イントロダクション
タイトル | : | 読書脳 |
発行日 | : | 2023年9月10日 Sunmark Books 電子版発行 |
発行所 | : | サンマーク出版 |
著者 | : | 樺沢紫苑 |
著者情報は、上記リンクからご確認ください。 |
まず、本書のタイトル『読書脳』という言葉を見て、読書がもっと楽しくなったり、もっと学びにつなげる方法を知ることができるかもしれないと興味が湧きました。
また、本書には「読んだら忘れない読書術」という言葉があります。
せっかく読んだ本の内容、できるだけ忘れたくありません。
本書で、もっとプラスになる本の読み方、もっと楽しい本の読み方を知りたい!
そう思って私は本書を手にしました。
オススメしたい人
- 読んだ本の内容をすぐ忘れてしまう人
- 読書が苦手な人
- 読書が好きで、もっとたくさん本を読みたい人
学べること
読書は、人生を変える、最後の、そして「最強の切り札」です。
本書は、その切り札を得るために「本を読む習慣」を身につけるための方法を教えてくれます。
本記事は、本書の内容を私の解釈で簡単にまとめています。
ここでは、本書の内容のすべてに触れているわけではありません。
そのため、あなたにとって大切なことが省かれてしまっている可能性があります。
しっかり読書を習慣づけて自己成長を実感するためには、本書を購入することが必要です。
読書は人生に大切なものを全て与えてくれる
読書によって得られること1:結晶化された知識
「ネットがあれば本なんていらない」と言う人がいます。
読書から得られる内容は、体系化された「知識」です。
「知識」 は10年たっても古くなりません。
ネット、テレビ、新聞、雑誌、週刊誌などで得られる内容は大部分が「情報」です。
「情報」は、断片的であり知識の一部を知ることができても体系的に学ぶことができません。
また「情報」は、1年も経てば古くなります。
本は、既に著者が情報を分析し、整理し、体系化してくれていますので、直接本から学んだ方が効率的です。
本から得られる知識は、実践可能、応用可能で行動につながる、風化することがない「結晶化された知識」です。
もちろん、情報も大事です。
情報と知識のバランスをとっていくことが必要です。
読書によって得られること2:時間
1日の時間は24時間と決まっています。
時間は、使い方によって、成功できるか、幸福になれるかが全て決まってしまう重要なものです。
本を購入することで他人の経験(時間)を買うことができます。
本は、ありとあらゆる成功事例と失敗事例の集大成といえます。
何かを学んだり始めたいと思ったときに自分の時間を使って試行錯誤しなくても、本を読めば誰かが編み出した効率の良い上手なやり方や時間の節約術を知ることができます。
読書によって得られること3:仕事力
日頃から本を読み、自分の仕事や専門に関する知識・情報を頭にインプットしておけば、行動に移すときはアウトプットをするだけです。
インプットから始めようとする人に比べて大きな差をつけてスタートすることができます。
良質なインプットは良質なアウトプットを呼び、さらに自己成長は加速していきます。
読書でライバルに圧倒的な差をつけることができるのです。
とりあえずはインプットの量と質でライバルに勝たなくてはなりません。
仕事力をアップさせる方法が書かれた本は、書店に行けばたくさんあります。
読書によって得られること4:健康
人は過度なストレスを抱えると、目先のことしか考えられなくなり、頭に思いつく選択肢が減っていきます。
普段から本を読む習慣がない人は「本を読んで問題解決しよう」と発想することすらできません。
また、切羽詰まった状態では本を選ぶことも本を読むこともできません。
人間の悩み事というのは、だいたい共通しているものです。
悩みの解決法は、ほとんど全て既刊の本に書かれています。
悩みは、本に書かれている通りの方法を忠実に実践すれば、解決するか、少なくとも軽減することができます。
普段から本を買う習慣、本を読む習慣は、ストレスを緩和し、悩み事から解放してくれます。
読書によって得られること5:頭が良くなる
さまざまな研究によって、読書が「記憶力」「集中力」「情報処理能力」「共感力」「コミュニケーション能力」「創造力」などを鍛えてくれることが判明しています。
また、様々な情報や知識の「言語」から得ることによって「言語能力」を磨くことができます。
さらに、言語能力が高い人は、より効率的に情報や知識をインプットできるようになります。
脳科学研究では、人間の脳は一生成長し続けるとされており、大人になってからも能力を伸ばすことができます。
読書によって得られること6:人生における変化
1冊の本が、自分の進むべき道、将来の夢や目標に大きな影響を与えることはよくあります。
本には自分が一生かかっても体験できない、何千、何万という他人の経験が書かれています。
