【要約】『CLEAR THINKING(クリア・シンキング)』成功のための実用的で普遍的な思考法

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タイトルCLEAR THINKING(クリア・シンキング)
大事なところで間違えない「決める」ための戦略的思考法
発行日2024年2月19日 第1版第1刷発行
発行所日経BP
著者シェーン・パリッシュ
著者情報は、上記リンクからご確認ください。

人生とは、決断の連続です。
その中でも、転職・投資・マネジメント・結婚など失敗できない大きな決断が存在します。

当然、大事なところでは絶対に間違えたくありません。
その方法があるのなら知りたい!

そう思い、本書を手にすることにしました。

オススメしたい人

  • 一時の感情に流されて失敗したくない人
  • デフォルト反応をコントロールできるようになりたい人
  • 失敗しない意思決定プロセスを学びたい人
  • 成功のための実行タイミングを逃したくない人

学べること

「他の人より常に優れた結果を出せる人がいるのはなぜだろう?」
そのように考えたことはないでしょうか?

単に、そういう人たちの頭が良いという話では?

そのように考える人もいるかもしれません。
この本の著者は、様々なアプローチによりこの謎を解き明かそうとしました。
認知に関する文献を読み漁り、インテリジェンス界の達人たちと何千という対話をしました。
著者は、その経験から得られた決定的な気づきがあったといいます。
望み通りの結果を得る「クリア・シンキング(明晰な思考)」のためにやるべきことは、次の2つです。

  1. 考え、感じ、行動の際に論理的思考を挟むためのスペース(余地)を作ること
  2. そのスペースをクリア・シンキングのために意識して使うこと

本書は、「クリア・シンキング」をマスターするための実践的ガイドです。
ここでは、本書の内容の一部について、私の解釈で簡単にまとめています。

クリア・シンキングのためのスペースを作る

一流の人々は、「勝ち」よりもまず「負け」を回避しなければならないことを知っています。

結婚、仕事、投資先等の「大きな決断」を誤らなければ人生はうまくいく。
そのように思っている人は多いです。
それは完全な間違いではありませんが、本当に重要なのは「ありふれた瞬間で行う選択」です。
その選択は、日常のささやかな場面で行う、何かを選んだ自覚すらないようなものです。
これには、なかなかピンと来ないという人もいるでしょう。

しかし、世の中には、怒り等の一時の感情で成功を逃したり大切なものを失ってしまう人が多くいるのです。

なるほど。たしかにそうですね。

クリア・シンキングの敵

人間の原始的な本能は、クリア・シンキングの敵です。

私たちの人生は、「ありふれた瞬間」の積み重ねにより左右されます。
そして「ありふれた瞬間」では、状況が思考を支配することが多いです。
しかし、私たち人間の生物的本能は、その状況をわからなくさせてしまうのです。
たとえば、「誰かに自分の仕事を批判されたとき、怒りで反撃する」等です。
そこには、思考はありません。

生物的本能は、意識的な思考をすっ飛ばし反射的に反応を引き起こします。
先史時代には役立った生物的本能ですが、現代社会では状況を悪化させてしまうことがほとんどです。

生物的本能は、自らの生存に関わるものであるため非常に強力です。
しかし、成功と長期目標の達成のためには、コントロールできなければなりません。

生物的本能の最も危険な「デフォルト(初期設定)」は、4つあります。

  1. 感情デフォルト反応
  2. エゴデフォルト反応
  3. 社会性デフォルト反応
  4. 惰性デフォルト反応

4つのデフォルト反応は、複数が混じりあって起こることも多いです。

デフォルト反応をコントロールできる人は、「ありふれた瞬間」にクリアな思考をすることで未来の自らの立場を着実に改善していくことができます。

感情デフォルト反応

根拠や事実よりも怒りや不安といった感情からよく考えずに衝動的行動に出てしまいます。
感情は、どれだけ努力してきたことでも一瞬でゼロにすることがある危険なものです。
次の状態にあるとき、感情デフォルト状態に陥る可能性が高まります。

