【要約】『コンサルが「最初の3年間」で学ぶコト 知らないと一生後悔する99のスキルと5の挑戦』

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イントロダクション

タイトルコンサルが「最初の3年間」で学ぶコト
知らないと一生後悔する99のスキルと5の挑戦
発行日2023年2月10日 初版第1刷発行
2023年3月31日 初版第9刷発行
発行所ソシム
著者高松 智史
著者情報は、上記リンクからご確認ください。

コンサル…コンサルタントと言えば、思考を武器にお金を稼ぐ人たち。

かなり頭が良くないとできないイメージがあります。

きっと、自分にはそんな厳しい世界で生きていくのはムリだと思っています。
しかし、コンサルタントの人たちが普段、どんな風に仕事をしているのかには非常に興味があります。
そう思っていたところ、目についた本書のタイトル『コンサルが「最初の3年間」で学ぶコト』。
表紙には「コンサルに入社せずとも良くなる一冊!」とあります。
コンサルタントの世界に飛び込まなくても良くて、しかも、貴重な「入社してからの3年間」に学べるコトを知ることができるなんて、なんとお得な本なのでしょうか。

これは、読むしかありません!

そう思い、私は本書を手にすることにしました。

オススメしたい人

  • コンサルタントを目指している人
  • コンサルタントの仕事に興味がある人
  • 最高のビジネススキルを身につけたい人
  • 就職活動中の人
  • 新社会人

学べること

本書は、コンサルが「最初の3年間」で学ぶ思考と心得「濃い技術」を学ぶことができます。
この「濃い技術」は、コンサルだけでなく、すべてのビジネスパーソンにとっての最高のビジネススキルです。
その数、なんと104個。
ここでは、その中から私が厳選したスキルのいくつかを私の解釈で簡単にまとめています。

本書に掲載されるスキルは、ビジネスパーソンが身につけなければならないスキルとしては、すべてが甲乙つけがたいものです。
本書は、「コンサルが最初の3年間で学ぶこと」を1冊の本に凝縮しているわけですので、質も量も実に「濃い」です。
スキル1つ1つの解説には、読み手が内容を思考しながら読めるように設計されています。
また、本書は1年目から2年目、3年目……と知識と経験を積み重ねて繋がる物語でもあります。
1年目を省略して2年目に突入することはできません。
積み重ねていく順番も大事です。
そのため、正しい順序でスキルを習得していくためには、本書を購入して読むことが必要です。

VS思考

VS思考は、何かを考えるときに使える手法です。
「○○ VS ○○」で示されると、人は勝手に選んでしまうことを利用した思考方法です。
本書の章は、すべて「○○ VS ○○」で書かれています。
そのため、VS思考を自然に身につけることができます。

「構造」が主役の話し方

中身ではなく外見を整える
てっとり早く人に良く思って欲しいのなら内面よりも他人に見えやすい外側である行動から磨くべきです。
そのために、まずは話し方を変えていきましょう。
そして、話し方についても、まず整えるべきなのは外側です。

話し方で意識すべきことは2つあります。
1つ目は「構造」、2つ目は「値(中身)」です。
まず自然とやれるようになるべきなのは、「値(中身)」よりも「構造」が主役の話し方です。

ありきたりな質問である「趣味は何ですか?」に対しての話し方について例を示します。

良い例:
「私の趣味は大きく3つあります。1つ目は~。2つ目は~。3つ目は~です。」
悪い例:
「私は、~が趣味で、それ以外に~、あと~があります。」

良い例は、構造を主役にした「構造が”先”、値(中身)は”後”の話し方」です。
悪い例は、値(中身)を主役にした「値(中身)が”先”、構造は”後”の話し方」です。

どちらの話し方が相手から仕事ができそうだと思ってもらえるかは、一目瞭然ですね。
プライベートで使うとやや嫌われそうですが、仕事では「構造が主役の話し方」を自然と使えるようになってください。

また、これも重要なことですが、何か3つ以上のことを伝えるときは、順番に意味を持たせましょう。
例えば「趣味に時間をかけている順」等です。
順番に意味を持たせて伝えることが構造の役目を果たし、相手に伝わりやすくなります。


「カテゴリー」で構造を示す話し方
上記の話し方は「数で構造を示す話し方」でした。
相手は「大きく3つあります」と言われることによって「3つ話がある」と身構えることができます。
しかし、この話し方には、どんな話が来るかわからないという欠点があります。
ここに進化のポイントがあり、改良したのが「カテゴリーで構造を示す話し方」です。

