【要約+感想】『親の葬儀とその後事典 : 葬儀法要・相続・手続きのすべて』|喪主や遺族がすべきこと

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コミュニケーション・人間関係

はじめに:「親の葬儀が心配」と感じる人へ

ある日、親の余命が限りがあることを宣告されることがあるかもしれない。
突然親に亡くなられることがあるかもしれない。

生きていれば、必ず訪れるのが死。
親を見送るというのは、人生の中でも特に大きな節目。
誰もが「うまくできるだろうか」と不安になる。
感情的な負担を減らし、冷静に対応できるようにするために事前にできる準備はたくさんある。
まずは、できることから始めよう。

書籍の基本情報

タイトル親の葬儀とその後事典 : 葬儀法要・相続・手続きのすべて
発行日2008年9月30日 第1刷発行
2012年1月25日 第11刷発行
著者黒澤計男, 溝口博敬
発行所法研
詳細親の葬儀とその後事典 : 葬儀法要・相続・手続きのすべて

主要なポイント・学び

ここでは、何かを聞いたり調べたりする時間が惜しい「臨終~通夜・葬儀の準備」「通夜・葬儀」で喪主や遺族がすべきことをまとめています。

危篤を告げられたら

危篤になったら関係者に連絡する。

  1. 知らせる相手は3親等までが目安。
    疎遠でも知らせる。早朝や深夜の電話も許される。
  2. 知らせる内容は簡潔に。
  3. 電話が一番確実。
  4. 知らせたい場合に備えて、連絡先リストを作っておく。

必要な連絡事項

  1. 自分の名前と親の名前
  2. 病名と今の状態
  3. 危篤になった日時
  4. 場所の説明(病院名と部屋番号、自宅なら最寄り駅と住所)
  5. 連絡先(自宅・病院の電話、自分の携帯など)

電話連絡の例 [AI作成]

もしもし、○○さん。私、△△(あなたの名前)です。
父(母)の□□(親の名前)が、◯◯(病名)で容体が急変し、◯月◯日◯時に“危篤”と診断されました。
もし、ご都合がつくようでしたら、一度会っていただきたいと思いご連絡いたしました。
現在、◯◯市の××病院◯階◯◯号室に入院しています。
病院の電話番号は◯◯-◯◯◯◯-◯◯◯◯、私の携帯は◯◯-◯◯◯◯-◯◯◯◯です。
よろしくお願いいたします。

自宅療養中の場合の例 [AI作成]

もしもし、○○さん。私、△△(あなたの名前)です。
父(母)の□□(親の名前)が、◯◯(病名)で容体が急変し、◯月◯日◯時に“危篤”と診断されました。
もし、ご都合がつくようでしたら、一度会っていただきたいと思いご連絡いたしました。
今は自宅で療養しており、住所は◯◯市◯◯区◯◯町◯丁目◯番◯号、最寄り駅は◯◯駅です。
自宅の電話は◯◯-◯◯◯◯-◯◯◯◯、私の携帯は◯◯-◯◯◯◯-◯◯◯◯です。
よろしくお願いいたします。

故人名義の預貯金を引き出す

葬儀費用やお布施、心づけなどは死亡後すぐに必要になる。
支払いを遅らせるわけにはいかない。

  • 死亡した時点で親の財産は遺産となり相続の対象となる。
  • 親の口座は凍結され、遺族が勝手に引き出せなくなる。
    引き出すためには正式な手続きが必要となり数か月後となる。
  • 死亡が銀行はわからないので、口座が凍結されないうちは預貯金を引き出すことは可能。
    ただし、相続人間でもめごとになる覚悟が必要。
  • 金融機関によっては相談することで対応してくれることもある。
    しかし、相談がきっかけで凍結されることもある。

対処方法

  • 生前に引き出しておく(相続人全員の合意が必要)
  • 立て替えておく(後日、相続人協議時に清算)
    葬儀費用をノートに記載。請求書、領収書は保管必須。
  • 銀行に相談する(葬儀費用程度は引き出せる場合も少なくない)