  • 睡眠不足
  • 空腹
  • 疲労
  • ストレス
  • 不慣れな環境

感情デフォルト状態は、どれだけ優れた人でも愚者にしてしまいます。
誰もこのリスクを免れることはできません。

エゴデフォルト反応

どんな代償を払ってでもセルフイメージを高め守ろうと反応します。
セルフイメージを脅かされると即座に自尊心が発動します。
自尊心は過剰な自信に転じることが多く、リスクを考えずに行動に出てしまいます。
エゴデフォルトの影響下にある人は、常に「自分が正しい」と思えるように現実を誤認します。
そうなると結果よりも他の人に自分の正しさを証明することにエネルギーを割くようになります。

社会性デフォルト反応

所属する大きな社会集団の規範に従おうとする「社会的圧力」の表れです。
社会性デフォルト状態は、思考、価値観、成果を他者に丸投げしてしまいます。
また、「部外者になりたくない」という思いは恐怖となります。
そして、恐怖はリスクをとって自分の可能性に挑戦する妨げになります。
集団の中にいる人は、同じふるまいをする人々に囲まれる安心感を自分の行動の正しさの証だと誤認します。
しかし、周囲と同じことをしていれば周囲と同じ結果しか出すことができません。
社会性デフォルトにとらわれている人は、簡単に負かされてしまうのです。

惰性デフォルト反応

惰性デフォルト状態は、変化に抵抗し現状維持を好みます。
たとえ変えることが最善の選択であっても、変えることは大変だからです。
これは、困難なことを先送りする原因にもなります。
また、私たちは良い結果より悪い結果の方を重く受け止める傾向があります。
そのため、悪い結果が出た場合のことを考えると新しいことを試すことができません。
自分が愚かに見えるかもしれないリスクを冒すぐらいなら人並みでいいと考えてしまいます。

デフォルト反応からクリア・シンキング

デフォルト反応をコントロールするためには、意志の力では太刀打ちできません。
それだけデフォルト反応は強力なのです。

そのため、デフォルト反応にはデフォルト反応で対抗します。
この場合、惰性デフォルトを利用します。
絶えず「強さを磨く」努力をしていれば、プラスの惰性となり無敵の力となるでしょう。
「強さ」とは、本能という荒馬を手なずけることです。
そして、「強さを磨く」とはそのための訓練をすることです。
この「強さ」を生み出すカギとなるのがルーティンです。
ルーティンは、スポーツ等の精神状態がパフォーマンスに大きく影響する分野では当たり前に使われています。
ルーティンは、デフォルト反応が出る前にひと呼吸おくといったシンプルなことでいいです。

そして、クリア・シンキングのために重要となる「強さ」とは、次の4つです。

  1. 自分に責任を持つ
  2. 自分を知る
  3. セルフコントロール
  4. 自信を持つ
自分に責任を持つ

自分の行動の結果が予想に反して悪かったとき、他人や不利な環境のせいにする人は多くいます。
実際、自分の力の及ばない原因で不運に巻き込まれることはよくあることです。
それが真実だとしても、起きた問題には全力で対処する責任があります。

ポーカーをプレイしていると、これを直感的に理解します。
配られた手札を見て、自分の不運を嘆き文句を言うこと。
他のプレーヤーの戦い方を非難すること。
それらは、エネルギーを無駄にするだけで、状況が良くなるわけではありません。
どちらも自分のコントロールできない部分だからです。
それならば、自分がコントロールできることにエネルギーを注ぐべきです。
つまりは、配られた手札の中で最善の戦いをするしかないのです。

傑出した人は、どのような状況に置かれても自分の行動の責任を果たそうとします。
そして、デフォルトに屈することなく困難に立ち向かいます。

自分を知る

「自分を知る」とは、自分の強みと弱みを知ることです。
そして、そのためには自分が「コントロールできるもの」「コントロールできないもの」を知らなければなりません。
それは、自分が勝てるゲームを戦うためのカギとなります。

自分が何を知っているかを理解することは、大切な実用スキルの1つです。
しかし、それよりはるかに大切なのは、知識の限界を把握していることです。
他の人々に能力があって、自分にはない分野で戦えば負けます。
反対に自分が強い分野に留まれば、自分が勝ち続ける可能性は高いです。
そのためには、自分の強い・弱いの境界線を知り、自分がどちらの側に立っているのかを知っていなければなりません。