そこには自分にピッタリと合った自分の天職、自分の生き甲斐、自分の夢を見出す可能性は、非常に大きいです。
本をたくさん読めば、将来の選択肢を広げることができます。
読書によって得られること7:成長
読書の最終的な目標は、「自己成長」と「行動の変化」です。
「自己成長」が促進され、「考え方」だけでなく、実際に自分の「行動」が変化し、自分をとりまく現実が少しでもよくなるような読書をすべきです。
読書によって得られること8:喜び
本は、結局楽しければいいのです。
楽しむ読書でなければ自己成長は得られません。
楽しみながら読むからこそ記憶に残り、学びも大きく、自己成長につながります。
「読んだら忘れない」精神科医の読書術 3つの基本
精神科医の読書術 基本1:記憶に残る読書術
三度目の正直読書術
人間の脳には、毎日膨大な情報が流れ込んでいます。
そして、脳は入力された「重要な情報」以外のほとんどの情報を忘れるように作られています。
そうでなければ脳がパンクしてしまうからです。
脳に本の内容を「重要な情報」と判断させる方法には、2つの基準があります。
- 何度も利用される情報
- 心が動いた出来事
この2つを基準を用いた読書術について説明します。
三度目の正直読書術(何度も利用される情報):アウトプット読書術
さまざまな脳科学研究を集約すると、最も効果的な記憶術とは「最初のインプットから、7~10日以内に3~4回アウトプットする」ということが明らかになっています。
つまり、「何度も利用される情報」とは、1週間に3回アウトプットされる情報を指します。
具体的には、次の5つの方法があります。
- マーカー読書術
本を読みながら、メモをとる、マーカーでラインを引く。 - テレビショッピング読書術
本の内容を人に話す。本を人に勧める。 - ソーシャル読書術
本の感想や気づき、名言をX(Twitter)でシェアする。 - レビューライティング読書術
X(Twitter)やブログに書評、レビューを書く。 - 生グレープフルーツサワー読書術
本を読んだら必ずアウトプットすると決める。
この5つの読書術について詳しく説明します。
アウトプット読書術1:マーカー読書術
本を読みながら気に入った一説や「気づき」の一節にラインを引きます。
そして、読みながら自分の「気づき」や「疑問点」などをボールペンで本の余白にどんどん書き込んでいきます。
これだけで脳は何倍も活性化され、本の内容が記憶に残りやすくなります。
マーカー読書術:3行読書術
本を読みながら自己成長につながる「気づき」が得られた部分にマーカーでラインを引きます。
ラインを引く箇所は、あまり多すぎてはいけません。
その理由は、本当に重要なところがわからなくなるからです。
ラインを引くのは、1冊の本から3行くらいにしましょう。
3行ラインを引ければ「1500円の書籍の元がとれた」といえます。
アウトプット読書術2:テレビショッピング読書術
最も簡単なアウトプットは、「話す」ことです。
誰かに本について話す際、「おもしろい」「ためになった」を連呼してもダメです。
自分がマーカーでラインを引いた部分について、「気づき」を具体的にして誰かと共有しましょう。
このアウトプットを前提とするために読書のときから気をつけなければならないことがあります。
テレビショッピングでは、1つの商品に対して複数の切り口で商品を「お勧め」しているのを見たことがあるでしょうか。
人に本を勧める場合も同様で「複数の切り口」で紹介するように意識しましょう。
そのためには、複数の視点で本を読むことが必要です。
説明するためには、頭の中で本の内容を整理しなければならないため非常に高いアウトプット効果を得られます。
また、後述する「深読」の効果も高まります。
アウトプット読書術3:ソーシャル読書術
本を読んだら、SNSに感想をアップするようにしましょう。
SNSでアップするということは、第三者に見られることを前提にするため緊張感があり本の内容を必死に、そして真剣に思い出そうとします。
さらにSNSに投稿をすると、それに対して「いいね」されたりコメントがつくので楽しい気分になります。
感想が難しければ、本の中から自分の心に響いた「名言」と、それに自分なりのコメントを加えて紹介するというやり方も良いでしょう。
アウトプット読書術4:レビューライティング読書術
SNSに感想を投稿することに慣れて物足りなくなってきたら、書評を書きましょう。
この水準になれば「アウトプット読書術」も極まったといえます。
アウトプット読書術5:生グレープフルーツサワー読書術
1個のグレープフルーツからたくさんのジュースを搾り取るように1冊の本からたくさんのインプットを得る能力を「スクイーズ能力」といいます。
この「スクイーズ能力」を高める方法は「本を読んだら必ずアウトプットすると決める」ことです。
アウトプットのために「必ずその本から何らかの気づきを得なければならない」と自分に軽いプレッシャーをかけることでインプット量を増やすことができます。