「カテゴリーで構造を示す話し方」は、数で構造を示す話し方の上位互換です。
ここでも「趣味は何ですか?」に対しての話し方について例を示します。

良い例:
趣味はアウトドア、インドア、それぞれあります。
アウトドアは、~です。
インドアは、~、~があります。

構造をカテゴリーで括ることによって、これから話す内容を相手が想像しやすくなっています。
「カテゴリーで構造を示す話し方」が最強です。
「数で構造を示す話し方」とあわせて日常で使い倒し、ぜひ身につけてください。

アウトプットを作る6ステップ

アウトプットを作る6つのステップ
アウトプットを作るために「必ず」通らねばならないステップは、6つあります。

(1) 論点 論点をもらう。上司から言われたことは、一字一句アレンジせず、そのまま「活字に落とす」。
(2) サブ論点 論点を分解して、サブ論点を立てる。
(3) TASK サブ論点毎にTASKを考える。
(4) スケジュール TASKをこなしていくスケジュールを立てる。
(5) 作業 TASKをこなす作業をする。
(6) アウトプット アウトプットができあがる。

それぞれのステップの頭文字をとって「ロ→サ→T→ス→作→ア」と覚えましょう。

何か仕事をする場合、現在「どのステップをやっていて」、「前のステップが飛んでないか」をチェックすることが重要です。
例えば、論点ベースで仕事が振られず、TASKベースで仕事を振られることもよくあると思います。
しかし、論点を分解してサブ論点を立てずにTASKを作って作業に入ると「期待とは程遠い」アウトプットを生んでしまう危険があります。
この場合、「ロ→サ」を自らやってから「T」をやるというプロセスをしなければいけません。

アウトプットを作る3つの成果物
「ロ→サ→T→ス→作→ア」のそれぞれのステップ毎に作成するものが異なります。

(A) 論点スライド (1)論点 +(2)サブ論点 で構成
(B) ワークプラン (3)TASK をメインに (1)論点 +(2)サブ論点 も記載
(C) WBS (3)TASK +(4)スケジュール で構成

皆さんの上に上司がいる立場であれば、「ロ→サ→T→ス→作→ア」のステップを進める度にチェックしてもらうことになります。
「期待とは程遠い」アウトプットを生まないように注意しましょう。

(A)論点スライド
論点を解くために「どんな問いをとけばいいか?」と自分に問いかけ、誰かに見せるかのようにPowerPointで書いたものです。
(1)論点 +(2)サブ論点 で構成します。

(B)ワークプラン (TASK)
「論点、サブ論点を解くために必要なタスクとは?」と自分に問いかけ、作ったものです。
(3)TASK をメインに (1)論点 +(2)サブ論点 も記載します。

(C)WBS (ワーク・ブレイクダウン・ストラクチャー)
TASKが決まったらスケジュールを組みます。
「誰が?」「いつまで?」と自分に問いかけ、作ったものです。
(3)TASK +(4)スケジュール で構成します。

「6つのステップ」「3つの成果物」をセットに規定します。
これらを重視すると働き方を変えやすくなります。
その後に、中身/質を上げていくことを論点にしていきましょう。

ケース設計
どのように論点に立ち向かっていくかを考えなければなりません。
これをケース設計と呼びます。
また、ケース設計には、次の2種類があります。

ハードケース
どちらかと言うと定量分析が軸になるようなケースです。
例:「売り上げを2倍に上げるには?」

ソフトケース
どちらかと言うと定性分析が軸になるようなケースです。
例:「本組織を活性化させるためには?」

ハードケースでは、定量的なゴールが作りやすいです(売上2倍 等)。
ソフトケースでは、アンケートやインタビューなどをメインの材料に仮説を構築しなければならず、それ故にゴール設定も相当難しいです。
一般的にソフトケースは、ハードケースの3倍難しいとされます。

そのため、ケース設計のゲームプランとしては、どうにかハードケースにできないかを模索しつつ、ソフトケースの要素を入れていくことが正解です。
ですが、最初は自分の得意な方に持ち込むようにしましょう。

