【要約】ごきげんになる技術 キャリアも人間関係も好転する、ブレないメンタルの整え方

アフィリエイト広告を利用しています。
コミュニケーション・人間関係

イントロダクション

タイトルごきげんになる技術 キャリアも人間関係も好転する、ブレないメンタルの整え方
発行日2024年7月31日 第1刷発行
発行所集英社
著者佐久間 宣行
著者情報は、上記リンクからご確認ください。

本書のタイトルにある「ごきげん」という言葉。
自分自身を「ごきげん」だと感じたのは、いつだったでしょうか。
久しく「ごきげん」になれていない気がしています。

本書を読めば、「ごきげん」になれるのでしょうか?

そう思い、本書を手にすることにしました。

オススメしたい人

  • 自分の弱さに悩み、不安を抱えながら生きている人
  • 仕事や人間関係で心をすり減らしている人
  • ポジティブ思考を保とうとすることに疲れている人
  • ネガティブを飼い慣らす方法を学びたい人

学べること

本書のタイトルにある「ごきげん」。
みなさんは、「ごきげん」をどのような状態だと考えているでしょうか?

いつもニコニコしていてポジティブな人でしょうか?

そのように考える人は多いかもしれません。
しかし、本書では「常にポジティブ思考を保つこと」は、逆に「ごきげん」とは遠ざかってしまうと説明しています。
その上で、本書では「ごきげん」を次の状態だと説明します。

ごきげんな状態とは、メンタルが安定していてブレない軸があること。

人生の悩みの9割は、人間関係が原因と言われています。
「ごきげん」でいると、他人に嫌な印象を与えません。
人間関係がスムーズになると人生が生きやすいものになります。
「ごきげんな人」の究極形態は、「この人のために頑張りたい」と思ってもらえる人です。

本書では、「ごきげんになる技術」である「ブレないメンタルの整え方」を学ぶことができます。
ここでは、本書の内容について私の解釈で簡単にまとめています。

ネガティブ思考と「ごきげん」は両立できる

「ごきげん」とは、「常にポジティブ思考を保つこと」ではありません。
もし、何でもポジティブに捉えようとするなら次のことが必要です。

  • 努力し続ける強い精神と行動力
  • 成功体験といった根拠に基づいた自信

つまり、常にポジティブ思考ができる人は、負け知らずのごく一部の超エリートだけです。
まず、そう割り切ってしまいましょう。

残念ながら、ネガティブ思考は常について回るものです。
どんなに成功しても、多くのお金があっても、不安や悩み、ネガティブな感情から開放されることは一生ありません。

ネガティブからポジティブへのギアチェンジには、膨大なエネルギーが必要です。
ポジティブな思考で上書きしようとすると、ますますしんどくなります。

そんな…それなら、どうすればいいんですか?

ネガティブな感情は、「人生を伴走する相棒」と腹をくくって捉え直した方がいいでしょう。
ネガティブな感情と適度な距離感を知って、ネガティブを飼い慣らすことが大切です。
それが、本書で学ぶ「ごきげんになる技術」です。

メンタルをGoogleカレンダーで管理する

ネガティブを飼い慣らすーーそのために自分がネガティブに陥るパターンを把握することが大切です。
おすすめの方法はスケジュール帳を使うことです。

スケジュール帳に簡単なメモ程度の日記をつけましょう。
次のスケジュール帳を用意してください。

「毎日の予定」を確認できるスケジュール帳を用意する。

Googleカレンダーなどの色分けできるものが便利です。

書くことは、自分の「心の状態」に関する次のことです。

  • うれしかった出来事
  • 落ち込んだこと、ムカついたこと
  • 改善していきたい点
  • 体調

できるだけ毎日書いてください。
続けてみると、日記メモから自分が不調に陥りがちなタイミングを客観視できるようになります。
次のことを把握しましょう。

  1. ネガティブな状態になった時、どんな出来事があったか
  2. ポジティブな状態になった時、どんな出来事があったか

「○○なこと(赤色)が続いているから、疲れが出そう」

このようにメンタルが落ちる要因やパターンを把握しましょう。
長く続けていると、文字を読まずとも色で自分が置かれている状況が把握できるようになります。
それが分かったら、それを避ける等、自分の心を守るルールを作ってください。
自分が呼吸しやすい人間関係や環境を用意しましょう。