そして、本を読んだらコンテンツを必ず作ります。
既にやっている人は、1冊の本から2つコンテンツを作る…というようにアウトプットの負荷を増やす練習をしましょう。
三度目の正直読書術(心が動いた出来事):脳内物質読書術
「心が動いた出来事」とは、喜怒哀楽など激しい情動の変化がともなう出来事です。
例を上げると、楽しかったはじめての海外旅行、何年も一緒に暮らしたペットが亡くなったときの悲しさ、交通事故の瞬間です。
喜怒哀楽がともなった出来事は「復習」も「アウトプット」もしていないのに強烈に記憶されます。
その理由は、ノルアドレナリンなどの脳内物質が関係しています。
記憶力を高める脳内物質を意識的に分泌させることで、本の内容を鮮烈に記憶することができます。
精神科医の読書術 基本2:スキマ時間読書術
スキマ時間といっても色々ありますが、ここでは通勤時間を例に説明します。
日本人の通勤時間は、全国平均79分といいます。
1日の通勤時間、移動時間、待ち時間などのスキマ時間を合計すると1日「2時間」あるとすると1ケ月で60時間になります。
スキマ時間60時間を読書に使えば、読書のスピードが遅い人でも月10冊読むことが可能です。
また、電車でスマホを触るのは最大の時間の無駄です。
何故なら毎日2時間、電車の中でスマホでゲームをしたりすることは時間の「浪費」でしかありません。
スキマ時間を「浪費」に使うのか「自己投資」に使うのかで、人生は大きく変わります。
具体的には、次の4つの方法があります。
- ウルトラマン読書術
制限時間があると記憶力が高まる。 - 5分・5分読書術
効率良く「頑張り」を活かす。 - 15-45-90の法則読書術
「15分」を最大限活用する。 - 熟睡読書術
睡眠の力を借りて脳に焼きつける。
この4つの読書術について詳しく説明します。
スキマ時間読書術1:ウルトラマン読書術
ウルトラマンは地球では3分しか戦えませんが、これがウルトラマンの強さの秘密でもあります。
このことは、読書にも同様のことがいえます。
目標に制限時間を設けると集中力がアップし、脳が高いパフォーマンスを発揮することで効率的な読書が可能になります。
スキマ時間読書術2:5分・5分読書術
何かの作業を行う場合、初めと終わりで特に集中力が強くなることが知られています。
心理学では、この現象をそれぞれ「初頭努力」「終末努力」といいます。
「初頭努力」「終末努力」は記憶力も高まります。
そのため、60分連続した読書より15分の細切れ読書の方が記憶力が長い時間を使えます。
スキマ時間読書術3:15-45-90の法則読書術
「15分」「45分」「90分」は人間が集中しやすい時間単位です。
スキマ時間読書術において重要な時間単位は「15分」です。
スキマ時間読書術4:熟睡読書術
「寝る前」の読書は、「記憶」を最大化できるため最適です。
さらに心と体をリラックスさせて睡眠に入りやすくなります。
ただし、喜怒哀楽を過度に刺激する本は睡眠を妨げるのでお勧めできません。
精神科医の読書術 基本3:深読読書術
「本を読んだ」という言葉の定義は、「内容を説明できること」「内容について議論できること」です。
これらのことができないということは、アウトプットできないということです。
それでは自分の行動に影響を及ぼすことはできません。
本を読む以上、成長の糧にならないような浅い読み方では意味がありません。
「内容を説明できること」「内容について議論できること」という「読書の質」を担保する本の読み方を、ここでは「深読」といいます。
「深読」は読書の必須条件です。
「深読」は、インプットとアウトプットの反復によって身につけることが出来ます。
「深読」で読めるようになれば、かなりのスピードで本を読めるようになります。
「読んだら忘れない」精神科医の読書術 超実践編
読書による学習効果を高め、本を読むスピードもアップできる読書術です。
精神科医の読書術超実践編1 パラパラ読書術
新しい本を手にしたら、まずは目次に目を通し、全体をパラパラと見通しましょう。
その理由は3つあります。
- 全体を把握する
- 本を読む目的を設定する
- 「速読」か「精読」かを決める
まず全体を把握し、次に「その本から何を学びたいか」という目的を定めます。
そして、「速読」で読めるか「精読」でしっかり読まなければならないかを見極めます。
また、その本を何日で読むかも決めます。
精神科医の読書術超実践編2 ワープ読書術
本は、「学び」や「気づき」を得るために読むものであり、本の最初から一字一句読まなければならないものではありません。
ここでは、本に書かれた知りたいこと「目的地」に最速でたどりつくコツをお伝えします。
そのやり方は、次の4つのプロセスを行います。
- 目次を見る
- 一番知りたいことが書かれている部分が何章か目印をつける
- その結論が書かれていそうなところにワープする
