【要約】『1万回生きたネコが教えてくれた 幸せなFIRE』自分がやりたい仕事の見つけ方

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キャリア・資産運用

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タイトル1万回生きたネコが教えてくれた 幸せなFIRE
発行日2024年9月30日 電子書籍版発行
発行所徳間書店
著者ヒトデ
著者情報は、上記リンクからご確認ください。

私は、本書の著者であるヒトデさんの別著『「ゆる副業」のはじめかた アフィリエイトブログ スキマ時間で自分の「好き」をお金に変える!』を読んでブログを始めました。
先日、Xで本書に関するポストを偶然見たことで縁を感じ、ブログで紹介したいと思いました。

ヒトデさんは、20代でFIREを達成した若きカリスマ。
そんな著者が贈るFIREの真実とは…?

FIRE、それは魅惑の響き♪

そう思い、本書を手にすることにしました。

オススメしたい人

  • FIREを目指している人
  • 仕事が辛くて辞めたいと思っている人
  • 仕事選びでしくじりたくない人
  • 自分にとっての「幸せ」を考えたい人

学べること

本書では、「幸せなFIRE」について学ぶことができます。
「幸せなFIRE」とは、ただFIREをすることとは違います。
また、本書はFIREを通じて「仕事とは何か」を知る本でもあります。

FIREとは、Financial Independence, Retire Earlyの略です。
日本語では、「経済的な自立と早期の退職」と翻訳されます。
多くの人が、嫌な仕事から逃れるために投資や貯蓄によりFIREを目指します。
しかし、FIRE生活を手に入れた、その後は?
実は、多くの人がまた「仕事」を始めているといいます。
その理由は、何なのでしょうか?

本書では、FIREを通して「仕事」の本質に迫ります。
「FIREを目指してないよ」という人にもおすすめです。

本書の物語の主人公は、25歳の男性。
大企業に勤めてはいますが、毎日の仕事が辛くて仕方ありません。
FIREを目指してインデックス投資で毎月5万円を積み立てています。
そんな主人公のところに一匹のかわいらしいネコが訪れます。
言葉をしゃべる不思議なネコは、「FIREする方法」を知っているといいます。
主人公は賢いネコに教えを乞い、そうして一人と一匹の奇妙な関係がスタートします。
果たして、主人公はFIREできるのでしょうか?…それとも?

ここでは、本書の内容について、私の解釈で簡単にまとめています。

「本当に必要な生活費」を知る

FIREを達成するために必要な資産を知るためには、「4%ルール」が1つの目安となります。
毎年、資産運用額の4%未満を切り崩すと30年以上が経過しても資産が尽きる確率が非常に低いという考え方です。
生活費を資産の4%以内に抑えれば、運用益だけで生活ができることになります。
つまり、どれくらい貯めればFIREできるかを知るためには「本当に必要な生活費」を知らなければなりません。
投資分を除いた毎月の生活費を書き出してみましょう。

最低限の必要な生活費を知るためには、節約も不可欠です。
自分が「何を大切にしているか」ということを考えて、支出の「優先順位」を決めましょう。
そのためには、「自分の価値観」をしっかり持つことが重要です。

人間は、「わからない」という状態に不安を感じます。
ゴールが定まらないままお金を稼いでも、ずっと不安なままです。
自分がいくらあれば生活ができるかを明確にできるだけでもスッキリすることでしょう。

投資「だけ」ではFIREはできない

「投資なくして、経済的自由はありえない」ということは、よく言われることです。
ここでは、投資「だけ」ではFIREはできないという話をします。

仕事を辞めることができない

「○千万円の資産ができたら仕事を辞める」と言う人は多いです。
しかし、そう言って本当に辞める人は一握りです。

人間には、損失を過大評価する性質があります。
プラスの感情値よりマイナスの感情値の方が大きいのです。
たとえば、100万円をもらった喜びより100万円の損失の衝撃の方が大きく感じます。
これを損失回避といいます。

FIREを開始すれば生活のために資産を切り崩していくことになります。
損失回避によって、資産が減ることに大きな恐怖を感じてしまいます。
何かしらの理由をつけて、なかなか退職を決断できません。
そして、年老いてから仕事を辞めてしまい後悔するのです。
「若いうちにしておくべきことがたくさんあったはずなのに、もう取り返しがつかない…」と。

仕事を辞めても不安で再就職してしまう

資産形成に成功して若くしてFIREを実行できる人もいます。
しかし、楽しいFIRE生活はいつまでも続きません。

株式市場が大暴落すれば自分が持っている資産も減ります。
FIRE生活を開始すれば資産運用だけが収入の柱となります。
「いつまでも暴落が続く可能性は低い」といわれていますが、それは過去の実績からいわれていることであり、これからどうなるかはわかりません。
そして、不安に耐えかねて再就職する人がたくさんいます。

 
このように早くFIREをしても、収入源が資産運用だけでは不安があります。
しかし、盤石を求めると時間がかかり過ぎてしまいます。
これが、「投資だけではFIREはできない」理由です。

