【要約】『世界の一流は「雑談」で何を話しているのか』雑談が苦手な人必見!成果を出す方法

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コミュニケーション・人間関係

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タイトル世界の一流は「雑談」で何を話しているのか
発行日2023年3月1日 初版発行
発行所クロスメディア・パブリッシング
著者ピョートル・フェリクス・グジバチ
著者情報は、上記リンクからご確認ください。

私は、雑談が苦手です。
オンラインミーティングでは、遅刻しないよう気をつけながら、わざわざ開始時間ギリギリまで待ってから入室します。
開始時間まで相手と何を話していいかわからないからです。
本題は会議が始まってから話しますが、それとは関係ない話をすることの意味がわからないということも理由です。

そんな私が本書のタイトルを見たときに浮かんだイメージは「良いスーツを着た、できるビジネスマン同士が談笑している姿」です。
内容については、まったく想像がつきません。
きっと、かっこよくユーモアに富んだ気の利いたトークを交わしているのでしょう。
憧れる姿です。

本書を読めば、私もそんな姿に近づけるかな?

そんな思いで私は本書を手にすることにしました。

オススメしたい人

  • 雑談に苦手意識を持っている人
  • ビジネスでより多くの成果を出したいと思っている人
  • チームの生産性を向上させたい人

学べること

世界の雑談は、明確な意図を持って目の前の相手と向き合って行われます。
日本でよくある「今日は暑いですね?」という類の定型の問いかけはありません。
相手に特化した雑談が交わされます。
本題に入る前の「雰囲気作り」ではなく、そこには戦略的な視点があるのです。

現在、日本では「ダイバーシティ&インクルージョン」の考え方が強くなっています。
多種多様な価値観を持つ人たちと良好な人間関係を構築し、お互いの信頼感を深めていくためには日本の雑談に対する考え方を改める必要があります。
本書は、今日のような変化の激しいビジネス環境で成果を出していくために雑談をフル活用する方法を伝授してくれます。
ここでは、本書の内容を私の解釈で簡単にまとめています。

世界の一流がビジネスの雑談で得たい3つのこと

世界の第一線で活躍するビジネスマンは、明確な意図や目的を持って雑談しています。
彼らがビジネスの相手と対峙し、雑談を通して得たいと考えているのは、次の3つのことです。

  1. お互いに「信頼」できる関係を築く
  2. お互いが「信用」できることを確認する
  3. お互いを「尊敬」できる関係を作る
『第1章 ここが違う! 「世界」の雑談と「日本」の雑談
雑談を通じて「ラポール」を作る』より

つまり、お互いの心理的安全性を高めて、心理学でいう「ラポール」を作ることを意図して雑談しています。
ラポールとは、お互いの心が通じ合い、穏やかな気持ちで、リラックスして相手の言葉を受け入れられる関係性を指します。
そして、その目的は「チームの生産性を向上させて、成果を出すことにあるのです。

それを実現するための様々なアプローチ方法を説明していきます。

雑談で常に意識する4つのポイント

ビジネスの場における雑談では、次の4つのポイントを常に意識することが大切です。

  1. 相手を驚かせないレベルの「自己開示」をして、自分という人間を知ってもらう
  2. 好奇心を持って、相手の「人間性」や「人となり」を知ろうとする
  3. 「信頼関係」の構築が目的であることを忘れない
  4. 相手と「ラポール」を作れているか、客観的な目で観察しながら話す
『おわりに 雑談に必要なのは「好奇心」「知識」「経験」の3要素』より

こうした雑談を丁寧に積み重ねていくことが、目的を達成するための原動力となります。

雑談で必要な「自己開示」

多種多様な価値観を持つ人たちと良好な価値観を深めていくためには、雑談を通して自己開示していくことが大事です。
自己開示とは、自分の「思い」や「考え方」などを相手に素直に伝えることです。
自己開示すると「自分がどんな人物なのか?」を知ってもらえるので警戒心を解きやすくなります。
相手も自己開示しやすい雰囲気になり、お互いの心理的距離を縮めることができます。

自己開示のためには、前段階として「自己認識」が必要です。
きちんと自分自身と向き合うために、次の3つのポイントを自分に問い続けてください。

  1. 「価値観」何を大切にしているのか?
  2. 「信念」何が正しいと思っているのか?
  3. 「希望・期待」何を求めているのか?
『第1章 ここが違う! 「世界」の雑談と「日本」の雑談
自己開示の前に「自己認識」する必要がある』より

