【レビュー】『葬送のフリーレン』 2023年、ついにアニメ化 初回は金曜ロードショー2時間スペシャル

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イントロダクション

物語は、魔王討伐後の勇者パーティーの王都帰還の最中から始まります。
勇者パーティーは、50年に一度の流星群「半期流星」を見ながら平和な時代の幕開けを願います。
彼等は次の「半期流星」を一緒に見る約束をし、解散します。

出典:葬送のフリーレン コミックス1巻より

そして、50年後、約束のときがやってきました。
エルフの魔法使い「フリーレン」は、年老いた勇者「ヒンメル」と再会を果たします。

「サンデーうぇぶり」で試し読みできます。

登場人物等の紹介

フリーレン(エルフ)
魔王を倒した勇者パーティーの魔法使い。
エルフであるため長寿。
趣味は魔法収集。
好物はメルクーアプリン。

ヒンメル(人間)
魔王を倒した勇者パーティーの勇者。
自称イケメンでナルシスト。
後世に自分の姿を残すため各所で像を作る。
像になったかっこいいポーズは百通り以上ある。
好物はルフオムレツ。

ハイター(人間)
魔王を倒した勇者パーティーの僧侶。
ヒンメルの幼馴染。
冒険の終わりから50年後には聖都の司教になっている。
好物は酒。

アイゼン(ドワーフ)
魔王を倒した勇者パーティーの戦士。
防御力が高く、パーティーの守りの要。
寡黙なツッコミポジション。
好物は酸っぱい葡萄。

フェルン(人間)
戦争孤児で幼少期をハイターに拾われ育てられる。
フリーレンの弟子となるが、生活面ではお母さん役。
フリーレンの旅に同行する魔法使い。
フリーレンに魔力や技術は及ばないが、魔法を撃つの早い。

シュタルク(人間)
アイゼンの弟子。
故郷である戦士の村が魔族に襲われたときに逃げ出した。
優しくて臆病だが、やればできる子。
フリーレンの旅に前衛として同行する戦士。


魔族
言葉を話す魔物。
悪意や罪悪感は無く人を殺す。
大魔法使いフランメによって「魔族」と定義付けられた。
起源は、人をおびき寄せるために物陰から「助けて」と言葉を発した魔物。
人を欺き捕食するために、人とよく似た姿をし、人と同じ言葉を話し、人と同じような振る舞いをするよう進化した。
人以外も食べられるが、それでも人を食べる。
また、食べるためじゃなくても人を殺す。
長い寿命の中で一つの魔法の研究に生涯を捧げる。

魔王
大陸最北端のエンデに居を構えていた。
人類との共存を願った末、人類との大戦争を起こす。
人類の勢力圏が全盛期の三分の一になるほど多くの国と民族を滅ぼした。
勇者ヒンメルのパーティーによって討たれた。

七崩賢(しちほうけん)
魔王直下の大魔族。
北側諸国を中心に大陸の要所を支配していた。
七崩賢の魔法は、人知も人の理も超える。
身体や脳の構造などの生物的な違いから、人類には扱えない。

タイトルの魅力

『葬送のフリーレン』とは、フリーレンが歴史上で最も多くの魔族を葬り去った魔法使いであることに由来(?)劇中で魔族よりこう呼ばれることがありました。

謎1 天地創造の女神様

『葬送のフリーレン』の物語の謎の1つ。
天地創造の女神様は、「神話の時代を除いて、世界の長い歴史の中で実際に姿を現したことは一度もない」と劇中で語られています。
しかし、想像上の存在とは言い切れないところがあります。

僧侶が使う魔法は、「女神様の魔法」と呼ばれています。
女神さまの魔法は、魔族の魔法と同じで原理はほとんどわかっていません。
また、僧侶は「女神の加護」により呪いが効きにくいとされます。

天地創造の女神様は、不思議な力として物語で何度も登場します。

謎2 魂の眠る地 オレオール

「魂の眠る地 オレオール」は、大魔法使いフランメの手記に記録されています。
そこでは死者と対話することができるとされています。
オレオールは、大陸の遥か北の果てにあり、この世界の人々が天国と呼ぶ場所です。
また、フリーレンが目指す場所でもあります。
手記中、フランメは「この世紀の発見は魂の研究を飛躍的に進歩させるだろう」と語っています。
フリーレンは、オレオールにたどり着き、ヒンメルと再会することが出来るのでしょうか。