そもそも資産形成のためには、仕事で稼いだ種銭が必要です。
FIREをしても、しなくても「仕事」が重要な位置づけにあることに変わりありません。

「仕事を頑張る」以外について考える

「仕事」以外でFIREを目指す方法もあります。

  1. 極端な節約
  2. ギャンブル的な投機で稼ぐ

2つの方法があります。
1つずつ見ていきましょう。

極端な節約

FIREの状態が「資産所得 > 生活費」であるなら、生活費を極端に下げることで実現可能です。
生活費が少なければ、必要な資産額も少なく済みます。
生活費次第では、資産が無くても月に数回のアルバイトで暮らしていくこともできます。
最初で考えた「本当に必要な生活費」を極限まで切り詰めればはじめられる可能性はあります。
しかし、極端な節約生活は、お金を使うことで満たされることよりも自由な時間を優先する揺るがない価値観がなければ長続きせず失敗するでしょう。

ギャンブル的な投機で稼ぐ

株の信用取引やFX等の投機で資産を増やす方法もあります。
ハイリスク・ハイリターンに勝利することで資産をすごく増やすことができます。
そして、そこからFIREにシフトしていくケースです。
実際、毎月の給料をこつこつインデックス投資に回すよりもFIREをしている人の比率は高いです。

他方で、投機にチャレンジして破滅する人は非常に多いです。
成功する人は、ごくわずかな超レアケースです。

運の要素だけでなく、一部の才能のある人しか勝ち続けることができない難しい道です。

「リスク」について考える

ここでは「ギャンブル的な投機で稼ぐ」方法はおすすめできません。
しかし、FIREを目指す以上は、リスクを取ることは必要です。
リスクについて考えていきましょう。

インデックス投資でFIREを目指すリスク

インデックス投資が優れた投資法であることは間違いありません。
しかし、インデックス投資の5~7%のリターンでは、時間がかかり過ぎて大金に届きません。
過去の実績から長期目線で見れば負けにくい投資法です。
ですが、その実績もたかが50年の話であり、今後もそうなる保証はありません。
ただ失敗しない確率が高いだけです。
万が一うまくいかなかったとき、あなたは諦めるのでしょうか?
堅実な投資だとしても、それにすべてを賭けてFIREを目指すことはギャンブルに他なりません。

もっとリスクを

FIREは、普通の人ではなかなかできないことです。
それを成そうとしているならば、もっとリスクを取らなければなりません。
ですが、「ギャンブル的な投機」などで取るお金のリスクではいけません。
リスクは「仕事」で取りましょう。

仕事でリターンを増やすためには、転職、副業、起業といった選択肢があります。
いまより高いリターンを得るためには、新たな挑戦が不可欠です。
たとえば、転職、副業、起業に必要なスキルの習得です。

新たなスキルの習得には、時間がかかります。
もちろん、必ずうまくいく保証はありません。

「無駄になるかもしれないけど、頑張ってみる」

これが、「仕事」で取るリスクです。
うまくいけばリターンとして圧倒的にお金が入るようになりFIREに近づくことができます。

どんな人でも必ず失敗を経験する

初めてやることは、一発で成功しないのは普通のことです。
どんな人でも新しいことにチャレンジすれば必ず失敗を経験します。
当たり前のように失敗しながら段々とできるようになればいいのです。

失敗したとき、失敗自体が問題になることはありません。
大事なのは、失敗した後の行動です。
そこで諦めるか、次のうまくいく方法を探すのか、それだけです。
まずはやってみましょう。

「仕事」について考える

FIREを達成しても、結局多くの人が「仕事」をします。
ここでは、その理由について説明します。

FIREを達成しても「仕事」をする理由

FIREを達成してお金と時間があっても解決できない重大な問題が発生します。
その問題とは、次の4つのことが不足することです。

  1. 社会とのつながり
  2. 目的や目標
  3. 日常の刺激
  4. 自己実現感

ですが、この問題をまとめて解決できる方法があります。
それが「仕事」です。

FIREを達成した人たちは、FIREすること自体が目的だったわけではありません。
FIREを通して「幸せになること」が目的だったのです。
人間とは社会的な生き物であり、仕事を一切しないと自分の存在意義を見失ってしまいます。
FIREしても、自分の存在意義を感じるためにまた仕事をはじめるのです。

「仕事」の本当の意味

多くの人が、仕事を「誰かに言われて我慢してやること」と誤解しています。
仕事とは「社会の誰かの役に立つこと」であり、とても尊い行為なのです。

FIREするためには、結局仕事を頑張る必要があります。
どうせ頑張るなら嫌な仕事ではなく「自分がやりたい仕事」を頑張ることを提案します。
仕事が楽しいものなら、FIREは必要なくなるかもしれません。

もちろん「自分がやりたい仕事」で稼ぐことは簡単なことではありません。
しかし、FIREのために数年で数千万円の資産を築くことに比べれば実現の可能性は高いといえます。

「自分がやりたい仕事」の見つけ方

「自分がやりたい仕事」を頑張った方がいい。
そう提案されて、次のように思ったのではないでしょうか。

その「自分がやりたい仕事」がわからないんだよ。

「自分がやりたい仕事」を見つける方法はあります。

FIREした後にやる仕事を考える

自分が、FIREして3年くらい好きに遊んだあとだと想像してください。
嫌というほど遊んでのんびりしたあとにしたくなることを考えてみましょう。
「社会の誰かの役に立つこと」をしていれば、どんなことでも立派な仕事です。

