【要約】『メンタルヘルス大国アメリカで実証された 心がモヤらない練習』対人関係の悩みを解決するスキル

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イントロダクション

タイトル:メンタルヘルス大国アメリカで実証された 心がモヤらない練習
2023年2月20日 初版発行
発行・販売:サンクチュアリ出版
著者:須田賢太
マンガ:まるいがんも

本書は、アメリカで生まれた「弁証法的行動療法(DBT)」という「境界性パーソナリティ障害」に効果があると科学的に立証された初めての治療法を、日常生活で実践しやすいようにわかりやすくかみ砕いた内容を紹介しています。

ストレス社会を生きていく中で心がモヤってしまうことは珍しいことではありません。
これまでの人生を振り返れば心がモヤる出来事はたくさんあったし、いつまた心がモヤる事が起こるかわかりません。
自分の感情をコントロールするスキルは、現代社会を生きる上で必須であると言えます。
心がモヤった時の備えとして対処法を学んでおきたいと思い、この本を手にすることにしました。

オススメしたい人

  • 境界性パーソナリティ障害と診断された人
  • 心がモヤっている人
  • ストレス社会で生きるすべての人

学べること

本書は、DBTにより身につくスキルを「今を楽に生きる。未来をもっと楽に生きる」ための「30の行動リスト」として紹介しています。
詳しく知って実践したい人は、本書を購入して読んでいただくことをオススメします。
かわいいイラストのマンガも不思議と心が安らぐのでオススメです。

ここでは、本書の「マインドフルネススキル」を中心に簡単にまとめた内容をご紹介します。
マインドフルネスは、「今この瞬間」に意識を集中させ、感情をコントロールしやすくするためのスキルです。

「観察」 嫌な気持ちになったら20秒の現場観察を

起きていることに注意を向けて最低20秒は「観察」しましょう。
事実のみを感じ、言葉にする必要はありません。

「描写」 自分の気持ちを実況中継する

起きている事に対し、思い込みは混在させず事実のみを見つめてください。
自分の中で湧き上がる今この瞬間の感情が何なのか説明してみましょう。

DBTでは、感情に「切迫感」があるかないかで対処法が異なります。
「切迫感」が強いと衝動的な行動に出てしまうことがあります。
切迫感がそこまで強くない時に役立つのが「感情調節スキル」、切迫感が強い時に使うのが「苦悩耐性スキル」です。

「感情調節スキル」「苦悩耐性スキル」については、後述します。

「関与」 自分の気持ちにじっくり向き合う

「観察」「描写」ができたら自分の感情のありのままを認めてあげましょう。
感情に正解も不正解もありません。
自分が感じたことに嘘をつく必要はありません。

「対処」 感情のコントロールを目指す

「観察」「描写」「関与」で心の状態の把握ができたら、それに対処し感情のコントロールを目指しましょう。
対処のために必要なことは次の通りです。

断定しない
断定とは、良い/悪い、すべき/すべきじゃない等の物事の評価です。
断定すると脳はそれを本当のことだと思ってしまいます。
脳に何が事実なのかを教えてあげることでモヤモヤを和らげます。

ひとつのことだけに集中する
「食事中は食べることだけ」「入浴中は体や髪を洗うことだけ」に集中してください。
スマホは入ってくる情報がきっかけでイヤな気持ちを引き起こすので触らないでください。

効果的であること
自分の価値観で物事に白黒をつけるのではなく、自分が本当に大切にしたいことを思い出し、そのために必要な言動を選択してください。
それをDBTでは「効果的であること」と表現しています。

感情調節スキル

人間の感情は「怒り」「悲しみ」「楽しみ」「驚き」「恐怖」「嫌悪」「罪悪感・羞恥心」「興味」の8つしかありません。
複雑に思える感情も、どれかに当てはまるか、組み合わせによるものです。
自分の感情を特定し、うまく言い表すニックネームをつけてください。
自分自身と感情を分離して客観視することができるため感情のコントロールをしやすくなります。