臨終を告げられたら

自宅で亡くなった場合の注意

  • 医師が死亡診断書を作成するまで勝手に遺体を動かすことは出来ない。
  • かかりつけ医がいる場合、その医師に連絡する。
  • かかりつけ医がいない場合、119番に連絡し指示に従う。
  • 変死が疑われる場合は、警察を呼ぶ。

臨終後の連絡

電話で親族や知人に連絡する。連絡先を次の2種類に分ける。

  1. すぐに来てほしい親族。
    危篤を知らせた相手。早朝や深夜の電話も許される。
     
  2. 通夜や葬儀に来て欲しい知人。
    葬儀の日程が決まってからで十分。住所録や年賀状を確認してリストを作っておく。

寺院等への連絡

  • 個人の宗教、宗派を確認する。わからない場合は、親戚などに聞く。
  • 菩提寺がある場合、死亡を知らせ、葬儀の日程を打ち合わせる。
  • 菩提寺がない場合、葬祭業者に紹介してもらうことができる。

[AI作成]
「菩提寺(ぼだいじ)」とは、先祖代々のお墓があり、葬儀や法要を執り行うために家族が関係を持っているお寺のこと。

菩提寺と似た言葉との違い

用語意味
菩提寺先祖代々のお墓があり、葬儀・法要を依頼するお寺
檀那寺経済的支援(お布施など)を受けているお寺。お墓がない場合もある
檀家特定のお寺に属し、経済的支援をしている家族

退院するときの手続きやお礼

  • 死亡診断書は、死亡を診断した医師に作成してもらう。
    死亡診断書は、死亡届と左右1対になった用紙。
    退院時に必ず受け取る。
    もし、病院側の事情ですぐに受け取れない場合、受け取り可能な日時を確認する。
  • 病院で亡くなったら、担当医が死因を説明してくれる。
  • 担当医からの説明後、故人の遺体は、いったん病院の霊安室に運ばれる。
  • 最期を看取った人たちで供養する。
  • 遺体を自宅や安置場所に搬送する業者への連絡。
    業者に心当たりがなければ病院が紹介もしてくれる。
    遺体搬送と葬儀は同じ業者でなくていい。
  • 病院に支払いする。できればその日のうちに済ませてしまう。

死亡届は提出前に必ずコピーを取る [AI作成]

  • 死亡届の原本は役所に提出すると返却されず、後から必要になる場面が非常に多い。
    事前にコピーを取っておくことで、後の手続きが格段に楽になる。
  • 死亡届は、生命保険の請求・年金の停止・銀行口座の解約・名義変更など、多くの手続きで「死亡の事実を証明する書類」として求められる。【コピーでOK!】
  • 死亡診断書はA3サイズ。
    A3対応のコピー機が必要。コンビニのコピー機はほぼ対応している。
  • 押印の色や署名の判別が必要な場合もあるため、カラーコピーが望ましい。
  • 濃い目にコピーする。医師の押印や署名が薄いと、コピーでは認識されないことがある。
  • 10枚以上取っておくと安心。

コピーを取るベストなタイミング

  1. 死亡届の記入が完了した後、提出前
    届出人が左側の死亡届欄に記入した後、提出前にコピーを取る。
     
  2. 葬儀社に提出代行を依頼する前
    葬儀社に渡す前に「コピーを取っておきたい」と伝えれば、快く対応してくれることが多い。

コピーを忘れた場合

  • 「死亡届記載事項証明書」を役所で申請することができる(1通350円程度)
  • 「死亡診断書の再発行」を病院に依頼することも可能だが費用がかかる場合がある
    (病院によって異なるが、1通5,000円~10,000円程度)

葬祭業者への連絡の例 [AI作成]

はじめまして。◯◯と申します。
父の◯◯が、今日◯時に◯◯病院で亡くなりました。
葬儀の相談をしたくてお電話しました。
現在、病院の霊安室に安置されています。
自宅に搬送をお願いしたいのですが、可能でしょうか?
私の連絡先は◯◯-◯◯◯◯-◯◯◯◯です。

