【要約】努力は仕組み化できる 自分も・他人も「やるべきこと」が無理なく続く努力の行動経済学

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タイトル努力は仕組み化できる 自分も・他人も「やるべきこと」が無理なく続く努力の行動経済学
発行日2024年8月13日 初版第1刷発行
2024年8月13日 電子書籍版データ作成日 第1版
発行所日経BP
著者山根承子
著者情報は、上記リンクからご確認ください。

努力とは、何でしょう?
勉強をコツコツすることは、努力と認められる。
でも、結果が出せないと努力が足りないと言われる。
ゲームをやりまくって上手くなったことに対し「努力したね」と言われると違和感を感じる。
それは、楽しくてやっていただけなので自分自身は努力とは思っていないから。

努力とは、「苦しいけど、やらなければいけないことを続けること」のように感じています。
そんな努力を無理なく続けられる方法があるとしたら?

絶対、知りたい!

そう思い、本書を手にすることにしました。

オススメしたい人

  • 「結局、努力できることも才能でしょ」という人
  • ダイエット・運動を頑張りたい人
  • 勉強で成果を出したい人
  • 自分に合った努力の仕方を知りたい人

学べること

本書では、行動経済学によって根性論ではなく科学的に「努力とは何か?」を知ることができます。
努力を続けることが難しいと感じる人は多いですが、「努力の仕組み」を理解すれば今より楽に努力を続けることができるようになります。

ここでは、本書の内容について私の解釈で簡単にまとめています。

なぜ「努力の仕組み化」が必要なのか?

「努力」とは、経済学的に考えると「将来の報酬」を得るために「今支払えるコスト」のことです。
この将来の報酬と今支払えるコストの感じ方には「個人差」があります。
この時間に関係する個人差の他にも努力に影響する個人特性はたくさんあります。
つまり、世の中には「努力できる人」と「努力できない人」がいます。

努力を楽しめる人・楽しめない人

努力できる人は、困難を乗り越えることに喜びを感じているように見えます。
つまり、努力できる人は「努力を楽しめる人」であり、努力できない人は「努力を楽しめない人」といえます。
努力を楽しめる人と努力を楽しめない人の違いは、何なのでしょうか?
それは、心理学の「達成動機」という概念で説明することができます。

達成動機

達成動機とは、「自分で目標を達成したいという気持ちの強さ」のことです。
この達成動機が高い人には「能力を向上させたいからやる」という特徴があります。
この特徴は、「内発的動機付け」というものに分類されます。
つまり、「やる気」です。
自発的なやる気は、努力の継続に重要な役割を果たします。

金銭報酬や他人からの称賛、評価などは「外発的動機付け」にあたります。
つまり、自分以外から与えられる「ご褒美」です。
ご褒美で引き出されるやる気では、努力の継続につながらないことが研究によりわかっています。

達成動機が低い人でも努力するための方法

もし、あなたが達成動機が低い人なら、達成動機が高い人になるのは難しいでしょう。
それは、性格を変えるようなものだからです。

達成動機が低いままでも努力できるようになる可能性はあります。
たとえば、達成動機が弱いのであれば、「親和動機」や「権力動機」といった別の動機を利用するなどです。
しかし、努力を継続するためには、内発的動機付けを持つことが優位であることは間違いありません。
先ほど「難しい」と述べたばかりですが、学術的に内発的動機付けを持つ方法があるとしたら知りたくはないでしょうか?

それが、「努力の仕組み化」です。

「努力の仕組み化」の具体的な方法

「コンピテンス」を高めることは、内発的動機付けにつながります。
コンピテンスとは、「有能感」と訳されます。
そして、自分の活動から有能感を得るためには、「フィードバック」が重要といえるでしょう。

フィードバック

勉強や運動を頑張っていても、その努力による変化がなければ続けることは難しいでしょう。
この変化を目に見える形にすることが、フィードバックです。
フィードバックとは、過去の自分の行動を振り返ることで得られる評価や改善点などの情報です。
フィードバックの重要性を示した研究は数多く存在します。
そして、どの研究でもフィードバックの効果の高さが示されています。

このフィードバックは、ただ得ればいいというわけではありません。
フィードバックは、目標に反映させてこそ真価を発揮します。
そのことによって、パフォーマンスの向上に繋がっていくのです。

何かを継続しようとするときは、自分の頑張りを目に見える形にしてください。
そして、そのフィードバックを基に次の目標を立てましょう。

フィードフォワード

努力の継続において、フィードバックと同じくらい「フィードフォワード」も重要といわれています。
フィードフォワードとは、「その行動をどれくらいやるつもりか」を先に決めておくことです。