自分自身のゲームプレイヤーになる

ネガティブを飼い慣らすためには、次のことを知ることも大切です。

  • 自分が陥りたくないのは、どんな状態なのか
  • いい状態を保てるのは、どんな時なのか

自分のことを俯瞰し、いいメンタルの状態が続くような日々の過ごし方を研究しましょう。

なるほど。俯瞰して…研究ですか?

自分の状態を知るためには、感情を客観視できなければなりません。
感情は、ただそのありようを観察し「起こってしまったことは仕方ない」と考えます。
そして、少しでもベターな結果になるように行動できるマインドに変えていきましょう。

  1. 感情と自分を切り離して観察する
  2. 感情を受け止め、できることをする

言っていることはわかりますけど…ピンとこないんですよね。

ゲーム好きな人なら次の例で、より理解できるかもしれません。

これは、ゲームプレイヤーのマインドと同じです。
RPGのラスボス戦を想像してください。

あなたは、時間をかけて味方にバフを、ボスにはデバフを重ねがけしてきました。
そして、次のターンでは一気に畳み掛けようと意気込んでいます。
そんなとき、いきなりバフ・デバフを打ち消されたら?
立て続けに、反撃で大ダメージを負ったら?

!?

あなたは、予想外の展開にハラハラし、緊張しながらコントローラーを握ります。
それでも頭は冷静に、戦況を整えるため次の行動を選択するでしょう。

こんな風に自分自身をコントロールする感覚です。
この話で理解できるのは、ゲームが好きで没入した経験がある人だけです。

つまり、この感覚をつかむためには次のことが必要です。

好きなこと、興味のあることを見つけ没入することを体験する。

自分に没入したことのある人でなければ、自分の本質を見ることはできません。

自分に没入すると、自分にとっての好きなこと、大切なこと、我慢できないこと、苦手なことへの解像度が上がります。
経験を積み重ねれば、どんな時に「ごきげん」でいられるのかを理解できるようになります。

「ネガティブワクチン」を打っておく

ネガティブにならないように、あらかじめネガティブ要素を想定し、対策する。
それが、「ネガティブワクチン」です。

本記事では、これもゲームでたとえてみましょう。

【ネガティブワクチン1】

敵は防御力が高くて物理攻撃が通らないかもしれない。
攻撃魔法は反射されるかもしれない。

対策

物理も魔法も、どちらの攻撃手段も用意しておく。

【ネガティブワクチン2】

ヒーラーの魔法だけでは回復が追いつかないかもしれない。

対策

回復アイテムも持てるだけ持っておく。

【ネガティブワクチン3】

毒などの状態異常スキルを使ってくるかもしれない。
でも、回復アイテムでアイテムボックスの空きがわずかしかない。

対策

致命的な状態異常にのみ備える。
状態異常を防ぐアクセサリーなどで無効化できないかを考える。

ゲームでたとえてみましたが、現実でも同じように考えます。

最悪のシチュエーションを考えつくしましょう。
その上で、成功させるための作成を練るのです。

ネガティブ思考で物事を考えない、それは「努力しなくなる」ということです。
自分の武器を理解して磨き、得意技を増やしていく作業と経験を積むことを忘れてはいけません。

ネガティブワクチンは、ネガティブ要素を想定し、対策すること。
ポジティブ思考からくる油断を予防することができる。

他人にこそポジティブ思考

自分のネガティブ面とは向き合った方が人生は楽になることを説明してきました。
しかし、他人に対してはポジティブであった方が圧倒的にいいです。
その理由は、人間関係がスムーズになるからです。

