【要約】『心理的安全性 最強の教科書』メンバーが互いを高め合える最高の成果を出すチームづくり

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自己理解・自己啓発

イントロダクション

タイトル心理的安全性 最強の教科書
チームが最高の成果を生む61の鉄則
発行日(電子版) 2023年3月30日 Ver.1.0
発行所東洋経済新報社
著者ピョートル・フェリクス・グジバチ
著者情報は、上記リンクからご確認ください。

本書のタイトルを見て「心理的安全性て良い言葉だな」と思いました。

人間は誰でも不安や恐怖を克服して安心を得るために生きる

「名声を手に入れたり、人を支配したり、金もうけをしたり・・・すべては、自分を安心させるため」という某マンガに登場する悪のカリスマの言葉を思い出しました。
※この時、私はまだ本書の心理的安全性の意味を知りません。

このタイトルに惹かれて表紙の詳細を見たところ、本書はGoogle元アジア・パシフィック人財・組織開発責任者が日本のビジネスパーソンに向けて書いたもののようです。

Googleの・・・心理的安全性! なんだかすごそう!
(心理的安全性が何かは知らない)

私は、表紙の文章のインパクトとDIO様の導きにより本書を手にすることにしました。
ゴゴゴゴゴゴゴ…

オススメしたい人

  • パフォーマンスが高く、成果を出せるチームづくりをしたい人
  • お互いに高め合える関係を持てるチームづくりをしたい人
  • 取り繕った人間関係ではなく自分らしく人と接することができるチームづくりをしたい人

学べること

「心理的安全性」とは、どんなものなのか。
本書では「心理的安全性」を次のように紹介しています。

心理的安全性は、ハーバード大学で組織行動学を研究するエイミー・エドモンドソン氏が最初に提唱した概念で、「対人関係においてリスクのある行動を取っても、『このチームなら馬鹿にされたり罰せられたりしない』と信じられる状態」を意味します。

『はじめに 「心理的安全=楽しく優しい職場」ではない』より

心理的安全性の重要性は、Googleの調査(プロジェクト・アリストテレス)により明らかにされています。
本書では、マネージャーとしてチーム内の心理的安全性を高めてビジネスの成果を出していくための61の鉄則を学ぶことができます。
ここでは、その方法を私の解釈で簡単にまとめています。
61の鉄則のすべてを詳しく学びたい人は、本書を購入することをオススメします。

Googleも認める心理的安全性の重要性。
本書の内容を実践すれば、あなたのチームのパフォーマンスも爆上がり!?

「心理的安全性」は何故必要か

職場に心理的安全性があるかどうかが、メンバーの行動に大きな影響を与えます。
本書では、心理的安全性についての著者なりの解釈が紹介されています。

「メンバーがネガティブなプレッシャーを受けずに自分らしくいられる状態」
「お互いに高め合える関係を持って、建設的な意見の対立が奨励されること」

『第1章 心理的安全性とは何か
 1-2 心理的安全性のあるチームはNiceではなくKind
 心理的安全性の定義』より

心理的安全性があると次のような良いことがあります。

  1. ネガティブなプレッシャーを感じることなく、相手の間違いを指摘できる。
  2. 相手とは違う自分の意見を伝えられる。
  3. 建設的な意見の対立から、より良いアイデアや解決策が生み出される。

逆に心理的安全性がないと建設的な議論に発展しないことから良いアイデアは出ません。
それどころか、メンバーは疑心暗鬼になり発言や行動に自信を持つことができなくなります。
職場には誤解や忖度がはびこるでしょう。
最悪の場合、ミスを隠したり責任転嫁する等の足の引っ張り合いが起きてしまいます。
それでは大きな成果を出すことなど到底できません。

心理的安全性を高めるためにマネジャーとしてメンバーにどう関わるべきでしょうか。
その方法を以下で説明していきます。

マネジャーの存在意義

本書では、成果を出すためにマネジャーが果たすべき仕事を次のように述べています。

それは、一人ひとりのメンバーが最高のパフォーマンスを発揮できるための環境を整えることです。すなわち、メンバーが仕事の意義を見出し、仕事を通じて価値を提供するためのプロセスをつくること、これがマネジャーの仕事です。

『第2章 心理的安全性を高める「考え方」の基本
 2-2 メンバーは「管理」しないで「支援」する
 「あなたのためにここにいる」がマネジャーの存在意義』より

「管理職」ではなく「支援職」

マネジャーの役割は、バフスキルでメンバーの攻撃力や防衛力、移動速度などを上昇させるが如く、働きやすい有利な状況に導くことなんですね。

「人」と「タスク」を区別する

基本の考え方は「人にやさしく、結果に厳しく」です。
このアプローチで重要なことは、「人」と「タスク」を区別するということです。
これが出来れば最初のハードルは超えたも同然です。

具体的な例を示します。
例えば、マネジャーがメンバーに商品紹介文を書かせたとします。
この場合の「人」は「メンバー」、「タスク」は「商品紹介文を書く」です。

メンバーが仕上げた商品紹介文の文章をマネジャーが確認したところ、ユーザーに誤解を与えかねない表現が見つかりました。
マネジャーは、そのことをメンバーに指摘します。
次は、「人」と「タスク」を区別しない場合のマネジャーのセリフです。