- さらに疑問に思ったり知りたくなったところがあれば、目次に戻って、また繰り返す
これを何回か繰り返すと一番知りたい部分の要旨がわかります。
まずはワクワクする自分の知的好奇心をみたすことを優先しましょう。
その方が記憶に残りやすくなります。
だいたいアウトラインをつかんだら、最初のページに戻って読み始めましょう。
精神科医の読書術超実践編3 ギリギリ読書術
人間の脳は、自分の能力よりも少し難しい課題に取り組んでいるときに、最も活性化します。
記憶力も強化されることから学びの効果を最大化することができます。
また、難易度は読むスピードによって調整することができます。
スピードを上げれば難易度が上がり、スピードを下げれば難易度が下がります。
精神科医の読書術超実践編4 ワクワク読書術
ワクワクしながら読んだ漫画の内容は、何十年経っても詳細を覚えています。
その理由は、ワクワクしているときに分泌される脳内物質ドーパミンが記憶を促進しているからです。
ドーパミンを分泌させながらワクワクと読書すると、何十年経っても忘れないほど記憶できます。
精神科医の読書術超実践編5 鉄は熱いうちに打て読書術
「おもしろそう!」と思って本を買ったのなら、買った直後からすぐに読み始めましょう。
ワクワクしてドーパミンが分泌された状態で本を読み切ることができるので強烈に記憶に残すことができます。
「とりあえず本だけ買って暇ができたら読もう」という読み方では、記憶に残りません。
精神科医の読書術超実践編6 百聞は一会にしかず読書術
本をたくさん読んでいると、好きな著者ができるはずなので会いに行きます。
例えば、その著者が登壇するセミナーや講演会に参加するという方法があります。
仮に、その人と言葉を交わさずとも、その人の前にいるだけで本の内容を何倍も深く受け取ることができるようになります。
好きな著者に会ってもっと好きになれば、その著者の新刊を手にするたびにワクワクして、より記憶に残る読書ができるようになります。
また、「自分もそうなりたい」と思うようになると、「好きな著者」から自分の「メンター」になっているかもしれません。
実際にメンターに何度も会って、メンターの言葉や行動が自分に染み込んでいくと、読書で得られる以上に「モデリング」の効果が高まりメンターに近づくことができます。
読んだ感想
本書を読んで、「ワクワクしながら読んだ漫画の内容は、何十年経っても忘れない」というのは、すごくよくわかります。
漫画は共感や憧れなどを抱くことで感情移入がしやすく「喜怒哀楽を感じやすい」という理由もありそうです。
ビジネス本もマンガくらいワクワクして読めたらいいんですけどね。
少しでもワクワク感を持ってビジネス本を読むために「鉄は熱いうちに打て読書術」は非常に重要であることがわかります。
先日、評論家等で有名な岡田斗司夫さんが「小説を除く実用本や自己啓発本は全部読む必要は絶対ない」と話しているのを聞きました。
著者が書きたい部分は10ページくらいしかなくて、そこを早く見つけ、あとは飛ばし飛ばし読むそうです。
これは、本を書く側の人間の本の読み方らしいです。
本を読むのが早い人の共通の読み方なんでしょうね。
「著者が書きたい10ページ」を見つける方法として「パラパラ読書術」「ワープ読書術」が良さそうですね。
具体的に実践する方法を知ることができる本書に出会えて良かったです。
これらの読書術を知れば、本を早く読む具体的な方法がイメージできるので実践できそうです。
本書で説明がありましたが、日本人の年間の読書量は12.3冊らしいです。
また、文化庁の「国語に関する世論調査」によれば月に7冊以上本を読む人は日本人全体の3.2%のようです。
つまり、月に本を7冊読めば、読書量において日本人の上位3%に入ることができます。
私の場合、ちょっと足りないので頑張って上位3%に入ってみたいと思います。
ちなみに雑誌やマンガは除いた冊数です。
また、本を読む習慣が、ストレスを緩和し、悩み事から解放してくれるという話もすごくわかります。
「あー、困った。どうしよう…」となったとき。
あ!そういえば、あの本に書いてあった!
ということがあります。
悩みがあるときは、どうしても自分の頭の中だけで考えてしまいがちになりそうですが、それを助けてくれるのが読書だと私も思います。
普段から読書の習慣をつけておくことは、とても重要なことです。
私は電子書籍で本を買うのでいつでも本をスマホで読めるので重宝しています。
本書には、本記事では触れていない『早く、安く、たくさん読める究極の電子書籍読書術』という内容が掲載されていて、電子書籍のメリット・デメリットをわかりやすく知ることができます。
他にも『「読んだら忘れない」精神科医の本の選択術』『「読んだら忘れない」精神科医の本の買い方』等の内容もあり、読書を習慣づけるための良いアドバイスをたくさん得ることができます。
本書は、本を読む習慣が無い人にも、読書を習慣にしている本好きな人にも読む価値があるものだと思います。