本書の概要
仕事ができる人になる唯一の秘訣ーー「当たり前にやるべきこと」を実行する。
スキルの高さや、頭のよさは関係ない。
本書は、あらゆる業界・業種に共通する「仕事の王道」を教えてくれる。
それは「自分の人生をコントロール」すること。
仕事ができる人になれば、プライベートを充実させることもできる。
そのために自分が思う「当たり前」を変えよう。
主要なポイント・学び
タイトル | : | コンサル時代に教わった 仕事ができる人の当たり前 |
発行日 | : | 2024年11月26日 プリント版第1刷発行 2024年11月26日 電子版発行 |
著者 | : | 西原 亮 |
発行所 | : | ダイヤモンド社 |
詳細 | : | コンサル時代に教わった 仕事ができる人の当たり前 |
仕事の基本ーーやろうと思えば誰でもできる次のことを愚直に実行し続ける。
- 仕事のゴールを明確にする
- 優先順位を決める
- 効率的にタスクをこなす
- 適切なタイミングでコミュニケーションを取る。
仕事ができる人の上昇ループーーどんどん大きな成果を出すとともに、自分を成長させ続ける。
- 責任を果たす
- 信頼を獲得する
- 責任範囲を拡大させる
「仕事ができる人」への第一歩ーー「当たり前」に対する意識を変える。
「当たり前」ができなければ誰の信頼も獲得できず仕事を任せてもらえない。
しかし「当たり前」の行動を具体的に教えてくれる人は少ない。
どうすればいいか?ーー心配はいらない。
本書は、あなたが「仕事ができる人」になるための「行動や考え方」を教えてくれる。
「わかったふり」をしない
なぜそれが重要かーーわからないことが出てきたらチャンス。
疑問を解消することでコミュニケーションがスムーズになる。
相手からの信頼も高まる。
仕事を進めて時間が経てば経つほど知らない情報が山積していく。
そうならないように1つ1つを理解し続けなければならない。
わからないことを放置することは、完全な悪。
「わかったふり」は、相手から見透かされる。
コミュニケーションに支障が生じる。
「わかったふり」は「聞くこと」より迷惑。
徹底的に自分の疑問点を解消する。
「わからないので教えてください」。
素直にお願いすることが大切。
「不要なもの」を削ぎ落す
なぜそれが重要かーー世の中の仕事には無駄が多い。
無駄なことに時間を使うと本来生み出すべき価値が低くなってしまう。
「どうしたらサボりつつ、求められる成果を出せるか?」を考える。
たとえば、次のように仕事の関係者と一緒に「不要なもの」を決める。
- キレイな資料はいらない
- 対面ではなくオンラインでいい
少しのコミュニケーションで資料作成や移動時間などを削減できる。
いきなり手を動かさない。
仕事の方向性等「必要なこと」を事前に関係者と認識を合わせる。
事前に自分が作業する内容を限定し、無駄な作業を削ぎ落す。
そうすれば迷いも削ぎ落される。
結果、仕事の品質も生産性も高まる。
再現性のある仕組みをつくる
なぜそれが重要かーー大半のビジネスパーソンはフィードバックを活用できていない。
たとえば、上司から仕事の改善点を指摘されても次も同じ失敗をする人がいる。
フィードバックを活かすためには「再現性」を生むための仕組み化が必要。
「再現性」を生むための仕組み化のコツーーノートを使う。
- フィードバックをもらったらノートの左側に書く
- 改善ポイントを考えて、ノートの右側に書く
- フィードバックをくれた相手(例:上司)に見せて確認してもらう
漏れなく再現性のある仕組みをコツコツ積み上げることで仕事ができるようになる。
まずは言葉を定義する
なぜそれが重要かーー意見の相違や誤解を減らすことができる。
それにより効果的なコミュニケーションが可能となる。
言葉を定義すれば全員が同じ情報に基づいて考え、行動することができる。
達成すべき目標がより具体的になり、成果を測定しやすくなる。
「言葉の定義」はどんな仕事でも大切なポイントである。
TODOを明確化する
なぜそれが重要かーーやるべきことが具体的になれば仕事の切れ目がわかりやすくなる。
成果が明確になれば仕事の充実感が高められる。
「自分は何をしているのか?」と不安に苛まれることもなくなる。
今週のTODOが明確であり実行できた場合、次の効果が期待できる。
- 気持ちよく休日を過ごせる
- 会社に貢献していると実感できる
- 会社から評価される
仕事の関係者とTODOを共有すれば齟齬がないかを確認することができる。
TODOを明確化する方法ーー仕事を実行可能な単位まで分解する。
そのために次の3ステップが必要となる。
- 最終ゴールを設定する
- TODOを洗い出す
- TODOを実行する
ステップ1:最終ゴールを設定する
なぜそれが重要かーーゴールが不明確だと「何をどこまでやったらよいか」がわからない。
これはTODOのボリュームに大きく関わる。
だから、ゴールを適切に決める必要がある。
曖昧な指示に対するゴールの決め方ーーいつまでに何を成果物としてどうすればいいかを決める。
次の4つの問いで効率よく確認しよう。
- 成果物の中身は何か?