搬送を担当した葬祭業者の安置所を一時的に借りることは可能。
次のように伝えるとスムーズ。

搬送だけお願いしたいのですが、葬儀社がまだ決まっていないため、そちらの安置所を一時的に使わせていただけますか?費用についても教えていただけると助かります。

事前に確認しておくと安心なこと [AI作成]

  • 安置所の設備(冷却・面会・宿泊の可否)
  • 利用可能な期間と費用
  • 再搬送の対応と料金
  • 葬祭業者を変更する際の契約上の制約がないか

葬祭業者を選ぶ

いちばん信用性が高いのは口コミ。
地元で評判のよい業者を選べば間違いが少ない。

葬祭業者の種類

  1. 葬儀社
  2. 生協(生活協同組合)
  3. JA(農業協同組合)
  4. 自治体の葬儀

葬祭業者の選び方のポイント

  • 電話・対面での対応が良心的。
  • 説明がわかりやすい。
  • 要望を聞いて事情を理解してくれる。
  • サービス内容や費用について細かく説明してくれる。
  • 新しい葬儀でも対応できる。
  • 葬祭ディレクターの有資格者がいる。

安置と納棺する

  • 搬送された遺体は、納棺まで自宅または葬儀社の専用霊安室、式場などに安置される。
  • 棺に入れる品は葬儀社に相談する。
    燃えないもの、爆発の危険があるものは棺に入れられない。

葬儀社と打ち合わせる

  • 葬儀社との打ち合わせは、言った言わないのトラブル回避のため複数で行う。
  • 要望をしっかり伝える。
  • 不明慮な点は遠慮なく確認する。
  • 料金の確認はとくに念入りに。

葬儀社から聞かれる内容

  • 個人の生年月日、年齢、住所
  • 喪主(故人との関係)、世話役について
  • 予算
  • 希望会場
  • 会葬予定者数、親戚縁者の数
  • 家紋
  • 宗旨・宗派、菩提寺の有無

聞かれなくても伝えること

  • どんな葬儀にしたいか
  • いくらぐらいで行いたいか
  • 故人の来歴

葬祭業者に頼めること

  1. 管理と指導
    • 作法の指導
    • 葬送日程の管理など
  2. 準備や手配
    • 安置の手伝い(ドライアイス・枕飾り。旅支度)
    • 納棺儀式(棺手配)
    • 遺影の引き伸ばし
    • 火葬場の手配
    • 供物・供花・花輪の手配
    • 料理の手配
    • 式場の設営
    • 受付・祭壇・門前飾り
    • 会葬礼状
    • 死亡通知の作成・手配
    • 返礼品の手配
    • 香典返しの手配
    • 貸し衣装・貸しふとんの手配
    • 車両の手配
    • 文房具の準備
    • 骨壺の用意
    • 看板・順路表示の用意・設置
  3. 事務、進行など
    • 病院からの遺体の搬送
    • 通夜・葬儀の司会進行
    • 式次第の作成
    • 役所への届出
    • 火葬場の立ち合い
    • 式場の片づけ
    • 初七日法要の説明など
    • いろいろな紹介事業
    • 葬儀式場の紹介
    • 寺院の紹介
    • 仏壇・墓所の紹介・販売
    • 遺品の整理サービス
  4. オプション(例)
    • 湯灌(ゆかん)
    • 式場でのナレーション
    • 写真・ビデオ撮影
    • 放映/放鳥
    • 喪服の着つけ
    • 楽器演奏

[AI作成]
「湯灌(ゆかん)」とは、故人の体を洗い清める大切な儀式。

コースの内容と料金を確認する

  • 葬儀社が勧めるコース料金にはランクがある。
    違いは祭壇や棺などのランク。参加者数で決める檀家が多い。
  • セットに含まれるもの、ふくまれないものを丹念にチェックする必要がある。
    たとえば、コースには通夜ぶるまいなどの飲食費、寺院へのお布施などは含まれない。

見積りをとる

  • 葬儀の費用は想定よりも高めになる。タクシー代、心づけなど諸経費が加算される。
  • 総費用の予算があれば、業者に率直に説明し見積もりをとってもらう。
  • 見栄などからうやむやな返事をしない。
  • 不明な点があったら、その場ですぐにはっきりさせる。

