説明するので安心して読み進めて欲しい。
イージーモード3原則を意識する
なぜそれが重要か?ーー「Bポジ」に徹し、これから説明する「イージーモード3原則」を意識する。
そうすれば短期間で大きな成果を得ることができる。
人に頼り、お願いする
なぜそれが重要か?ーー「戦略的いい人」は頑張らない。
自分が得意なことは自分で行い、苦手なことはそれを得意な人を頼ってお願いしよう。
それが短時間で成果を出すための秘訣である。
返報性の原理ーー人に力を貸してもらうためには「先出しのGIVE」が必要となる。
その理由は、人は「もらいすぎることができない」という心理作用の働きを利用するためだ。
たとえば、人に笑顔で接して欲しければ、先に自分から笑顔で話しかけるといい。
「相手が喜ぶことを先に出す」を習慣にすると、必ずいいことがある。
何をGIVEすればいいかは、次のポイントで考えるといい。
- 渡す側:お金も時間もかからないもの
- 貰う側:誰もが潜在的に欲しいもの
「自分が人に貢献する場合」「自分が人にお願いする場合」のそれぞれの内容は次のように考える。
- 人に貢献する:自分が簡単にできること
自分にとって簡単なことだと「こんなことでいいの?」と思うかもしれない。
しかし、それが難しいと思う人もいる(逆もしかり)。
- 人にお願いする:自分が苦手なこと
自分にとって苦手なことをお願いすると「申し訳ない」と思うかもしれない。
しかし、それをいとも簡単にやってくれる人もいる。
もし、人が抱える問題が自分では解決できないことなら「B視点」で考える。
解決できる人につないであげよう。
そうすれば、双方から感謝してもらえる。
「戦略的いい人」は、自己犠牲ではないーー自分が空腹なとき、人に食事を分けることはできない。
それをするのは「残念ないい人」だ。
人に親切にするためには、自分が満たされている必要がある。
自分が「戦略的いい人」でいるために、自分で自分を満たす方法を知っておこう。
人の手柄を周囲に伝える
なぜそれが重要か?ーー有名、無名に関わらず、人は「自分は重要な存在でいたい」と感じている。
大切なのは、この「自己重要感」をブリッジすること。
自分が頼った人がやってくれた実績を自分のものにしてはならない。
「これは●●さんがつくってくれたものです」と周囲に伝えていこう。
人にポジションをブリッジするーー人は尊敬されたい。
「自己重要感」を満たすことで「□□といえば●●さん」という専門性という肩書を持たせる。
このように頼った人の役割をつくることで、その人は責任感を感じて頑張ってくれる。
人の手柄として語ると得をするーーT-UPすると感謝されて自分のことを好きになってもらえる。
そうすると、人の力をとてつもなく借りやすくなる。
周囲の人からも「いい人」と思われる。
だから、人に手柄を渡していこう。
巨人の肩に乗せてもらう
なぜそれが重要か?ーー巨人とは、その界隈で信頼と影響力のある人のことをいう。
巨人の信頼と影響力を借りることを、ここでは「巨人の肩に乗る」と表現する。
巨人の肩に乗ることができれば、成果を早く得ることができる。
すぐに自分を売り込まないーーそれはうまくいかない残念な戦略。
巨人は、己が理のためだけに近づいてくる人をすぐに察する。
おべっかは通用しない。
すぐに見返りを求めてはならない。
まずは巨人から紹介してもらえる自分になる。
それが結局、成功までの道のりが短くなる。
巨人の肩に乗せてもらった人の共通点ーー巨人の組織や周囲の人に、最大限の貢献をする。
巨人が困っているときこそ、出番が生まれる。
まとめ・感想
「弱み」は最強の武器ーー「残念ないい人」は、我慢して頑張っている。
疲れて余裕がなくイライラしているので周囲の人とぶつかってしまう。
人間ひとりの力では大したことはできないことに気づく必要がある。
できない部分を人に見せることが恥ずかしいと思う人は多い。
それは、何でも平均を目指して凸凹をなくそうとする日本の教育による弊害。
できないことがあったっていい。
自分ができないことは人に頼ればいい。
人に頼ることは恥ずかしいことではない。
現在はSNS等で人とつながれる時代。
自分に能力がなくても、実力のある人とつながればいい。
「弱み」を隠さずに見せてしまえば、ヒーローが現れる。
あなた自身も助け甲斐がある人になる必要がある。
T-UPを忘れてはならない。
そして、自分もまた誰かのヒーローになるように努めなければならない。
「戦略的いい人」の考え方を習慣化しよう。
習慣を変えれば人生が変わる。
本書では、著者の成功体験をもとに解説されている。
そのため、本書を読むと、成功するためには著者と同様にコミュニケーション強者にならなければならないと感じて気後れしてしまうかもしれない。
しかし、それは本書の教えの本質ではない。
人の「強み」も「弱み」も様々だ。
本書の教えの理論からすると、「強み」は必ずしもコミュニケーション能力である必要はない。
「B視点」と「Bポジ」を習慣化していけば、自分ならではの成功への道筋が見えてくるはずだ。
著者の成功体験は、その道筋を探るための参考にするべき1つの例として考えるといいと思う。
最も重要なことは「自分がすごくなろうとしない」ということ。
私としては「成功」についてはひとまず脇に置いて考えないことをおすすめしたい。
まずは「何でも自分ひとりでやらなければならない」という凝り固まった意識を変えることが大事。
そして「弱み」を自覚し「弱み」はむしろ見せていくようにする。
その「弱み」を自分以外の力で「どうやって補填するか」を徹底的に追求していく。
もし、人とのコミュニケーションが苦手ならAIだってある時代だ。
まずは「成功すること」より「余裕を取り戻す」ことに専念すると良い。
余裕がなければ何ひとつだってうまくいくわけがない。
ぜひ本書を読んで、人生が生きやすくなるヒントをたくさん習得して欲しいと思う。