そして、大陸の遥か北の果て、エンデには魔王城があります。
なぜ魔王は、天国と呼ばれる場所に魔王城を建てたのでしょうか。

謎3 南の勇者

南の勇者は、たった一年で魔王軍の前線部隊を壊滅させた人類最強の勇者です。
魔王の腹心で千年後の未来まで見通す魔法を操る「全知のシュラハト」と集結した全七崩壊と戦いました。
その際、七崩賢三人を討ち取って全知のシュラハトと相打ちになったとされています。
生前、フリーレンに一人の若い勇者との出会う未来を告げます。

しかし、南の勇者の死体は見つかっていないそうです。
全知のシュラハトとの戦いが今でも続いているという伝説まであります。

謎4 大魔法使いのゼーリエの言葉

これは、個人的に気になっているゼーリエの言葉です。

わたしたち(エルフ)は、人間に追い抜かれる。
鍛錬を怠るなよフリーレン。
お前を殺す者がいるとすれば、それは魔王か、
人間の魔法使いだ。

この言葉は、物語にどのような影響を与えるのでしょうか。

読んだ感想

面白い漫画は、1話を読んだときからわかることってありますよね。
私にとって、この『葬送のフリーレン』もそうでした。
週刊サンデーで初めて第1話を読んだとき

これ絶対おもしろくなるやつだ!

と思いました。
そして、2023年、ついにアニメ化。
初回が金曜ロードショーで2時間スペシャルというすごいことになりました。
以前にも『葬送のフリーレン』についてのブログを書いたのですが、アニメが放送される直前ということもあり書き直すことにしました。
書き直すにあたって、全巻読み返しました。

『葬送のフリーレン』の物語では「大切な人たちとの時間」が1つの大きなテーマとなっています。
今回、このテーマについて掘り下げたいと思います。

ボストン都心部とハーバード大学で始まった「ハーバード成人発達研究」というものがあります。
この科学研究プロジェクトは「人々の健康と幸福を維持する要因を解き明かす」ことを目的に始まりました。
この研究により、人間の幸福に明らかに重要性を発揮する因子があることがわかりました。
それは「よい人間関係」です。
これに関し、エルフが人間と同じくこのことが当てはまるかわかりませんが、ここではエルフも人間と変わらないと仮定して話を進めていきます。

『葬送のフリーレン』が始まったとき、エルフ同士で「よい人間関係」を築くことは難しい状況となっています。
その理由は、魔王の命令によってエルフは魔族に皆殺しにされてしまった経緯があるからです。
かろうじで生き延びることができたエルフの数は極端に少なくなっているのです。
エルフ同士でも出会う機会が少なすぎてエルフは絶滅したと思っている程です。
しかし、だからといってエルフは自分たちよりはるかに寿命が短い他の人類と積極的にかかるわけではありません。

そのため、この時代のエルフは長い人生の中で幸福を感じられることは、ほぼ無いに等しいのです。
それは、エルフであるフリーレンも同様です。

次のシーンは、フリーレンがヒンメルたちとの旅を思い出しているシーンです。

出典:葬送のフリーレン コミックス1巻より

冒険を始めた当初と思われる右上のコマでは、フリーレンはヒンメルたちと距離をとっているように見えます。
しかし、冒険を続けて色々な経験をともにすることによって、少しずつフリーレンと3人の距離が縮まっていったことがわかります。
このときのフリーレンは、大切な仲間と時間を共にし、とても幸せだったと思います。

しかし、人生における大きな試練は、他者を愛し、親しい関係を結んだ結果、生じることがあります。
たとえば、愛する人の死です。

出典:葬送のフリーレン コミックス1巻より

― ヒンメルの死 ―
フリーレンがヒンメルたちとした冒険は、10年間のものでした。
それは、フリーレンにとって、人生の1/100にも満たない時間をでした。
それでも、その1/100がフリーレンを変えました。
これは、フリーレンが自身の変化を自覚した瞬間だったのではないでしょうか。

時間は有限です。
大切な人たちとの時間は、永遠ではなく、いつか終わりがくる尊いものです。
たとえ、終わりがきても大切な人との思い出は無くなりません。
忘れてしまっていることがあったとしても探せばきっと見つかります。
フリーレンがする旅は、きっと、そういう旅だと思います。

出典:葬送のフリーレン コミックス1巻より


フリーレンの旅は、読者に多くの学びと感動を与えてくれます。

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