イントロダクション
タイトル | : | 仕事の辞め方 |
発行日 | : | 2024年1月 |
発行所 | : | 幻冬舎 |
著者 | : | 鈴木 おさむ |
著者情報は、上記リンクからご確認ください。 |
「ワクワクしない仕事をダラダラ続けるほど、人生は長くない!」
上記リンクの商品紹介でこの言葉を見たとき、意識せずに自分の人生の残り時間に思いが行きました。
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たしかに、そうだよな…
「自分は、このままでいいのか?」という唐突な焦りを感じました。
同時に気になったことがありました。
放送作家として成功を手にしているように見える著者が辞めようと思った理由は何なのでしょうか。
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「辞める」ということに対して真剣に考える機会になりそう。
そう思い、本書を手にすることにしました。
オススメしたい人
- 毎日をキラキラ生き続けたい人
- 仕事を辞めたいと思ったことがある人
- 仕事の辞め方に悩んでいる人
学べること
仕事を辞めると決めたとき、どうしたらいいでしょうか?
仕事を辞めた後の形は、他の会社に転職するか、自分で会社を興すか、いくつかの形があります。
その選択と挑戦が、うまくいく人もいれば、いかない人もいます。
その違いは、「仕事の辞め方」にあります。
本書では、著者の経験を通して著者が考える「正しい仕事の辞め方」について学ぶことができます。
ここでは、本書の内容の一部について、私の解釈で簡単にまとめています。
「今の仕事を辞める」までの準備
とても辛いときほど「辞める」という選択肢が浮かんでこなくなります。
辞めてはいけないものだとしてその選択肢を外してしまうのです。
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著者は、山下達郎さんの「LAST STEP」という曲を聞いて「辞める」という選択肢が浮かんできたそうです。
「仕事を辞める」という選択肢が思いついたら、なるべくライトに人に話してみましょう。
次のような言葉を入れて、ポジティブに辞めるという選択肢が頭に浮かんだことを伝えます
- 「人生は1回だから好きなことは今のうちにやらなきゃ」
- 「我慢せずに生きなきゃ」
最終的に辞めるにしても辞めないにしても、思いついたときになるべくライトに伝えておくことがとても大事です。
そうしておくと、本当に「辞める」ということを伝えなければいけないときに「そういえば前に言ってたよね」と言ってくれるようになり周囲の理解のスピードが速くなります。
「今の仕事を辞める」ということについて考える
「仕事を辞める」という選択肢を思いついたら、すべきことがあります。
この際、気をつけなければならない重要なことがあるのです。
私たちは、仕事を辞めることを考えたとき、どうしても辞めた後の生活について考えてしまいます。
たとえば、次のようなことです。
- 収入がなくなる
- 生活が変わってしまう
- 毎日会う仲間がいなくなる
しかし、このようにお金や生活レベルのことなどを先に考えてしまうと「次、なにしたいか」を考えることができません。
そのため、まずは辞めることによって起きるプラスを考えることが重要です。
たとえば、次のようなことです。
- 「嫌な人」に会わなくなる
- 「○○しなきゃ」がなくなる
「嫌な人」に会わなくなる
たとえば、仕事で会う「嫌な人」はいないでしょうか?
「ちょっと嫌いな人」や「苦手な人」ていうのも、まぁまぁいますよね。
こういう人たちに毎週会うことは、結構ストレスになります。
今の仕事を辞めたら、人間関係をリセットすることができます。
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仕事だから苦手な人とも会話をしないといけないこともあります。
でも、辞めたらそのストレスから解放されます。
「○○しなきゃ」がなくなる
日々の「○○しなきゃ」の積み重ねは、人生の自由を奪います。
「○○しなきゃ」がなくなれば、時間の選択肢ができます。
多くの人が、今の仕事を始めた後に、結婚したり子供を授かったりします。
年を重ねていくことで体にも変化が出てくるでしょう。
環境や体の調子に合わせて時間の使い方が変わってきます。
しかし、仕事は自分の都合に合わせてくれません。
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辞めたら自由な時間も増えます。
何をしようか考えるとワクワクしてきます!