また、感情には「一次的感情」と「二次的感情」があります。
例えば、ミスをして上司からみんなの前で叱責された時に感じる「怒り」は「一次的感情」。
その後に湧いてきた恥ずかしさは「二次的感情」です。
感情が複雑化すると元の「一次的感情」を見失ってしまい対処することが難しくなります。
一次的感情と二次的感情を切り分けて捉えましょう。

苦悩耐性スキル

苦悩耐性スキルは、今の苦痛からとにかく気をそらして自分を落ち着かせるための方法です。
頭を働かせて何か自分が没頭できる作業を行いましょう。
オススメは、「自分の呼吸を数える」方法です。

  1. 床の上にあぐらをかいて座る、もしくは椅子に座って足を床につけます。
  2. 「1回目を吸っている」と意識しながら、お腹がふくらむように腹式呼吸で息を吸います。
  3. 「1回目を吐いている」と意識しながら、腹式呼吸で息を吐きます。
  4. 自分の呼吸を静かに観察しながら、これを10回繰り返します。
  5. 途中で気が散り、何回目かわからなくなったら1回目に戻ります。

呼吸をコントロールすることは、感情をコントロールすることにつながります。

劣等感を刺激されて辛い時は、本当に劣等感を感じる必要があるのか冷静に考えてみましょう。
劣等感を感じるほどそんなに悪くないことに気付けるかもしれません。
そして、自分が劣等感を感じている部分について、自分より恵まれていない、うまくいっていないように見える人と「比較」しましょう。
これは、他人を見下すのではなく「感情モード」から「思考モード」に切り替えることによって苦しみから気をそらす方法です。

心と体は通じ合っています。
現実をどうしても受け入れられない時は、まず体で受け入れることを意識してみましょう。
その方法は、顔全体の力を抜き、リラックスした状態でほほえみ(ハーフスマイル)を浮かべましょう。
日常生活にハーフスマイルを取り入れると心を穏やかに保つことに役立ちます。

感情は、一時的なもので永遠に続くことはありません。
苦痛から気をそらすスキルを身につければ、どんな時でも自分を落ち着かせることができます。

また、苦悩耐性スキルは、前向きな気持ちにもっていくためのスキルでもあります。
自分が苦しんでいることの意義や目的、そこから生まれる価値を自分が納得できるように考えてみましょう。
その苦悩は、あなたにとって必ず意味があるものです。
自分の感情を否定せず受けれて、多少こじつけでもいいので気持ちが上向くように考えて、あなたのより良い未来の一歩としましょう。

読んだ感想

本書をゆっくり一週間くらいかけて読んでみました。
一週間もあると私の身にも色々と起きるもので、中には心が少しモヤるような出来事もありました。
そんな日の仕事帰りのバスの中でスマホ(私は、だいたい電子書籍で購入してます)で読んでいると、不思議と心のモヤは薄れていき確かな効果を実感できました。

また、マインドフルネスについては、私は朝起きて時間があるときに瞑想を行うことがあります。
人間は、過去を振り返って「過去の時間」を生きたり、先の予定のことを考えて「未来の時間」を生きることがほとんどだと思っています。
落ち着いた気持ちで「今この瞬間」に意識を向けることは、普段の生活では、あまり無いのではないでしょうか。
朝に瞑想を行うと一日のスタートを気持ちよく切れる気がしていて、これについても効果を体験しているので本書の内容は確かだと感じました。
瞑想を経験したことが無い人は、Youtubeに上手に導いてくれるマインドフルネス関係の動画がたくさんあるので、自分に合ったものを探してみると良いと思います。

ストレス社会を生きる我々は、仮に現在の精神状態が落ち着いていたとしても、その均衡がずっと保たれる保証はありません。
私は、心を落ち着かせるスキル本は、お守りとして1冊はみんな持っていた方が良いと感じています。
そして、それが科学的に効果があると立証された本書のようなものだとより良いと思います。

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