人生の悩みの9割は、人間関係が原因と言われていますからね。

他人に対してポジティブである方法とは、「褒め」です。
「褒め」は最もシンプルで究極のコミュニケーションテクニックです。

  1. 人と出会った時、いいなと思うところを見つける習慣を持つ
  2. 適切なタイミングで言葉にして褒める

人のいいところや好きな部分を見つけては、適切なタイミングで言葉にして褒めましょう。
その「褒め」の絶好のタイミングはいつやってくるかわかりません。
人と出会った時、いいなと思うところを見つける習慣を持ってください。
初めての人なら第一印象で感じた「元気がいい」とか「やさしい」みたいなことで十分です。

たとえば、人に悩みを相談されたとします。

そんな時こそ、その人のことを全力で褒めます。

解決法、直すべきところを伝える前に、まず褒めることで、その後の話も心を開いて聞いてもらえるようになります。

【効果1】相手を褒めると、心を開いて話を聞いてもらえるようになる。

悩みを相談されても、ただ自分の話を聞いて欲しいだけの場合もあります。
そんな気配を感じた時も、その人のことをとにかく褒めます。
悩みとは関係ないことでも、その人の魅力を伝えます。
そうすると、ほぼ全員が元気になってくれます。

【効果2】相手を褒めると、元気モリモリになってくれる。

このように、「褒め」は最強のコミュニケーションツールなのです。
褒めるポイントを見つけようと相手を観察していると、その人の弱点も見えてきます。
そして、その弱点の理由もだんだんとわかるようになります。
そのため、会話の中で、その人の地雷を避けることができるようになります。
また、注意しなければならない時にも、傷つけない言葉選びや伝え方ができるようになります。

【効果3】
褒めるポイントを見つけるためには相手を観察することが必要。
観察することで、会話で傷つけない言葉選びや伝え方がわかる。

読んだ感想

本書を読む前の「ごきげんな人」のイメージは、いつもニコニコしているポジティブな人だったのですが、本書を読んで変わりました。
たしかに、ずっとポジティブ思考でいるのは続かないし、無理にポジティブな状態を保とうとするのは疲れますよね。
仮にそういう人がいたとしても自分がそうなれる可能性はまったく感じません。
本書は、ポジティブを維持する方法ではなく、ネガティブを飼い慣らす方法を学ぶことができます。
著者自身の人生をかけて検証した内容であるだけあって、嘘くささがありません。
それは、ネガティブな自分を否定しなくていい、無理やり感がないので素直に読み進めることができます。

また、自分のメンタルを色分けしてスケジュール帳で知ろうというアイデアは面白いと感じました。
どんな時に自分のメンタルが落ちて、回復するまでにどれくらい時間がかかって、回復するためにどんなことが必要なのか。
これは、たしかに自ら知ろうと思わなければ人生終了するまで知ることができないことだと思います。
これからの人生をごきげんに過ごしたいなら「自分を知る」ための努力を欠かすことができません。

私のもう1つのごきげんな人のイメージは、自分だけじゃなく周囲の人もごきげんにしてくれる人です。
本書にある通り、そういう人は、たしかに人を褒めるのが上手だなと思います。
褒められて気分を悪くする人は、ほぼいないので、コミュニケーションのツールとしては最強ですよね。
本書の内容を参考に経験を積めば、周囲に好かれる人になれるかもしれません。

キャリアや人間関係がうまくいっているから「ごきげん」になるのではありません。
「ごきげん」だからキャリアや人間関係がうまくいくということがわかります。
人生を好転させたいなら、まずは「ごきげん」になることです。
本書には、ここで紹介した内容以外にも「ごきげん」になるために必要なことが満載です。
理論的なことだけでなく、著者の実体験からくるエピソードも自分の軸を整えながら生き抜くためのヒントになります。
あなたも「ごきげんになる技術」を学んでみてはいかがでしょうか。