葬儀費用

  • 宗教・宗派、地域のしきたりや業者などによって金額は異なる。
  • 葬儀の総費用は、葬儀社から提出される見積金額の約2倍をめやすにすると安心。
  • 葬儀社から示された見積書の内容をよく吟味する。
葬儀社に払う費用基本料金(祭壇、お棺、管理進行の人件費など)
オプション(生花、花輪、貸衣装、式場内外設備費など)
宗教者、寺院などへの謝礼お布施(読経料、戒名料)、御車代、御膳料など
飲食接待費・香典返し通夜ぶるまい、精進落とし、香典返しの費用など

死亡届を出す

死亡・火葬・埋葬の書類手続き

  • 「死亡診断書」を受け取る
    • 医師から「死亡診断書」を受け取る。
    • 「死亡届」は「死亡診断書」と1対になっている。
    • 死亡を知った日から7日以内に「死亡届」を提出するという法律上の義務がある。
       
  • 「死亡診断書」「死亡届」「死体火葬許可申請書」を提出する
    • 家族が「死亡届」の空欄に故人の名前や本籍地などを書き込んで押印する。
    • 「死亡届」「死亡診断書」「死体火葬許可交付申請書」と一緒に市区町村の窓口に提出する。
    • 届出先は、故人の本籍地、届出人の住所地、または死亡場所のいずれかの市区町村の戸籍係。
    • 365日(24時間)、受け付けてくれる。
    • 葬祭業者が届出を代行してくれる場合も多い。
       
  • 「死体火葬許可証」の交付
    • 「死体火葬許可証交付申請書」を役所に提出すると、その場で「死体火葬許可証」が発行される。
       
  • 火葬場へ「死体火葬許可証」の提出
    • 「死体火葬許可証」を提出する。
       
  • 火葬場から「火葬済みの証明印」をもらう
    • 「死体火葬許可証」に日時を記入、捺印して、火葬後に返却される。
       
  • 「死体埋葬許可証」を受け取る
    • 証明印の押された「死体火葬許可証」は、「死体埋葬許可証」になるので受け取る。
    • 「死体埋葬許可証」は、納骨のときに必要になる。
    • 「死体埋葬許可証」の再発行は認められないので大切に保管する。
       
  • 「死体埋葬許可証」を墓地に提出
    • 納骨の際、「死体埋葬許可証」を墓地管理者に提出する。
    • 「死体埋葬許可証」は、5年間の保存が義務づけられている。
    • 「死体埋葬許可証」の再発行は認められないので紛失しないように注意。

喪主、世話役を決める

喪主

  • 遺族を代表し、葬儀の主催者となるのが喪主。
  • 喪主は故人と関係の深い人順で、配偶者、子などが務める。
  • 弔問を受け、葬儀全般の最終決定を行う。
  • 年忌法要などを行う。
  • 通夜までには決める。葬儀の通知状は喪主の名で出す。

[AI作成]
「弔問」とは故人の家を訪問して遺族にお悔やみの言葉を伝えること。

世話役

  • 葬儀の実務を引き受ける。
  • 世話役には「会計係」「進行係」「受付係」「車両係」などがある。
  • 世話役の中心になるのが「世話役代表」。
  • 金銭を扱う係をのぞき、ほとんどの世話役は葬祭業者が引き受けてくれる。

世話役代表

  • 各係の調整・葬儀社との打ち合わせ・喪主の意向の反映する。
  • 故人や遺族の事情に詳しく、細かい心づかいのできる人が望まれる。

各係

  1. 会計係:香典管理・現金の管理
  2. 受付係:弔問客の対応(香典・供物・供花預かり、香典帳簿記入と管理)
  3. 返礼品係:会葬礼状、返礼品を渡す
  4. 携帯品係:携帯品預かり
  5. 進行(司会)係:司会進行、弔電の整理
  6. 駐車場係:駐車場への案内
  7. 道案内係:最寄り駅での案内と地図貼り