- 成果物の形式(フォーマット等)は何か?
- 期限はいつか?
- どのような手順(進捗状況の報告先や成果物の提出先等)か?
ステップ2:TODOを洗い出す
なぜそれが重要かーーゴールに到達するためには道筋が必要。
TODOを洗い出すということは、その道筋をつけることである。
TODOを洗い出す3つのポイントがある。
- TODOに漏れがないか確認する
- 自分が実行できる具体的な行動の内容になっているか確認する
- 行動の不明点と解決方法を考え、その行動をさらに細かいTODOに分解する
TODOが自分が行動可能なレベルになっていることが非常に重要。
TODOを洗い出す際には、さらに細かい注意点がある。
- 随所にある「確認する」のTODOは、確認先ごとにまとめて一括で行う
- 実行するうえで起こり得る障害を洗い出し対策を考えておく
ステップ3:TODOを実行する
なぜそれが重要かーー仕事を進めるうえで厳守すべきは期日(締め切り)。
効率よく仕事を進めるためには「優先度をつける考え方」が非常に重要。
実際の仕事の優先度は、重要度と緊急度だけでは整理できない。
次の点に絞って考えることで正しく優先度をつけることができる。
- 目的達成に直結するTODOを優先する
- 依存関係を考慮して優先度を決める
(AをやるためにはBが完了している必要があるので、Bを優先する)
スケジュール管理が大事ーー大量のTODOを生産的にこなすために必要となる。
おすすめは、次のようにスケジュールを2種類つくること。
- いつ何があるか(例:会議、移動)
- いつ何をするか(例:作業、準備)
スケジュールを徹底厳守するーー仕事ができない人は「時間に行動を割り振る」。
そのため、2時間で終わる仕事に5時間も6時間もかける。
スケジュールを押さえていないため、常に「やらなきゃ」というストレスを抱えて過ごす。
仕事ができる人は、仕事ができない人とは逆で「行動に時間を割り振る」。
仕事に2時間を割り振ったら2時間集中してやる。
そして、スケジュール外の行動については考えない。
頭の中を整理するノート術
なぜそれが重要かーー仕事は早くなり、思考は整理され、自分を成長せることができる。
ノートを使って、毎日の「TODO」「アイデアや学び」の振り返りを効率化する。
記憶をノートに移すことで思考に使える脳のリソースを増やすこともできる。
その方法は「A4ノートをヨコに使う」。
使い方のポイントは、次のとおり。
- 1日に見開き1ページを費やす(空白だらけでも、もったいないと思わない)
- 見開き上ページに本日の「TODO」「TODO実行の障害」「振り返り」を書く
- 見開き下ページに会議のメモ等の「その日に起きたこと」を書く
人は振り返り、改善することで成長するーーそれができるのは自分だけ。
1日の終わりに消化できなかったTODOがあれば、その原因と対策を考えて書く。
大切なことはノートを裏側から使って書くーーアイデアや気づきを後ろから書き留める。
ノート1冊に「乗り越えた日々」と「アイデア等の大切なこと」を蓄積できる。
そして、いつでも容易に振り返ることができる。
仕事以外でお金を稼ぐ
なぜそれが重要かーー人生は仕事だけではない。
お金のためにスキルアップや昇進にこだわり、視野が狭くなってはいけない。
お金は目的ではなく人生をより良くするための手段でしかない。
実現したい自分の人生の目標に対する仕事の位置づけを考えよう。
仕事ができる人は、仕事はお金を稼ぐための1つの手段と考える。
お金を稼ぐ方法は、次の5つである。
- キャリアアップ(昇進、転職など)
- 副業(得意なことを活かす)
- 会社設立(ビジネスモデル、人を活かして稼ぐ)
- 投資(お金やモノを活かして稼ぐ)
- 相続
副業、会社設立、投資ーー会社に依存しないために必要な行動。
経済的、心理的に自立することができる。
レバレッジをかけるーー業務で培った知見や能力を効果的に活用する。
自分の稼ぎ方の幅を広げよう。
レバレッジをかけるタイミングは早ければ早いほどいい。
本業以外で稼ぐ手段に早めにチャレンジしよう。
まとめ・感想
「仕事ができる人になる」とは?ーー仕事とは、人生の大部分を費やすもの。
仕事ができる人になることは「仕事人間」になることではない。
仕事ができる人になれば、仕事の悩みのほとんどをすぐに解決することができる。
仕事ができる人になれば、仕事の時間を最小化することができる。
転職やフリーランスになる等の人生の幅が広げることができる。
趣味などのプライベートを充実させてもいい。
「仕事ができる人になる」ことは「自分の人生をコントロールできる人になる」ということ。
本書には「もっと仕事ができる人になるための読書リスト」という付録がついている。
そこで、ブロニー・ウェアさんの「死ぬ瞬間の5つの後悔」が紹介されている。
死を覚悟したとき、後悔しない生き方をして欲しいという著者の思いを感じる。
そのために著者は、苦労して身につけた「仕事の当たり前」を披露してくれている。
本書には、仕事術を通して人生を豊かにするための優しさが込められている。