自分は「何が好き」で「何が嫌い」なのかシンプルに考えてみてもいいです。
「何が好きかで自分を語る」のと同じくらい「何が嫌いかで自分を語る」ことも自己開示では重要です。
例えば、お酒が好きでもない人が、飲み会に誘われるのは迷惑なことです。
なぜ好きでもないのに誘われるのかといえば、自分が「好きではない」と自己開示していないことに理由があります。
自己開示ができていれば、自然と雑談で話す内容が変わってきます。

雑談で必要な「好奇心」

ラポールを作って信頼関係を高めるのに大事なのは、相手に「好奇心」を持って接する姿勢です。
好奇心とは、相手の人格や考え方、好み、社会的立場などを含めて、全人的に関心を持つことです。

相手に好奇心を持って集中することで、本質的な質問をすることができます。
こちらが興味を示せば、相手も興味を持ってくれます。
こちらが興味を示さなければ、相手に興味のないことが、すぐに伝わってしまいます。

そこに自分の知識や経験を活かすことができれば、相手を理解するための会話が生まれます。

雑談で構築したい「信頼関係」

相手と信頼関係を築くには、雑談を通してラポールを作ることが大切です。
ラポールを作るためのポイントは、自己認識のために自分に問うポイントと同じです。

  • 「価値観」(相手が)何を大切にしているのか?(を知る)
  • 「信念」(相手が)何が正しいと思っているのか?(を知る)
  • 「希望・期待」(相手が)何を求めているのか?(を知る)

これらを知るための方法として、著者は「7つの質問」を用意しています。

  1. あなたは仕事を通じて何を得たいですか?
  2. それはなぜ必要ですか?
  3. 何をもっていい仕事をしたと言えますか?
  4. なぜ今の仕事を選んだのですか?
  5. 去年と今年の仕事はどのようにつながっていますか?
  6. あなたの一番の強みは何ですか?
  7. あなたは今どんなサポートが必要ですか?
『第3章 どうすれば結果が出せるのか? 武器としてのビジネスの雑談
相手を喜ばせることより、本質的な雑談を目指す』より

1, 2 の質問は、相手の「価値観」「信念」を知ることができます。
3, 4 の質問は、「仕事の基準」「モチベーション」を知ることができます。
6, 7 の質問は、「仕事の進め方」「協力体制」を知ることができます。

読んだ感想

本書では、世界で活躍するビジネスマンの視点で見たとき、世界の雑談と日本の雑談を比較して、日本の雑談がいかに意味が無く時間の無駄であるかについて説明されています。
正直、耳が痛い内容です。

その通りすぎて、ぐうの音も出ません。

それでも現状を理解することで「変わりたい」という意識が高まると思い、しっかり読みました。
文化の違いといえばそれまでですが、多様性が求められる今日では、日本人の改めていかなければならないところだと共感しました。
本書を読んで「雑談」というものについての認識を改めることができて良かったと感じています。
私が雑談が苦手な理由は「目的のない会話」が不得意だからです。
「雑談とは目的のない会話でなければならない」とさえ考えていた節があります。
本書のおかげで、世界のビジネスマンは、雑談のためにも目的をもって事前に準備していることを知ることができました。
私には雑談のために準備をするという発想すらありませんでした。
しっかりと目的を持って挑めば、雑談にも意味を見出して実りあるものに変えられそうな気がします。
苦手だと思っていた雑談に希望が持てる内容でした。

お互いの心理的安全性を高めてラポールを作る方法は、以前紹介した著者の本にも詳しく書かれていますので参考にしてください。

【要約】『心理的安全性 最強の教科書』メンバーが互いを高め合える最高の成果を出すチームづくり

本書は、雑談をビジネスに活用するための方法を伝授してくれるものですが、「相手のプライベートに、いきなり踏み込まない」など、雑談のNGポイントも教えてくれます。
相手を不快にさせる発言を避けることは大前提なので、必ず押さえておきたい内容です。
この点も含め、すべて習得してなせる技が「世界の一流がする雑談」です。
すべてを習得するためには本書を実際に手に取り読んでいただくしかありません。
本書は、雑談に苦手意識を持っている人が読めば目から鱗が落ちる気持ちになるでしょう。
ビジネスでより多くの成果を出したいと思っている人は必読と言っても過言ではないオススメの内容です。