自分の強みと弱み、能力とその限界を知ることは、デフォルト反応に抗うために重要なことです。

セルフコントロール

「セルフコントロール」とは、恐れや欲望といった自らの感情を制御する能力です。

感情デフォルトは、自身と感情の間の距離を無くし反応を引き起こそうとします。
セルフコントロールの要諦は、その自身と感情の間に合理的思考をするためのスペースを生み出すことです。

セルフコントロールができなければ、感情の波にさらわれてしまい、やるべきことに規律をもって一貫して取り組むことは難しいでしょう。
成功のために重要なのは、その時々のやる気に関わらず、やるべきことをやるセルフコントロール能力です。

自信を持つ

「自信を持つ」とは、自らの能力を信じ、自分は他の人々にとっても価値のある人間だと信じることです。
デフォルトに振り回されないため、良い結果を得られるまでやるべきことに集中するために自信は必要です。
そして、真の自信には謙虚さが伴っていなければなりません。
真の自信は、否定的なフィードバックを受けたときに自分の欠点を認める強さを与えてくれます。
また、自信は立ち直る力と変化に適応する力を生んでくれます。

自信のある人は、何度も打ちのめされ、立ち直ってきた経験があります。
その経験から自分が困難な現実にうまく対応できる能力があることを知っています。
そのため、愚か者に見られるリスクを厭わず新しいことに恐れず挑戦することができます。

クリア・シンキングの実践

クリア・シンキングのためのスペースを確保できたら、次は「決断する」スキルを身につける番です。
「決断」とは、次のように定義します。

決断 = 特定の選択肢が最善だと判断すること

そして、「決断」は、次の4つの「意思決定のプロセス」によって行われるべきです。

  1. 問題を定義する
  2. さまざまな解決策を模索する
  3. 解決策(選択肢)を評価する
  4. 決断を下して最適な選択肢を実行する

各プロセスについて、簡単に説明していきます。

問題を定義する

問題の定義は、決定者の責任において次の2点を明確にすることから始まります。

  1. 何を達成したいか
  2. どんな障害が存在するか

さらに、問題を定義する意思決定者には次のことが求められます。

  1. 問題定義の責任は、他の誰かに委ねてはならない
  2. 問題の根本原因を特定しなければならない(対処療法で満足しない)
  3. 問題を正しく把握しなければならない *

* 難解な専門用語を使わなければ問題を説明できないとしたら、それは問題を完全には理解できていないサインです。
理解が不足している段階で決定を下してはいけません。

さまざまな解決策を模索する

問題がはっきりしたら、問題の解決策の候補を考えます。

  1. 残酷な現実から目を背けない
  2. 最後には必ず勝つという確信を持つ
  3. 「その後どうなるか?」と自問する *1
  4. 1つの問題に対して、少なくとも3つ以上の解決策を模索する
  5. 複数の選択肢から1つを選択をするときは、「機会費用」の検討をする *2

*1 理想的な結果だけを想像してはいけません。
未来に起こりうる「悪いこと」を想像し、とりうる対応策を決めておくことが重要です。

*2 「機会費用」とは、意思決定する者が見落としがちな隠れたトレードオフです。
1つ選べばたいてい何かを諦めなければなりません。
関連するあらゆる要素を考慮に入れて検討しましょう。

解決策(選択肢)を評価する

問題の解決につながりそうな解決策をいくつか考えたら、1番良い未来につながる可能性が高いものを選ばなければなりません。
この作業の構成要素は、2つです。

  1. 選択肢を評価する基準
  2. その基準をどう適用するか

評価基準を決める際には、次の3つの要素を加えて順に点数をつけましょう。

  1. 内容がシンプルかつクリアか(理想は12歳の子供でもわかるもの)
  2. 目的達成を後押しするか(目的達成に寄与する選択肢のみに高評価を与える)
  3. 決定力(1つの選択肢のみに最高評価を与える)

選択肢を評価する基準の重要度がすべて同じということはありえません。
一番大切なことは何かをはっきり見極めましょう。
もし、2つ以上ある場合はクリアに思考できていないということです。