葬儀の日程と場所を決める

日程を決める

  • 日程の調整は葬儀社に任せたほうが無難。
  • 宗教者と火葬場の空き具合などを調整するのは、プロでないと難しい。

規模を決める

  • 宗教による形式や予算などを考慮して、葬祭業者と相談する。
  • 式場は、会葬者の人数にあった広さや規模の会場を選ぶ。
  • 予想される会葬者に通夜ぶるまいができる広さがあるか、また宿泊する施設があるかなどを考慮して選ぶ。
  • 会葬者の都合を考え、交通の便や駐車場の有無なども考えに入れる。

葬儀の形式を決める

形式には、次の2つがある。故人の遺志を尊重して決める。

  • 宗教葬
  • 無宗教葬

密葬、家族葬、直葬

  • 密葬
    近親者だけの葬儀。社葬や団葬など大規模な「本葬」を後日行うことを前提にしている。
  • 家族葬
    家族や親族、友人が個人にゆっくり別れをつげるための葬儀。
    基本的に家族のみで通夜や葬儀式を行う。
  • 直葬
    病院から火葬場に直行する。
    法律上死後24時間は火葬できないため、いったんは自宅か葬儀社の安置所に安置される。

戒名

  • 戒名とは、仏の弟子としての名前。
  • 宗派によって呼び名が違う。浄土真宗では「法名」、日蓮宗では「法号」。
  • 戒名のランクによってお布施の額が異なる。
    戒名によって来世に差がつくことはない。
  • 亡くなってすぐに菩提寺にお願いする。
    枕経をあげてもらうときや通夜の前に授かることが多い。
  • 戒名には多額の費用がかかる。
    料金としてではなく、お布施として菩提寺に渡す。
  • 俗名のまま葬儀を行う例もあるが、菩提寺に納骨する場合、寺とトラブルになることがある。
  • お布施は、「御布施」と表書きした奉書紙に包むか白封筒に入れて渡す。
  • お布施を渡すタイミングは、菩提寺の場合は式後にお寺にあいさつに行ったときに渡すのが正式。最近は通夜の日、読経の後に渡すケースが増えている。
    その場合、僧侶の控室、会葬者と同室ならそこに案内する前に渡す。

心づけの用意

  • 心づけは、正式なお布施や謝礼とは異なり、感謝の気持ちとして渡す少額の現金や品物。
  • 葬儀の関係者には、正規の料金とは別に心づけが必要な相手がいる。
  • 心づけと言っても任意なものではないので、最初から用意しておいた方がスムーズ。
  • 渡さなければ、その場で請求されたり、後から請求書が届くことがある。
  • 最近の葬儀社は心づけは受け取らないことが多い。
  • 心づけの袋は多めに用意する。外部の人にお世話になることが多いため。
  • お金は半紙に包むか、小さい不祝儀袋か白い無地の封筒に入れ、表書きは薄墨で「志」「寸志」「心づけ」などと記す。

心づけを渡す相手一覧 [AI作成]
※ 地域や慣習によって異なる

相手役割・関係性渡すタイミング金額の目安(円)
火葬場の係員火葬炉の操作、案内など火葬前または終了後3,000〜10,000円程度
霊柩車の運転手ご遺体の搬送出発前または到着後3,000〜5,000円程度
マイクロバスの運転手参列者の送迎出発前または到着後3,000〜5,000円程度
式場スタッフ(裏方)式場の設営・案内・清掃など式終了後3,000〜5,000円程度
受付係(親族以外)香典の受け取り・記帳など式開始前3,000〜5,000円程度
僧侶(お布施とは別)読経・戒名授与などお布施に添えて渡す場合ありお布施に含めるか別途渡す
料理配膳係精進料理などの配膳食事の前後1,000〜3,000円程度
遺体安置所・搬送業者ご遺体の安置・搬送搬送時または安置後3,000〜5,000円程度

返礼品、会葬礼状の準備

会葬返礼品

  • 通夜や葬儀・告別式後に、参列してくれた方へのお礼として「返礼品」を渡すのが礼儀。
  • 返礼品には3つ種類がある。
    1. 通夜返礼品:通夜ぶるまいに出られない弔問客に渡す。
    2. 葬儀の会葬御礼:香典の有無にかかわらず渡す。
    3. 香典返し
  • 通夜も葬儀・告別式も同じ返礼品を、弔問客・会葬者全員に渡すのが一般的。