日本人のワークライフバランスは変わってきています。
自分の生活を第一にしたライフスタイルにあった仕事を選び直すということも大事なことです。
年を重ねることで「結局、人は自分のことが一番大事」ということがわかってきます。
また、「この仕事には自分が必要」と思っていても「仕事には自分の代わりはいる」のです。
そう思わない人も、いつか絶対に気づくときがきます。
そのための準備をしておくべきなのです。
会社を辞めてうまくいってる人、いってない人
会社を辞める人の中でも、円満に辞める人もいれば、しこりを残したまま辞める人もいます。
うまくいかない人
うまくいかない人は、しこりを残したまま辞める人です。
そういう人は、辞めた後に想像以上に苦戦している人が多いです。
会社を辞めた途端に、周りの人たちの自分との付き合い方が変わることがあります。
会社の組織の人だから許されていたこともあるし、付き合っている人もいたはずです。
それに気づかず、会社にいたときのように振る舞ってしまい、うまくいかない人が多いです。
うまくいく人
うまくいく人は、円満に辞める人です。
そういう人は、辞めたことが話題になります。
そのためには、会社のプライドが傷つかないように仕上げることが大事です。
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辞めた後も会社とのパイプを持って仕事をする場合もあります。
そうじゃなくても、どこでお世話になるかわかりません。
円満に辞められるなら、絶対にその方がいいですよね。
会社と揉めて辞めた人は応援しにくいですが、円満に辞めた人は応援しやすいです。
辞めるまでの間に、周囲をとことん仲間につけましょう。
成功する人は、大きなバックアップを得て辞めています。
自分に合っている仕事の見つけ方
自分に合っている仕事というのは、意外と自分では気づかないものです。
そして、自分の仕事での長所もよくわかっていません。
その理由は、長所は目の前で褒めてくれる人がいないからです。
数字で見える形で結果が出ると褒められるかもしれませんが、そうなる前は褒められません。
逆に、私たちは短所についてはよくわかっていることが多いです。
短所は、失敗することでどんどん気づかされていきます。
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なるほど。そうかもしれないですね。
失敗は、嫌でもわからされますからね。
信頼できる仲間に相談する
自分が信頼できる仕事仲間などにこう聞いてみましょう。
「仮に自分が今の仕事を辞めたとしたら、何が向いてると思う?」
ここで大事なことは、2人きりで話すということです。
3人以上だと、話が脱線してしまい真剣に語り合えないからです。
聴く相手は、分析力があって冷静に物事をジャッジできる人をチョイスするのがいいでしょう。
こうすることによって、自分では気づいていない自分の長所に気づける可能性が高いです。
仕事を辞めた後、次何をしたらいいかが見えてくるはずです。
「思いつき」が天職のサイン
世の中の大人たちのほとんどが、自分の才能に気づけず、その職業を選択できていません。
しかし、自分の中のDNAは絶対にメッセージを出しています。
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著者が放送作家という職業を選択できたのは、子どもの頃からのDNAレベルのサインを行動に移せたおかげと語ります。
- 「○○に興味があるな」
- 「○○を習ってみたいな」
それが現れるのが「思いつき」です。
このような「思いつき」は、DNAが出すメッセージかもしれません。
天職に就くことは、何歳からでもできます。
「思いつき」をサインだと思って受け止め、まずは行動してみましょう。
結局「行動する人」が勝っていくのです。
辞めることを話す順番
本当に辞めると自分の中で決めた後、辞めることを人に話す順番は重要です。
話す順番を間違えると、その気持ちが揺らいでしまうので注意してください。
具体的には、次の順番で話していきます。
- 家族
- 夢を笑わない友達
- 迷惑をかける人
家族
結婚している方は、まずは妻や夫といった、家族から話すのが大事でしょう。
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著者が最初に話したのは、大島美幸さん。
「すごくいいじゃん!」と言ってもらえたそうです。