マネジャー「こんなんじゃ掲載できないよ。君は、まともな文章 書けないの?」

これは、ダメです。
「人」も否定した言い方になっています。

次は、「人」と「タスク」を区別した場合のマネジャーのセリフです。

マネジャー「昨日は忙しい中、商品紹介を書いてくれてありがとう。」
「ただ、この部分はお客様の誤解を招くので表現を再検討してください。」

これが、正解です。
「人」に対してはしっかりと労をねぎらっている一方、「タスク」についてはダメな部分をしっかりと指摘できています。

「心理的安全性がある」ということは、そこに「安全」を感じられるということです。
「人」を否定すると、相手は「自分の居場所がない」と感じてしまいます。
それは「心理的安全性がない」ということになります。

メンバーが自分らしく、安全を感じながら仕事ができる環境をつくることがマネジャーの務めです。
「人」にやさしく接しているからこそ「タスク」には厳しいことを言うことができるのです。

率先した「自己開示」とローコンテクストなコミュニケーション

マネジャーは、率先して自己開示していかなければなりません。
「自分はどういう人間か」「何を求めているか」を言語化して相手にきちんと伝える必要があります。

また、日本は「普通はこうだよね」等、互いにコミュニケーションの土台となる価値観が共有化された間で会話がなされています。
これをハイコンテクストなコミュニケーションと言います。
ハイコンテクストの最たるものが「阿吽の呼吸」であり、日本では美徳とされています。
しかし「阿吽の呼吸」は、お互いに相手の動きを細かくチェックする等、双方のトレーニングによって可能となる連携プレイです。
相互理解が不足した間柄では不可能です。
しかし、残念ながら日本には「これくらい自分で察して動け」と言葉で伝えることを放棄し「阿吽の呼吸は部下側の努力のみで実現するべし」とする上司が少なくありません。
そのような環境では、部下は自身の解釈が誤っていないか不安で上司の顔色を常にうかがいながらいつもビクビクしなければなりません。
これでは「心理的安全性がある」とは言えず、むしろ崩壊しています。

ハイコンテクストとは逆に「みんな違う考え方や価値観を持っているから言葉に出して言わないとわからない」がローコンテクスト。

自分の希望や要望をしっかり認識して、それを相手にローコンテクストを前提とした対話で伝えてください。
仕事上のルールや基準、その他いろいろなことが言語化されて明確になっていれば、メンバーはどんな行動を選択すべきかを判断することができます。
理不尽に叱られることもありません。
不安や猜疑心は減り、職場の心理的安全性を高めることができます。

メンバーから自己開示できる信頼関係の構築

職場の心理的安全性を高めるためには、メンバーからの自己開示も必要です。
そのためには、先で述べたようにマネジャーが率先して自己開示するのことが鉄則です。
理由は、メンバーはマネジャーに話しかけづらいものだからです。
心理的安全性がない職場で自己開示することは、メンバーにとってリスクでしかありません。
まずはマネジャーから心を開いてメンバーに歩み寄ってください。
時には弱みを見せることもツールとして利用しても良いでしょう。

マネジャーの自己開示が進めば、メンバーからも心を開いてもらいやすい状況をつくることができます。
この状況までもっていくことができたら、次のステップとして、メンバーに興味を持ちましょう。
人には承認欲求というものがあります。
「気にかけてもらっている」「興味を持ってもらっている」と思うことで安心感を覚えるのです。
好奇心を持って、メンバーが大切にしている価値観や判断基準等を知ることに努めましょう。

多少のプライベートな情報も有用です。
しかし、なんでも根掘り葉掘り聞くのはNG!

マネジャーとメンバーが価値観レベルで相互理解を深めることは、信頼関係を構築するために重要なことです。
信頼関係は、職場の心理的安全性を高めていくために必要不可欠です。

読んだ感想

読めば読むほど心理的安全性の重要さがわかる内容でした。
現在、マネジャーをされている方は必見なのはもちろんのこと、これから何かしらのチームのマネジャーになっていくかもしれない可能性がある人にも是非読んでもらいたい本です。
心理的安全性が広まれば、社会が良い方向に進んでいくのは間違いないです。

もし、心理的安全性の低い職場のマネジャーが急に本書の内容を実践しだしたら…と考えるとメンバーの立場からすると正直なところ戸惑うかもしれません。
しかし、周囲の反応をおそれずに変わって欲しいと思います。
その変化は、良い変化です。
みんなが幸せになる変化なので、メンバーは好意的に受け止めてくれるはずです。

そういった意味では、現在はマネジャーを担っていない人の方が、将来に実践しはじめるときのハードルは比べて低いのではないでしょうか。
「まだ何のマネジャーでもないし関係ない」ではなく、だからこそ今のうちに読んで自分がマネジャーになった時にすぐ実践できるよう準備しておくべきです。
そして、もし、職場の心理的安全性を高めようとする上司がいたら親身になって協力することだってできるようになります。
協力して心理的安全性を高めることができれば、その成果によって色々と良いことがあるかもしれません。

心理的安全性はチームにとって必要なものであり、職場に限った話ではありません。
ゲーム内のチームだって心理的安全性を欠くと成果が上がりません。

チームに心理的安全性が重要であることがわかりました。
ただの仲良しグループを作るという話ではありません。
これは、チームが「成果を出す」ための手段の1つです。

本書は、本記事に採用した内容の詳細の他に「実践編」などで「具体的にどうしていけばよいか」をわかりやすく伝授してくれます。
正しくチームの心理的安全性を向上に導いて成果を出すためには、本書は必読です。
現在のマネジャーを担っている人、これからマネジャーを担うかもしれない人、すべての人に本書をオススメいたします。

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