フィードバックとフィードフォワードの効果を比較する研究では、両者はほぼ同じ効果があるという結果が出ています。
しかし、実験後の被験者へのアンケートによれば、フィードバックよりフィードフォワードの方が「有益だったと思う」という回答が多くありました。
その理由は、「自分の行動について考える」ことで「自分で意思決定した感じ」が強くなったためと考えられます。
努力の継続のためには、「自分の力でどうにかできる」と思うことが重要だということがわかっています。
そのことから、フィードフォワードの方が「努力の継続」においては高い効果がありそうです。

実行意図

「実行意図」とは、「どこで、いつ、どのように行うか」をあらかじめ決めておくことをいいます。
実行意図は、フィードフォワードをより詳細にしたものといえます。
実行意図の具体例としては「通勤のため、月曜日の朝はバスに乗る」などです。
実行意図を作ることは、習慣の形成に非常に効果的です。

さらに「いつどれだけやるか」を詳細に決めると手応えを感じながら進めていくことができます。
たとえば、次の①→②→③のように具体性を増すごとにより高い効果を得られるでしょう。

  1. できるだけジムに行こう。
      
  2. 平日5日のうち4日は、会社帰りにジムに行こう。
      
  3. 火曜日と金曜日の会社帰りはジムに行こう。

実行意図は、新しい行動の定着に効果的です。
しかし、残念ながら既存の行動を消すことには効果がありません。
喫煙などの悪い習慣といった何かをやめるには、実行意図以外の工夫が必要です。

努力の自動化

努力の継続には、強い意志が関係しています。
しかし、行動を「自動化」すれば、意志が介在する機会を最小限にすることができます。
実行意図を繰り返して何も考えなくてもできるようになれば、それは「習慣」と呼べます。

行動が自動化するまで、どれくらいの時間がかかるかを確かめた研究があります。
様々な行動が自動化するまでの日数を見ていった結果、18日で自動化される行動もあれば254日(約8カ月)かかる行動もありましたが、中央値は66日でした。
つまり、どんなことでも2カ月頑張ることができれば自動化できる可能性が高いということです。

努力を妨げる「誘惑」との戦い方

「努力を続けるための工夫」と同じくらい「努力できない理由」への対策も重要です。

ダイエットをしようと決めたのに、つい目の前のケーキが気になってしまう。
ケーキを食べずに将来のナイスバディを手に入れるか、いまケーキを食べて至福を味わうか。

行動経済学では、「自分は目先の報酬(利益)に目がくらみがちで、最終的に後悔する可能性がある」という自覚のある人を「ソフィスティケイテッド」と呼んでいます。
そして、そのような自覚を持たない人を「ナイーフ」と呼びます。

「ケーキを食べて、後悔する可能性がある」

  • 自覚がある人 ⇒ ソフィスティケイテッド
  • 自覚がない人 ⇒ ナイーフ

計画倒れにならないようにソフィスティケイテッドが使う「コミットメント」と呼ばれる手立てがあります。
コミットメントとは、フィードフォワードに縛りを加える工夫です。
たとえば、「ケーキを食べたら腹筋を100回やる」などです。

ポイントは、目先の利益に目がくらみそうになったときに思いとどまれるように「あらかじめ」手配しておくことです。
行動を変えることで、ナイーフからソフィスティケイテッドになることは可能です。

読んだ感想

好きなことの努力なら楽しめます。
でも、好きじゃないことの努力は楽しめません。

自分の好きなことばかり努力していいわけではありません。
好きなことばかりやることは、許されません。
好きじゃないことも努力しなければいけないこともあります。
だいたい周囲から求められる努力は好きじゃないことばかりです。

しかし、好きじゃないと思っていることには大事なことも多いです。
でも、大事なことだとわかっていても努力できない自分がいます。
そして、努力できないことが辛くなることがあります。

努力できないからうまくもなれません。
周囲が自分を置いて、どんどんうまくなっていく。
自分には「努力する才能」がないから仕方ない。
どうしようもないから開き直ってみたり。

でも、そんな自分でも努力できる方法があるなら。
諦めていたアレもコレもできるかもしれません。

人生では、自ら努力したいと思うことや努力を強いられることがたくさんあります。
そして、「努力は積み重ねが大事」といいます。
これは、早く努力した者勝ちということだと思います。

いま私は本書を読んでから頑張っていることがあります。

歯磨きの後にフロスを使っています。

歯科の定期検診で衛生士さんに「フロス使ってますか?」と聞かれて、

えっと…すみません。使ってないです(小声)

「は?前回も使えって言ったよね?」なんてことは、もちろん言われません。
でも、絶対思っているに違いありません。
だから、もう終わりにします。
とりあえず、習慣化を目指して2カ月頑張りたいと思います。

本書には、自分の様々な努力に関係するタイプが分かる「質問」が用意されています。
まずは本書を読んで己を知りましょう。
そして、自分のタイプに合った努力を継続するための環境等を整えましょう。
本書は、あなたが「なりたい自分」になる「最強習慣」を身につけるためのきっかけになるかもしれません。

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