【要約】『メタ思考 「頭のいい人」の思考法を身につける』俯瞰で見るとは?そのポイントを紹介

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イントロダクション

タイトルメタ思考 「頭のいい人」の思考法を身につける
発行日2023年10月19日 電子書籍発行
発行所大和書房
著者澤 円
著者情報は、上記リンクからご確認ください。

私は、「俯瞰して見る」ということが苦手です。

いまいち感覚がつかめません。

この「俯瞰して見る」は、これからの時代、絶対に必要なスキルなので解決したい問題です。
本書のタイトルは、「メタ思考」。

「メタ」は、「より高次の」という意味です。

メタ思考において、「俯瞰して見る」は不可欠な要素です。

本書を読めば「俯瞰して見る」のコツがつかめるかもしれない。

そう思い、本書を手にすることにしました。

オススメしたい人

  • 新しい時代の働き方を知りたい人
  • 個の時代での幸せな生き方を知りたい人
  • 会社や人間関係の悩みがある人

学べること

「メタ思考」とは、自分の認知活動(行動や考え方)や性格を俯瞰で見て認識する活動のことです。
本書では、メタ思考の力をつけて人生をよりよくするための方法を知ることができます。

前提となるのは、今後到来するweb3.0です。
web3.0の時代により、世の中の様々な仕組みが中央集権型からコミュニティ型に変わっていきます。
本書では、web3.0の時代を「個の時代」と表しています。
本書からは、「個の時代」で幸せに、そして満足して生きていくための方法を学ぶことができます。
ここでは、本書の内容から「俯瞰して見る」ために役立つことを私の解釈で簡単にまとめています。

メタ思考

企業に属する複数のビジネスパーソンには、会社の中でのポジションや評価にこだわる悩みを持っている人がたくさんいます。

「自分だけ一生懸命働いても損するだけ」
「会社は自分を正しく評価してくれていない」

これら多くの悩みの根本は、「他者との比較」にとらわれているということです。

しかし、会社というひとつの場所の中だけで考えることは、あまり意味がありません。
自分の人生をよりよいものにするため、本書では「視点を変える」ことをオススメしています。

自分の視点を小さな枠の「中」から「外」に移すことが重要です。
「外」の視点を獲得すれば、社会という大きな広場にいる自分の立ち位置を客観的に把握することができるようになります。
そうすると、自分がいかに小さな場所でちょっとした差に過敏になっているのかに気づくことができるでしょう。

このように、外の視点で物事をとらえ直すことを、「メタ思考」といいます。

自分が勝てるルールを自分でつくる

会社に所属すると、自分の立ち位置を会社という小さい枠の中でしか考えられない人が多いようです。
さらには、自分の人生は「会社のルールの中でやっていかなければならない」と感じてしまうようです。
しかし、評価や出世競争など、あるひとつのルールの中で勝ったからといって、それが人生の勝利にそのままつながるわけではありません。
自分の人生において最も重要視したいものが何なのかは、人によって異なるはずです。

仕事で成功することが大事という人もいるでしょう。
自分のスキルを磨くことが大事という人もいると思います。
何よりも家族が大事という人もいるでしょうね。

そして、それは誰かと同じルールに縛られて競うものではありません。
自分の人生のルールは、絶対に自分が勝てるようにつくっていいのです。
競技者は常に自分ひとりです。

多くの人の悩みは、「他者との比較」が必ず含まれています。
しかし、他人と比較することは人間の本能なので、止めるのはとても難しいことです。
また、「他人と比べないように」と考えると、ますます比べてしまうように人間の脳はできています。
では、どうすればよいのでしょうか。

本書で紹介されているアイデアは、「自分ひとりだけで楽しめるルールを考える」です。
能動的かつ具体的なアクションにすることが有効です。

自分という人間は、この世にひとりしかいません。
その時点で、ひとつの個性が存在します。
そのため、他人と比較することには意味がないのです。

自分の得意なことを言うときにも同様のことが言えます。
「自分は、○○が得意だ」と決めてしまえば、それでOKなのです。
そう言うと、「でも、Aさんの方が○○は上手だし…私なんて…」と思う人もいるかもしれません。
しかし、その考え方は違います。

その考えは、「オリンピックで金メダルをとった選手以外は、その競技を得意だと言ったらダメ」と言っているのと同じですよね。

「○○が得意だ」と宣言するのがはばかれるなら、「○○が好きだ」と言いましょう。

複数の自分を使い分ければ消耗しない

人は、会社に所属していると自分のすべてをいとも簡単に預けてしまいます。
そうならないための有効な考え方が、「エイリアス」です。

エイリアスとは、「別名」や「リンク機能」という意味です。
特定の場所にいる自分それぞれを、自分の名前をまとった分身としてとらえる考え方です。

たとえば、会社にいるときの自分は、エイリアスとして「自分の一部の機能を提供しているに過ぎない」と考えましょう。
エイリアスは、自分とリンクしていますが自分自身ではありません。
そして、このリンクはいつでも切り離すことができます。
仕事でろくでもない評価を受けたとしても、自分自身が棄損するわけではありません。