評価基準の優先順位が決まったら、基準同士を競わせる情報が必要です。
その情報には、次の2つの要件を満たしている必要があります。

  • 関連性
  • 正確性
関連する情報集め

関連する情報を集める際には、自分が何を求めているかをはっきりさせましょう。
膨大な情報に溢れた世界では、これを見極められる人は圧倒的な強みを持ちます。

正確な情報集め

正確な情報を入手するうえで原則が2つあります。

  • 信頼性の原則
  • 専門性の原則
信頼性の原則

信頼性の高い情報を集めるためには、一次情報を得るようにしましょう。
情報の信頼性は、実際にテストし結果を見ることで見極める方法があります。
また、情報源がどのような欲求や動機を持っているかを見定めておくことが重要です。

専門性の原則

専門性の高い情報は、特定の分野で豊富な知識がある人、多くの分野で知識や経験がある人の両方から得ることができます。
専門家モドキに注意しましょう。

決断を下して最適な選択肢を実行する

最適な解決策を選べたら、次は実行する番です。
実行すべきタイミングを見極める際に役立つ原則は、3つあります。

  1. ASAP(As Soon As Possible)の原則
  2. ALAP(As Late As Possible)の原則
  3. 限界・逸失・獲得の原則
ASAP(As Soon As Possible)の原則

あまりにどうでもよいことは、ぱっと決断しましょう。
わずかでも決断に時間をかけるのは無駄です。

ALAP(As Late As Possible)の原則

極めて重大性が高く、失敗した場合のリスクが大きいことは、決断を下すときのコストを考慮しなければなりません。
ほとんどの決断にはスピードと正確性のバランスが求められますが、この場面では、判断をできるだけ遅らせ、情報収集を続けながら選択の可能性を維持しましょう。

限界・逸失・獲得の原則

次のいずれかに該当したら情報収集を止めて決断して実行しましょう。

  1. 有益な情報が得られなくなった
  2. 機会を逸しはじめた
  3. 選ぶべき選択肢が明白になるような情報を獲得した

読んだ感想

生物的本能のバイアスの強力さは、みなさんもよくご存じのことと思います。
「デフォルト反応をいかに抑え込むか」というところが実行の難所です。
本書の内容では、その点はルーティンによって抑え込む方法が紹介されていました。
本書提案では「ひと呼吸おく」という方法がありましたが、これは有効な手段だと思います。
実際、攻撃されたときに怒りを覚えた瞬間のことを思い返すと息は止まるのではないでしょうか。

理由はわかりませんが、反撃の瞬発力のためなんでしょうか。

そこを鋼の意志で何とか抑え込み、ひと呼吸できるだけで思考を再開することができます。

その間、どれくらいの秒数が経っているのかわかりません。
体感としては実際の経過時間より長く感じている気がします。

思考を再開できたとしても、相手に投げかける言葉をまとめることができません。
これにも「慣れ」が必要で、きっと訓練が必要なんだと思います。
幸か不幸か、私たちには訓練のための機会というのは多そうです。

無我の境地でスルーしましょう。
無我の境地とは、鬼滅の刃でいうところの「透き通る世界」です。
しかし、けっして整えた呼吸で相手に強力な一撃を与えてはいけません(フリではありません)。

可能であれば、一旦、距離を置くという方法もオススメです。

 
本書には「問題を理解し解決する方法は一次情報を得ること」という内容があります。
この記事は、そんな本の要約を載せているわけですが、私の理解で内容をシンプルにして書き留めたものです。
私は「この本、どんな内容だったかな?」と思い、自分のブログの記事を読むことがあります。
そうすると、実際に本を読んだときほどの衝撃はありません。
もちろん、一度読んでいるため「知っているから」というのはあるでしょう。
でも、それだけの理由ではないと思います。
やはり、著者が考えて装飾した言葉だからこそ読者の心に響くものがあるのかもしれません。
正直、冗長な説明だなと思うところも本によってはあるのですが、それだけ著者が熱を持って伝えたいことであることがわかります。
そのため、要約やレビューの記事を読んで、少しでも「面白そうだな」と思った本があれば実際に本を手にして読んで見ることをオススメします。
それは、ビジネス書でも小説でも漫画でも良いと思います。
それが、あなたの人生のバイブルとの出会いになるかもしれません。

この記事では、本書の一部に触れた程度です。
本書では、大事なところで間違えない「決める」ための戦略的思考法を学ぶことができます。
本書を手にして、この秀でた思考法であなたの強みを増してみてはいかがでしょうか。

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