会葬礼状

  • 会葬礼状は、葬儀後すぐに郵送するのが正式。
  • 最近は葬儀後に出口で清めの塩などと一緒に手渡すケースが多い。
  • 通夜後に渡すこともある。
    この場合は「会葬御礼」ではなく「御弔問御礼(ごちょうもんおんれい)」とするのが正式。
  • 黒枠または薄墨色の枠のある私製のハガキを使う。
  • 会葬者の予想人数よりも多めに用意しておく。

通夜を進める

  • 通夜には、死者を葬る前に遺族や近親者、親しい人たちが集まる。
  • 半通夜(夜6時ごろから2時間程度)が一般的。
  • 通夜式の後、弔問客を飲食で持たなす「通夜ぶるまい」をする。
  • 席順は、喪主が棺に一番近いところに座る。
  • 祭壇に向かって、右側が喪主、遺族、近親者と血縁が濃い順に座る。
  • 祭壇に向かって、左側が世話役代表、友人、知人、職場関係者が縁の深い順に座る。

仏式の通夜の進行例

  1. 僧侶を迎える。僧侶を控室に案内後、喪主が進行や手順について打合せする。
     
  2. 受付開始。会葬礼状や返礼品を通夜後に渡す場合は、引換券を配っておく。
     
  3. 一同着席
     
  4. 僧侶入場・読経 僧侶入場・読経
     
  5. 焼香
     
  6. 法話
     
  7. 喪主あいさつ。僧侶の退場後、喪主は弔問客にあいさつ。
     
  8. 通夜ぶるまい。弔問客を通夜ぶるまいの席に案内する

通夜ぶるまいをする

  • 寿司やサンドイッチ、オードブルなど手軽につまめるものを用意する。
    仕出し店に注文するか、葬儀社を通して注文。
  • けがれを清めるという意味で、お酒も用意する。ひと通り行きわたる程度。
  • 1時間程度で終わらせるのが一般的。
  • 弔問客が帰るときは、喪主や遺族は着席のままお礼を述べる程度でいい。
    見送りに立たないのがならわし。
  • 僧侶は最上席に案内し、酒や食事をふるまう。
    僧侶が辞退したときは「御膳料」としてお礼を渡す。めやすは1万円程度。

通夜ぶるまいの前のあいさつ例(年配の参列者が多い場合) [AI作成]

本日はご多用のところ、◯◯の通夜にご参列いただき、心より御礼申し上げます。
ささやかではございますが、通夜ぶるまいの席を設けさせていただきました。
どうぞごゆっくりお過ごしいただき、故人との思い出を語り合っていただければ幸いです。
本日は誠にありがとうございました。

通夜ぶるまいの閉会のあいさつ例(年配の参列者が多い場合) [AI作成]

本日はご多用のところ、通夜および通夜ぶるまいにご参列いただき、心より御礼申し上げます。
明日の葬儀・告別式は、◯時より◯◯斎場にて執り行います。ご都合の許す限り、ご参列いただければ幸いです。
本日は誠にありがとうございました。どうぞお気をつけてお帰りください。

葬儀・告別式を進める(仏式の場合)

  • 葬儀は、遺族や近親者で営む故人をこの世からあの世に送る儀式。
  • 告別式は、友人や知人が個人とお別れをする場。
    遺族が参列者にお礼の気持ちを表す場でもある。
  • 仏式葬儀・告別式の進め方は、宗派によって異なる。
    事前に僧侶、葬祭ディレクターと段取りを決めておく。
  • 弔辞は故人の友人などにお願いする。
    人数は葬儀社とよく打ち合わせる。時間の兼ね合いで省くこともある。
  • 弔電の披露は、多数なら10-15通程度、代表して5通奉読。
    順序は会社関係、社会的地位の高い方を優先。その他は名前のみ紹介。

葬儀の流れ

  • 喪主・遺族入場、着席
     
  • 導師入場、着座
     
  • 全員合掌
     
  • 開式の辞(司会者)
     