家族から賛成してもらえると、自分の気持ちをより強いものにすることができます。
夢を笑わない友達
自分の夢を肯定し、背中を押してくれる「仲間」から話していきましょう。
夢に向かって走る自分の気持ちがブレないようにすることが大事です。
また、自分の人生への信念が強い人から話すことも大切です。
そういう人に話をすると、自分自身が気づいていない思いに気づけたりします。
迷惑をかける人
まずは上述のとおり「伝えることで自分の気持ちが強く固まるはずだ」と思える相手に話しましょう。
気持ちを固められた後は、自分が辞めることで迷惑をかける人の順に話していきます。
自分が辞めることでどんな迷惑をかけるのか頭の中で想像しましょう。
伝えるときは、自分が辞めるまでの間に引継ぎなどをどうするかなどの考えを伝えます。
残りの期間で出来る限りのことを必要以上にやるということを伝える誠意が大切です。
辞める前にしておくこと
お金について思うこと
仕事を辞めると決めたとき、当然、気になるのはお金のこと。
お金に関して最低限の安心を手に入れることは大切なことです。
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著者は、貯金を不動産収入に換えるという方法をとったそうです。
最低限の安心は、仕事を辞める自分の背中を後押ししてくれます。
それでも仕事を辞めると決めると、お金のことは気になります。
しかし、お金のことを考えると、未来を考えて辞めると決めたはずなのに、夢と希望がどんどんミニマムサイズになっていきます。
そのため、マイナスをイメージするのではなく、辞めた先にあるワクワクするビジョンをイメージすることが大事です。
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不安を考えながらだと前に進むことはできません。
だから不安を和らげるための最低限の安心が大事ということですね。
ライフチェックで無駄を見つける
自分の生活費を見直すことも大切です。
まず、最初にチェックしたいのは、保険料です。
何の保険がどこまで必要なのかを改めて考えてみましょう。
生活の中での無駄な出費をチェックし減らすことで家族の旅行代にできるなどポジティブな想像をすることができます。
読んだ感想
私も20代で仕事を辞めたことがあります。
しかし、それは前向きな気持ちから辞めたわけではありません。
職場環境がブラックすぎて限界を迎えて退職しました。
しかし、辞められたことは運が良かったと思っています。
本書にもあるとおり、本気で辛いときは「辞める」という選択肢が浮かんできません。
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私の場合、CHEMISTRYの「Wing of Words」という曲が辞めることを後押ししてくれました。
歌詞の中に「選んだ道がもし行き止まりならそこで迷えばいい」という言葉あるのです。
これを聞いたときに私の中で「辞める」という選択肢が出てきました。
本書の第六章では、「辞める前にしておくこと」で様々なことが書かれています。
しかし、これは新たなステージに向かう場合の「辞める」に対する備えだと思います。
もし、心と身体の健康を脅かされている人がいるのなら、準備どころの話ではありません。
心配なことはあるでしょうが、まずはすぐに辞めることをオススメします。
私が本書で最も学びになったことは、辞めるという選択肢を思いついたら、プラスのことを考えるということです。
実際、自分が定年退職前にまた仕事を辞めることがあるかわかりません。
しかし、未来に何があるかわからない世の中です。
「辞める」という選択ができるように平時から準備をしておくことは、重要だと思っています。
仕事を辞めるということは、怖いことです。
しかし、仕事を辞めたときのマイナスに最初に目が行ってしまうと、その準備ができません。
怖くて「辞める」という選択肢を自ら打ち消してしまうからです。
しかし、「辞める」の準備をしておかないことが実は本当に怖いことなのです。
本書に書かれている著者の経験は、万人に当てはまるものではないでしょう。
しかし、当てはまることもたくさんあると思います。
「自分がもし辞めるとしたら…」と仮定して本書を読むと、自分の内ではなく外に目が向きます。
「辞める」ということに真剣に向き合うことは、俯瞰で自身を見つめることになるはずです。
きっと、内から見ているだけでは気づけない、新しい自分を見つけることができるでしょう。