エイリアスとして振る舞えば、自分をいたずらに傷つけずに、もっと自由に生きていけるのです。

このエイリアスの話、もしかすると、よくわからないという人もいるかもしれません。
そんな人たちのために、私の解釈で恐縮ですが補足させていただきます。

たとえば、仕事で失敗したとしても、それは自分の一部でしかないと考えます。
「自分の本質は、仕事だけではない」というメタ思考をすることで気持ちをラクにします。
たとえば、次のように考えます。

仕事で失敗したとしたら、その自分(エイリアス)は切り離して、失敗から学び機能をアップデートした新しいエイリアスを作成すればいいのです。
これは、必要以上に落ち込むことを回避して心の健康を保つメソッドといえると考えています。

ですが、本書が伝えるエイリアスは、このことだけを意味するものではなさそうです。
以下で引き続き説明しますが、詳しく正確に知りたい方は本書を参照してください。

「得意なこと」をかけ合わせて個性をつくる

これからは、個人が自分の特性やスキルを活かす「個の時代」です。
個の時代では、ひとつの場所にとらわれず自由に活動することができます。
つまり、「好きなことを、好きなときに、好きなようにやる」時代ということです。
エイリアスの概念は、個人のパフォーマンスを最大限に発揮する「複業」を可能とします。
「複業」とは、複数の本業を並行して行うことをいいます。

「得意」を組み合わせることで、時と場所にあわせた適切なエイリアスを配置することができます。
複業をすることで、収入面でのメリットがあります。
また、エイリアスが増えれば増えるほど1つの会社に配分するエイリアスは相対的に小さくなります。
そのため、会社での仕事がうまくいかなくなったときのリスクヘッジにもなります。

自分の人生は、あくまで自分がデザインするものです。
もっと自由に自分の人生を定義していいのです。

私たちはもっと柔軟に自由な考えで生きていいんですね。

自分がコントロールできることに集中する

世の中のことは、個人の力でコントロールできないことが圧倒的多数です。
会社に所属していると、上司の理不尽な命令にも従うしかない場合もあります。
それでも、「自分がコントロールできる部分はないかな?」と考えてみましょう。
コントロールできないことはありますが、自分がよりよく変わっていくことで、まわりの環境に対していい影響を与えることはできます。

たとえば、この「自分がコントロールできることに集中する」ということは、人間関係においても非常に重要な考え方です。
人間関係の問題は、「自分と他者は違う」ということを認識することで解きほぐされていきます。
相手が自分の思いどおりに動かないことは当然のことです。
自分がコントロールできない領域にあることに期待することは、宝くじのようなものです。
宝くじに当たらなかったといって、がっかりしていても仕方がありません。
そのことを知っていると、他人に対して過剰に期待し過ぎないようになれます。
自分がコントロールできる部分を探し、その行動に集中するのがいい対応策です。
相手に期待し過ぎないことも「自分がコントロールできること」の1つです。
また、自分がコントロールできない部分については、相手としっかりコミュニケーションをすることが大切です。

そのうえで、普段から「できる限りいい人間関係を構築する」というマインドセットを持つことが重要です。

メタ思考は、良い人間関係を築くことにも役立ちます。

メタ思考できる力は、感情をコントロールしやすくします。
たとえば、アンガーマネジメントでは欠かすことができない要素です。

読んだ感想

「俯瞰して見る」ためには、本書で紹介されているエイリアスをイメージするのが有効そうです。
ちょうど、この記事を書くために「ブログを書く自分」の機能を持たせたエイリアスをイメージして作業してみています。
エイリアスは、集中力を上げて作業することにも役立つように感じます。
その理由は、エイリアスには「ブログを書く自分」の機能しか持たせていないからです。
エイリアスを使わず本体の自分で作業した場合は、不必要な機能が多いため気が散ってエイリアスを使った場合と比べて消耗も多いです。

正直、本書でエイリアスの概念をはじめて読んだとき、

・・・よくわからない

と思ったのですが、冷静に読みこんでみると、とても理に適った内容であることがわかりました。
1つ1つの得意なことを組み合わせて個性をつくるという考え方もおもしろいですね。

ですが、実践は難しそうです。
この方法が、うまく自分に馴染むといいのですが。

このエイリアスの概念は、本書の一部の内容でしかありません。
本書には、これ以外にも「個の時代」を幸せになる生きる方法が書かれています。
web3.0の到来で、世の中が中央集権型からコミュニティ型になると、さまざまな仕組みが変わります。
本書には、そのことが前提の内容が書かれているようなので、基本的に自分がコントロールできる範囲が広い人向けのように感じます。
かと言って、そうではない人が使えない内容が書かれているわけではありません。
本書の内容のとおり、自分がコントロールできる範囲で使い分けることがいいと思います。
掲載された内容は多岐にわたります。
そのため、自分の人生を満足なものにして幸せに生きるためのヒントが必ず見つかるはずです。

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