お金を第一に考えない

間違えてはいけないのは、仕事とは「社会の誰かの役に立つこと」です。
そして、お金はその対価です。
この前提からいって、お金を第一には考えないようにしましょう。
社会的評価についても同様です。

「やりたいこと」ではなく「やりたい行動」を考える

仕事を職種だけで選ぶと失敗します。
職種としては好きだとしても、実際に毎日やることは業務です。
業務内容を好きになれなければ後悔することになります。
つまり、考えるべきは「行動」です。

「これだけならずっとやっていたい」
「やれと言われていないのに、ついやってしまう」

そんな「自分がついやってしまう行動」はありますか?
どんな遊びが好きですか?
どんな行動をして褒められましたか?
過去を振り返り、自分の内側を探ってみましょう。

「自分がついやってしまう行動」を仕事にする勉強

まずは世の中にどんな仕事があるかを調べて知識をつける必要があります。
「自分がついやってしまう行動」を活かせる仕事が見つかるかもしれません。
もし、その仕事に就くために足りないスキルがあれば身につければいいのです。


FIREするために嫌な仕事を頑張るのではなく、FIREしたあとにやりたくなるような楽しい仕事を、今からはじめましょう。

読んだ感想

本書を読みながら私は、こう思いました。

この物語の主人公は、自分。

もちろん、名前や年齢や仕事など些細な違いはあります。
しかし、驚くことに大きな共通点があったのです。
インデックス投資をして「なんとなくFIREしたいな」と思っているところ。
ネコではありませんが1冊の本が訪れて、FIREについて教わるところ。
これらがまったく同じだったのです。
この本を自ら手に取った人なら誰でも主人公に共感しながら読めると思います。

本書は、タイトルにあるとおりFIREの本。
FIRE達成のポイントをしっかり教えてくれます。
FIREの形にも色々なパターンがあることがわかります。
成功例、そして失敗例も。

FIREを達成することがゴールで、その後はずっと楽しく暮してるイメージでした。

本書はFIRE達成方法をテーマにするだけでなく、FIREを成し遂げた先にも焦点を当てています。
そして、そのFIREの先にあるものこそが本書の最重要テーマとなります。
それこそが、「仕事」です。

仕事を頑張った先にあるのがFIRE、FIREを楽しんだ先にあるのが仕事…え?

これが、はじめから「仕事をテーマにした本」と知っていたら手に取っていたかは疑問です。
表紙の『きみの仕事は誰のため?』や『「働き方」の教養小説』という文字は見えていました。
しかし、それらが気にならないほどに「FIRE」という言葉に釣られました。

本書の主人公もおそらく同じタイプ…と勝手に思っています。

しかし、「FIRE」に釣られたおかげで本書に巡り合えたわけなので嬉しい誤算でした。

本書で提案される「仕事」の本質は、FIREを達成した人の視点だからこそ見えるものだと思います。

それをFIREをせずに知ることができる本書は、なんといいますか…とってもお得。

就職活動中の人やこれから就職活動をする人は、本書の学びを100%活かすチャンスがあります。
このチャンスを逃す手はありません。
本書の存在を知ることができた幸運に恵まれながら本書を読まないことは、幸運を自ら手放すようなものです。

たった一度の人生で長い時間を費やす仕事のこと、ちゃんと知りたいですよね。

就職活動中の人やこれから就職活動をする人が身近にいる人は、本書のことを教えてあげください。
ちゃんと読んだ人からは一生感謝されるはずです。

私も感謝されたい。

「それなら、就職活動中の人やこれから就職活動をする人以外は、おすすめじゃないの?」
そのように思われる人もいるかもしれません。

そんなことありません。
めちゃくちゃおすすめです。

本書には、「今日が人生で1番若い日」という言葉が登場します。
これは、本書の主人公が見ている投資系動画チャンネル「リボ払い絶対ダメ大学(通称:リボ大)」の学長の言葉です。

イラストがないので、どんなお姿なのかはわかりません。
ですが、不思議とライオン顔のマッチョなイメージが頭に浮かんできます。

人生で1番若い日に本書を知ることができたことに感謝しましょう。
実際、人生100年時代といいます。
まだまだ長い道のりの途中、学んだことを使える機会は数えきれないほどあるはずです。
「起業や転職は、ちょっと厳しいんだよね」という人も、副業やリタイア後の仕事選びに役立ちます。
本書は、行動する意欲を与えてくれます。

本書は物語形式であるため、普段本を読む習慣がない人でも読みやすいと思います。
ストーリーテリングの効果で大切なことを深く理解することができるでしょう。

FIREについてネコと師弟の関係になった、この物語の主人公。
学びの末に目指すFIREではない「幸せなFIRE」とは?
そして、一人と一匹が迎える感動のラストとは?

それは是非、本書をご覧になりご自身でお確かめください。
本書の学びは、あなたの人生を彩り豊かにすることに役立つでしょう。

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