評価基準・評価結果

何かを比較するとき、メリット・デメリットで考える人は多いです。
しかし、これには落とし穴があります。
それは「評価基準」が埋もれてしまうことです。

何かを比較するときに最も大事であり頭を使うべきことは「評価基準」です。

①評価基準を明確にする。
②評価対象をそれぞれの評価基準で評価する。
③各評価基準毎の評価結果を参考に比較する。

例えば、評価対象A、評価対象B と比較したいものがあった場合、次のような図になります。
それぞれの評価基準(1~3)に対して評価します。

評価対象A評価対象B
評価基準1
評価基準2
評価基準3

実際にやってみた例は、記事の最後に掲載しました。

議事録進化論

ビジネスを進める上で欠かせないものが議論です。
そして、議論した結果をちゃんと書き留め、全員に配り、共通認識を持たせるために「議事録」は重要です。
しかし、「議事録」をちゃんと書ける人は、少ないです。
逆に考えれば、ビジネスパーソンにとって議事録をちゃんと書くことができることは大きな武器になります。
なぜなら「議事録」とは、思考を進化してくれる唯一無二の「インプット」となるからです。
良いインプットが無いと何も始まりません。

議事録には、次の3種類あります。

1種類目 発言録
2種類目 議事録
3種類目 議事メモ

ここで結論を言ってしまうと、我々が作れるようになりたいのは、3種類目の「議事メモ」です。
「1種類目 発言録→2種類目 議事録→3種類目 議事メモ」となるにつれて議事録としてのレベルが進化していきます。
いきなり3種類目の議事メモの作り方を知るよりも、この進化の内容を知ることで段階を踏んで議事メモを理解することができます。

1種類目 発言録
会議の内容を時系列で構造化したものです。
誰が何を言ったのかを、漏らさずに書き起こします。

2種類目 議事録
狭義の議事録であり、会議の内容を「話しているテーマ」で構造化したものです。
議事録には、発言録からの3つの進化ポイントがあります。

1つ目の進化:構造化、MECE(特にダブりを無くす)

MECE(Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive)とは、コンサルタントが物事を考える軸や分類する軸として使う思考法の一つであり「漏れなくダブりなく」という意味です。

同じテーマはまとめ、議論に関係ない話は削除し、発言の意図を崩さないように文体を直します。
発言録と比べて、読みやすく、伝わりやすくなりますが質は変わっておらず価値は変わりません。

2つ目の進化:「ネクストステップ」を括りだす
会議とは、議論し意思決定し、物事を前に進めるためにあります。
ネクストステップとは「決まったこと×決まらないこと」であり、これを書いていきます。

3つ目の進化:その場の「空気感」を加味する
会議で生み出される「材料」は発言だけではありません。
読み手に、その場の「空気感」を合わせて伝えます。

例えば、誰かが「それには反対です。」と誰かの意見に反論したことが書かれていたとします。
しかし、反論した人の様子を加味するとどうでしょう。

  • 「間髪入れずに怒った顔で発言した」
  • 「意見を求められて悩んだ顔で発言した」

同じ言葉でも両者は同じ意味ではありません。

3種類目 議事メモ
「議論前に立てた論点ベース」で構造化したものです。
議事メモには、2種類目の議事録からの3つの進化ポイントがあります。

1つ目の進化:「構造化」を論点ベースで行う
2種類めの議事録は、会議結果を事後に整理する構造化したものです。
議事メモでは、事前に「参加者が議論したいこと」を論点ベースで構造化します。

2つ目の進化:「仮説の進化」に力点を置く
1つ目の進化により議論すべきポイントを立てました。
この問いに対し「こんな感じの答えかな?」と仮説を立てます。
特に、原因に対する仮説は大事な仮説です。
これを原因仮説と言います。
会議では、この原因仮説をもって臨み、ハイライトする形でまとめます。
そのことにより、事前に立てた仮説を検証した証拠になり得ます。
ただ議論を見返すためのものではなく、付加価値が増します。

3つ目の進化:「ネクスト論点」までも書かれている
ネクスト論点とは「次に解くべき論点は何か?」です。
2種類目の議事録では、ネクストステップで括りだしました。
ネクストステップとは、つまりTASKのことです。
これは、前述の「ロ→サ→T→ス→作→ア」に繋がる話です。
「(3)TASK」の前には「(1)論点」、「(2)サブ論点」が存在するはずですよね。
発言を「(3)TASK」としてではなく、「(1)論点」と捉えて書き記しましょう。
「(3)TASK」だけを捉えて次のステップに移るとズレる可能性が高いです。
そのため、書き示せるなら「(1)論点」のほうが美しいです。