  • 読経

告別式

  • 弔辞・弔電披露
     
  • 読経
     
  • 遺族・近親者の焼香
     
  • 一般焼香
     
  • お別れの儀(棺に献花など)
     
  • 葬儀委員長謝辞
     
  • 遺族代表あいさつ
     
  • 導師退場
     
  • 出棺

[AI作成]
「葬儀委員長」とは、社葬や町内葬儀などの大規模な葬儀で設けられる役職で、葬儀全体の進行や対外的な挨拶を担う人物。
喪主が遺族代表であるのに対し、葬儀委員長は会社や地域の代表として式を取り仕切る役割を果たす。

[AI作成]
「導師」とは本来、仏教の教えを説いて人々を導く役割を持つ僧侶のこと。
葬儀や法要の場では、儀式の中心となる僧侶を特別に「導師」と呼ぶ。

出棺

お別れの儀・出棺の流れ

  1. お別れの儀:祭壇前に集まって喪主から順に棺の中に生花を入れて最後のお別れをする。
     
  2. 釘打ち:棺のふたを閉め喪主から順に1人2回ずつ打つ。
     
  3. 出棺:男性の遺族・親族6人で棺を持ち、遺体の足の方を前にして運び出す。
     
  4. 会葬者への例:棺を霊柩車に乗せ、遺族は式場に背にして会葬者に向かって横に並ぶ。
     
  5. 出棺のあいさつ:喪主、もしくは遺族代表があいさつをする。

出棺のあいさつ

  • 依属が故人の遺影や位牌を持って、会葬者にお礼のあいさつをする。
  • 喪主、あるいは遺族代表者がする。

あいさつの中に必ず入れる内容と流れ

  1. 会葬のお礼
     
  2. 故人が生前おせわになったお礼
     
  3. 今後のお願いごと
     
  4. 締めのあいさつ

出棺時のあいさつの例 [AI作成]

本日はご多用のところ、故◯◯の葬儀・告別式にご会葬賜り、誠にありがとうございました。
皆さまのお見送りを受け、故人も安らかな気持ちで旅立つことができたことと存じます。
生前、故人は多くの方々に温かいご支援とご厚情をいただき、家族一同、心より感謝申し上げます。
今後とも、故人同様、私ども遺族にも変わらぬご厚誼を賜りますよう、お願い申し上げます。
簡単ではございますが、これをもちまして出棺のあいさつにかえさせていただきます。

火葬する

  • 火葬場の係員に火葬許可証を提出。葬儀社が代行してくれる。
  • 火葬炉の前で「納めの式」を行う。喪主、遺族、親族と、故人との関係の深い順に焼香をする。
  • 棺を炉に収めるときは、一同合掌して故人の冥福を祈る。
  • 火葬には40~50分、設備によっては1~2時間かかる。その間、控室で僧侶や同行者をもてなす。
  • 火葬が終わったお骨を骨壺に収めるのを骨上げという。喉仏の骨は喪主が拾うのが一般的。
  • 係員が骨壺を白木の箱に入れて白い布で包んでくれる。このとき「死体埋葬許可証」が手渡される。紛失しないように骨箱に入れて持ち帰る。
  • 「死体埋葬許可証」は「死体火葬許可証」に日付などを裏書きしたもの。

火葬・骨上げの例

  • 「火葬許可証」を提出
     
  • 火葬炉の前で最後のお別れをする
     
  • 火葬
     
  • 骨上げ
     
  • 骨壺と「埋葬許可証」を受け取る

還骨法要を行う

家に戻ったら

  • 家に入る前に、塩と水で身を清める。
  • 仏壇の前、もしくは部屋の北か西に後飾りの祭壇を設置、遺骨と位牌を安置し、遺影・花・線香などを飾る。
  • 四十九日忌の忌明けまで毎日灯明をともし、故人の冥福を祈る。
  • 後から来た人には、後飾りの祭壇にお参りしてもらう。

還骨法要

  • 還骨法要とは、火葬後に遺骨となった故人を供養するための仏教儀式。
  • 自宅や寺院などに戻ってきた際に行われる。
  • 僧侶の読経の中、喪主から順に焼香をする。
  • 還骨法要で葬儀はすべて終了する。

