イントロダクション
タイトル | : | 「内向的な人」の幸福戦略 |
発行日 | : | 2024年8月25日 |
発行所 | : | 朝日新聞出版 |
著者 | : | 精神科医Tomy |
著者情報は、上記リンクからご確認ください。 |
「一人が好き」「トークが苦手」「外で気疲れ」「悩みがち」。
それって、どこの私でしょうか?
内向的な人のための書籍は、何冊か読んでいて、本ブログでも紹介しています。
本書はどんな内容なのでしょうか?
新しい発見はあるのでしょうか?ないのでしょうか?
そう思い、本書を手にすることにしました。
オススメしたい人
- 人と楽しく会話ができない
- 過去のミスや未来のことを考えて不安になる
- 人間関係に悩んでいる
- 失敗を恐れて決断できない
学べること
社交的になれず、孤独が平気というわけでもない。
引っ込み思案で、シャイで、人間関係の構築が苦手。
そんな生きづらさを抱える内向的な人のために書かれた本書。
本書では、内向的な人が自分の特性に合った戦略を採用し悩みを解決する方法を学ぶことができます。
ここでは、本書の内容について私の解釈で簡単にまとめています。
人と長時間いると疲れてしまう
他人と一緒にいると、多かれ少なかれ気遣いや配慮が必要です。
これは、思ったより脳に負荷をかける行為であるため疲れるのは当たり前のことです。
内向的な人は、他人と一緒にいることにエネルギーを消耗しやすい特徴があります。
また、消耗するエネルギーは、自分と相手の関係性や相性によって変わってきます。
そのため、自分のペースで行動することが重要です。
無理に社交的になろうとする必要はありません。
休息が必要なときには無理をせず、自己管理をしっかり行いましょう。
「もうちょっと、一緒にいたいな」と思うぐらいで切り上げるのがオススメです。
他人と一緒にいると疲れるのは当たり前のこと。
休息が必要なときには無理をしない。
人との距離を縮められない
人間関係には、ちょうどいい距離というものがあります。
人との距離を縮められないのであれば、それが自分とその人とのちょうどいい距離だということです。
無理に距離を縮めようとすれば、ぎこちなくなり上手くいくものも上手くいかなくなります。
距離を頑張って縮めることができたとしても、それは一時的なもの。
やがて然るべき距離になります。
そのため、人との距離を無理に縮めなくて良いと念頭に置きましょう。
その上で、相手と人間関係を築きたいと思うのなら次の行動を行ってください。
- 目を合わせる
- 挨拶をする
- ニコッと笑う
- 頑張って話しかける
その理由は、まず自分から相手に好意があることを見せる必要があるからです。
大切なことは、一生懸命コンタクトをとろうとする姿勢です。
そうすれば、上手く話せなくても充分好意は伝わります。
人との距離を無理に縮めなくて良い。
自分から相手に好意があることを見せることが大切。
自己開示が苦手
自己開示とは、誰かと深く仲良くなるための大切なプロセスです。
ですが、内向的な人にとって自己開示は負担に感じることが多く簡単ではありません。
そのため、どんな相手でも最初に行うデフォルトの自己開示を作っておくと良いでしょう。
たとえば、次のような内容がオススメです。
- ポジティブで、ちょっと珍しいアナタだけのプロフィール
- 自分の夢
信頼できる人には少しずつ自分の考えや気持ちを開示することで、より深い信頼関係を築くことができます。
自己開示を急がず、段階的に行うことが大切です。
自己開示は、誰かと深く仲良くなるための大切なプロセス。
自己開示が苦手ならデフォルトの自己開示を作っておくと良い。
一人になるとつい反省会をしてしまう
「あれは言わなければよかった……」
一人になるとつい始めてしまう反省会。
この反省会は、過去から何かを学ぼうとする姿勢の現れ。
しかし、内向的な人は、反省会で過去のミスを振り返り過ぎてしまいます。
この反省会は、「頭がお暇」なときに起きます。
対策の方法は、「頭をお暇」にしないように目の前のことに集中すること。
そのために環境と行動を変えてみましょう。
「頭をお暇」にしないことは、先のことを考えすぎて不安になる等、様々な心が不安定になることに対して効果があります。
また、人はアナタが思うほど他人の言動を覚えていないものです。
過度な反省は控え、次に向けて前向きに考える癖をつけましょう。
過去のミスを引きずらず、今できることに集中する。
他人はアナタの言動を覚えていないので大丈夫。
会話の話題がなくて困る