「○○思考」の定義

ここで説明するのは、「論点思考」、「戦略思考」、「仮説思考」についてです。
この「論点思考」、「戦略思考」、「仮説思考」は、永遠に鍛え続けなければなりません。
そのため、それぞれについて正しく理解しておくことが必要です。

論点思考と戦略思考
論点思考とは、「問い」の世界の思考技術です。
戦略思考とは、「解」の世界の思考技術です。

論点思考は、「目的を達成するために解かねばならない問い」を考えます。
戦略思考は、「論点思考で練り込んだ問いに対するセクシーな解」を考えます。
「解」は「問い」から導き出すものであるため、戦略思考から始まることは絶対にありません。

仮説思考
巷では、仮説を「今、取り組んでいる問題」に対する、「今の時点で考え得る打ち手」という意味で使われることが多いです。
しかし、この定義では「課題」や「アプローチ」などを入れることができません。
仮説は、もっと広く捉える必要があります。

仮説とは、「検証されていない状態」を指すだけの言葉です。
仮説思考とは、「今、取り組んでいる問い」に対して「今の時点で与えられている情報で考え切るメンタリティ」です。
仮説思考とは、「今与えられている情報だけで考えてもしょうがない」とならず、全身全霊で分からないことは勝手に想像しながら考え抜くというメンタリティでしかないのです。


「論点思考」、「戦略思考」、「仮説思考」の相関関係
論点思考を行う際、与えられている情報が不足している場合であっても考え切る必要があるなら仮説思考を使います。
戦略思考を行う際、そのための材料が限定的である場合であっても考え切る必要があるなら仮説思考を使います。

「論点思考」、「戦略思考」、「仮説思考」の相関関係は、次のようになります。

「問い」の世界
論点思考
仮説思考
「解」の世界
戦略思考
仮説思考

読んだ感想

本書は、電子書籍が無かったので単行本で購入しました。
私は、紙の本だと「よし、読むぞ!」と気合を入れないと読めない質なのですが、まとまった時間をなかなか作れず、購入してから読み終えるまでにかなり時間が経ってしまいました。
夏季休暇のおかげで一気に読むことができました。

表紙の「”濃すぎた3年間”」のとおり大変読み応えのある内容でした。

本書では、コンサルタントが使う「思考を進化させる技術」、そして、それを一般的に使いやすいように確立した「作法」として学ぶことができます。

世の中には「○○について考えるの向いていない」と苦手な何かを持っている人もいると思います。
しかし、それは本当に向いていないのではなく「ただ知らないだけ」なのかもしれません。
本書を読めば、逆に得意になる可能性だってあります。

学んだ内容は、実際に使うとなると簡単ではなさそうですが、知って行動に反映しようとするだけで、きっと人生を良い方向に導いてくれます。
そう思えるくらい濃い内容でした。

本書は、コンサルタントを目指す人にはモチロンですが、これから社会人になる人全般にオススメしたいと思います。
書かれている内容に「Day0(デイ・ゼロ) VS Day1(デイ・ワン)」というものがあります。
「Day1(デイ・ワン)」は、プロジェクト等の仕事が始まる日です。
「Day0(デイ・ゼロ)」は、その日までの日です。
勝負所では「Day0(デイ・ゼロ)」の過ごし方がとても重要になるという話です。

これから社会人になる人にとっての「Day0(デイ・ゼロ)」は、入社日までの日です。
「コンサルが最初の3年間で学ぶコト」を知ってから入社日を迎えるか、知らずに迎えるかで大きな違いが出ることは間違いありません。
ぜひ大きなアドバンテージを持った状態で入社日を迎え、同期入社の人達に大きく差をつけてスタートして欲しいと思います。

モチロン、既に社会人をしている人にもオススメです。
社会人であれば「最初の3年間」の貴重さは知っていると思います。
あなたがコンサルタントじゃなければ、なおさら読むことに意味があります。
他業種の「最初の3年間」には、新しい発見があるはずです。
当然、本書の内容は、上記で紹介したスキルだけではありません。
本記事では触れていませんが、分かりっこない数字を常識・知識を基にロジックで計算する「フェルミ推定の技術」が私がイメージするコンサルぽくて好きです。

本書を読めば、きっと「コンサル思考と作法」を仕事に活かしてみたくなるはずです。
無理なくはじめる新たな挑戦は、仕事をちょっと楽しくしてくれるかもしれませんね。

高松 智史さんの他の著書についても記事を書いています。
【要約】『思考技術 「答えのないゲーム」を楽しむ』ビジネスや人生に圧勝したい人にオススメ

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