初七日

  • 初七日とは、死亡した日から数えて7日目に行われる法要。
  • 今では遠方の客への配慮などから、還骨法要と兼ね、1日のうちに行うのが一般的。

精進落とし(精進料理でもてなす)

  • 精進落としは、本来は四十九日の忌明けに行うが、近年は葬儀後に行われることも多い。
  • 料亭などで僧侶や世話役などお客様をもてなす。
  • 遺族は末席に座り、席を回って料理や酒を勧める。
  • 閉会時に喪主もしくは親族代表が、無事葬儀が終わったこと、お世話になったことのお礼を述べる。
  • 1~2時間が目途。

精進落とし・開会のあいさつの例(必須ではない) [AI作成]

本日は、通夜・葬儀にご参列いただき、誠にありがとうございました。
おかげさまで、無事に故◯◯を見送ることができました。
ささやかではございますが、精進落としの席をご用意いたしましたので、どうぞ故人を偲びながらごゆっくりお過ごしください。

精進落とし・閉会のあいさつの例 [AI作成]

皆さま、本日はご多忙の中、通夜・葬儀から精進落としまで、長時間にわたりお付き合いいただき、誠にありがとうございました。
おかげさまで、故◯◯の旅立ちを、心を込めて見送ることができました。
生前に賜りましたご厚情に、改めて深く感謝申し上げます。
本日の精進落としも、故人を偲ぶひとときとして、温かくお過ごしいただけたことと思います。
これをもちまして、本日のすべての儀式を終えさせていただきます。
どうぞお気をつけてお帰りください。
本日は誠にありがとうございました。

まとめ・感想

先日、兄が亡くなりました。
長い闘病生活の末のことでした。
遠方で暮らしているため、死に目に会えませんでした。
人生100年時代と言いますが、その半分も生きていません。
早すぎる死でした。

喪主は、兄の妻(義姉)が務めました。
義姉も喪主を務めるのは、人生ではじめてのことで大変だったと思います。

「その年齢でそんなこともわからないのか」
これは、義姉が親族から言われた言葉です。
また「○○○をしなければならない」と指摘を受けることもありました。
義姉から相談を受けましたが、私も前提となる知識がなく、わかりませんでした。
私の少ない経験上、聞いたこともないことでした。
インターネットで調べても答えを得ることはできず。
それが当然そうするべきことなのか、宗派による違いなのか、地域による違いなのか・・・。
結局、義姉は波風立たぬよう指摘されるがまま対応したようです。

「結婚式での失敗は笑って許せるが、葬式での失敗は絶対に許されない」
そのように言う人もいました。
今回、家族葬で執り行いました。
「葬儀社が色々教えてくれるので大丈夫」と言う人もいますし、私もそう考えていました。
しかし、葬儀社とのコミュニケーション不足等により、うまくいかないこともあります。
やはり、こちら側に知識がないことはトラブルのもとです。

兄が亡くなってしまったため、親の葬儀では私が喪主を務めることになります。
しかし、私はあまりに知らないことが多すぎます。
危機感が薄らぐ前に学ばなければと思い、使ったのが本書『親の葬儀とその後事典』です。
かなり昔に購入した本なのですが、積読していました。
古い本ですが、葬儀に関することは世の中で最も変化が少ないことの1つのはず。
おそらく問題ないと思います。
葬儀の流れがよくわかり、また、さくいんで知りたいことをすぐに調べることができます。
相続に関することなどは、もしかするとアップデートがあるかもしれません。

喪主がすべきことを知り、自分事として捉え考えると色々な疑問が湧いてきます。
自分の宗派や菩提寺など事前に確認できることはたくさんあります。
また、わからないことはAIに聞きながら補完しています。
AIがある時代で良かったです。
きっと、兄もAIが発展していくこれからの時代を見たかっただろうと思うと残念でなりません。
なにより家族と笑い合う時間を過ごしながら、子どもの成長をもっと見たかったと思います。
兄の魂が安らかに眠ることを心から願っています。