会話というのは、コミュニケーションであり内容は大した問題となりません。
挨拶だけでも、ただ聞いているだけでも会話だと言えます。
内容よりもお互いの気持ちが大切です。
他人は、自分と生まれも育ちも、趣味趣向も全て違います。
つまり、他人の人生はパラレルワールドのようなものです。
会話とは、パラレルワールドを垣間見ることができるものなのです。
違っている点があれば興味深く、似ている点があれば共感し感動する楽しいものです。
会話では、内容よりもお互いの気持ちが大切。
会話とは、人生のパラレルワールドを垣間見る楽しいもの。
突然意見を求められると困ってしまう
聞き役に徹している時に突然意見を求められると頭を上手く切り替えられずに困ってしまいます。
その対策は、自分に話を振られたらこう答えようと考えながら聞くことです。
それでも自分の意見を決められないなら次の3つのステップで考える方法がオススメです。
- 仮の「自分の意見」を作る
- 「自分の意見」の理由を考える
- 仮の「自分の意見」を吟味する
たいてい議論というのは、「AかBか」というような二者択一です。
ステップ1では、適当でもいいので自分のスタンスを決めてみましょう。
ステップ2では、自分のスタンスに決める理由を考えてみましょう。
ステップ3では、仮の自分の意見についてよく考えてください。
「何か違うな」と感じたら逆の意見について考えてみましょう。
最終的に、しっくりくる方を採用しましょう。
自分に話を振られたらこう答えようと考えながら聞く。
優柔不断な性格を直したい
優柔不断な人に見られる思考パターンは、「失敗を極端に恐れる」ということです。
しかし、物事にはタイミングというものがあります。
決断できないということが、かえって失敗のリスクにつながることがあります。
また、決断することを「成功」か「失敗」かで考えるべきではありません。
「成功」も「失敗」も一時的な状態に過ぎず、どの時点を切り取るかで変わります。
「成功」の先にある「失敗」、「失敗」の先にある「成功」もあるのです。
決断することは、物事を「先に進ませるか」「先に進ませないか」と認識するべきです。
成功するか失敗するかで考えるのではなく「納得できるかどうか」で決断していきましょう。
決断は、自分が「納得できるかどうか」で決める。
読んだ感想
本書は、内向的な人が抱えがちな悩みの1つ1つに対してアドバイスしていく構成となっています。
そのため、最初のページから読み進めてもいいし、いま辛い状態でいる人が近い悩みを探してピンポイントでアドバイスを得ることもできるようになっています。
本記事で紹介した内容は、本書の1部に過ぎません。
本書の内容は、内向的な人の悩みをだいたい網羅しているように感じます。
本書のような内向的な人のために書かれた本は、手元に置いておくことをオススメします。
その理由は、内向的な人ならわかると思いますが、私たちを悩ませる内向性の負の部分は1回本を読んだくらいで矯正できるような生易しいものではないからです。
「1回読めば十分だ」と言う人は、おめでとうございます。
あなたは真の「内向的な人」ではありません。
知識で知っているだけではダメだと思うんです。
私たちが悩んでしまった時、悩みの渦に飲み込まれ知識を使うという余裕はなくなってしまいます。
染み付いた思考や行動の習慣は、そう簡単に変えることはできません。
何度も本を読んで、やっと、悩んでいる時に「あの本に書いてた内容が役立つかも!」と思えるようになります。
その時、悩みに沈み込んだ暗闇の中で一筋の光を見つけたような気分になります。
ピンポイントで悩みに対するアドバイスを得られる本書は、読んで終わりではなく「読んだ後も使える本」だと思います。
では、「悩んでしまった後にしか使えないのか?」と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。
本書の最後の章では「内向的な人のオススメ習慣」という内容があります。
この内容は、自分の特性を理解し、それを活かした習慣を身につけるきっかけにもなります。
あなたは、ずっと引きずっている嫌な記憶はありませんか?
過去のミスを何度も思い返して反省会をしないでください。
繰り返し何度も何度も考えることで記憶に定着してしまいます。
嫌な思い出ばかりが強く残る人生なんて嫌ですよね。
本書では、自分の内向性の悩みに正しく対処し、特性を理解し活かす方法を学ぶことができます。
あなたも本書を手にすることをオススメします。